№4綺羅々のおしごと
綺羅々たたかう。
無事、明石家の経営する海苔屋「たまや」に採用されることになった、綺羅々こと中の人は誾千代は、現代の日本人の生活様式などにカルチャーショックを受けながらも、新しい人生をそれなりに楽しんでいた。
多少のドジっ子要素はありの、甲斐甲斐しくテキパキと海苔屋のバイトをこなす姿に、お客は新たな看板娘の到来と喜んだ。
ちなみに彼女は、たまやで住み込みで働いている。
しかし流星綺羅々には別の顔があった。
それは・・・。
海苔屋「たまや」閉店時間。
「お疲れ様~キララちゃん」
環は笑顔でそう言った。
「お疲れ様です。環さん」
綺羅々は丁寧におじぎをする。
「環~戸締り終わった?」
明石家の母、絵美がレジ〆の作業を終わり、こちらへとやって来る。
「はーい。オッケイ」
その声に、
「はい。よろし。じゃ、綺羅ちゃん、また明日ね」
「はい。お疲れ様でした」
二人が帰った後、綺羅々は二階の自分部屋へとあがる。
在庫商品などが置かれている物置が間仕切されており、彼女のプライベートスペースがある。
「ふう」
彼女は急須で入れた熱いお茶を一口啜ると、まったり顔となる。
「さてと、夕飯前に温泉でも行こうかな」
と、最近、オキニの亀の井ホテル大展望風呂を思い浮かべ、独り言を呟く。
「!」
ところが、胸のペンダントが赤に発光しだす
「・・・・・・そう」
綺羅々は肩を竦めると、欄間に掛けていた巫女衣装を両手でとった。
それから素早く着替え部屋を飛び出した。
綺羅々は駆ける。
もう空はすっかり暗くなっている。
ここは人通りもない、寂しい場所。
彼女の目の前に、かつては人が住んでいたであろう、廃墟がみえる。
朽ち果て雑草が生い茂り、無人となって数年とはいえぬ時の経過を感じる。
「・・・・・・」
綺羅々は高く茂った雑草を掻き分け、ずんずんと中へと入る。
ペンダントの発光がより輝きを増す。
綺羅々はサラリと鞘を抜き日本刀をとりだす。
夜陰に白刃がキラリ。
「今宵の雷切丸は切れ味が違うぞよ」
彼女の目が怪しく赤く光り、薄ら笑みを浮かべる。
眼前に対するのは、かつて家の主人が魍魎と化していた。
「・・・ナゼ・・・」
魍魎は巫女に問いかける。
「何故?聞きたいのか」
「ナゼ・・・ナゼ・・・ドウシテ・・・」
「お主がそれすらも分からんのがすべてよ。この世に未練を残したお主が悪霊にそそのかされ、魍魎となって周りに邪悪を振りまいておるのだ」
「ソンナ・・・コトナイ」
「ふっ」
彼女は自嘲し、
「そうか、そうだな」
雷切丸をゆっくりとあげる。
「ソンナコトナイッ!」
魍魎は綺羅々へと襲いかかる。
「・・・・・・」
一閃。
煌めく一太刀が、魍魎を裂いた。
キンッ!
鞘に納める刀の音が静寂に響き渡る。
「難儀なものよ。綺羅々よ」
誾千代は元身体の宿主、今は自分の名を呼んだ。
えっ?という展開でしょ(笑)。




