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不安と探索

「結構良い班なんじゃない?」

「ああ、それぞれ相性が良さそうな人達ばかりだ」

「だが……」


「おい零、俺達ともっと話そうぜ?悲しいよ俺達は」

「あ……いや、えっと……」


「零ね……」

「零ちゃん、あの二人とやって行けるのかな……」


唯一気がかりなのが、零ちゃんだ

零ちゃんはさっき、田村宮さんに怯えてるみたいだった

そして、それは今も変わっていない


「大丈夫……だと思う……」

「え?」

「どうして、そう思うの?桃ちゃん」

「零はああ見えてキックボクシングやってたから……いざというときは……なんとかなる……と思う」

「しかしねえ……相手はあの巨漢だぞ?どうにかなるもんかねえ……」

「まあ、いざと言う時には私がなんとかするわ、現役の自衛官だし」

「頼りになりますね」


それでも、不安だ

いくら零ちゃんがキックボクシングをやってて、江川さんが仲裁に入ったとしても、止められるとは思わない


「おーい!今から水とかを探しに行くんだが、誰か一緒にきてはくれんかな」


神谷さんが呼びかけた


「どうする?」

「行く?」

「正直ここの情報知らないから行きたいな」

「じゃ、行くか」


俺達の班は、行くことが決定した


「霞ちゃんたちはどうする?」

「私はいい、怪我してるし」

「霞が行かないなら……わたしも行かない……」

「わかった、じゃあ私達は待っていようか」


「俺は行きたい……二人は……どうする?」

「愛、どうする?」

「んー……」

「正直行きたい……かな」

「じゃあ……行こう……」


「どうすんねん、行くんか?」

「行かなくていいんじゃねえか?どうせ他の奴らが行くだろ」

「そうですね、では俺達はここで待っていましょうか」


「どうする?」

「行く?零ちゃん」

「えっと……その……」

「おい零、ちゃんと意見言わないとわかんねえぞ?」

「えっと……じゃあ……」

「行きたくない……です……」

「よしわかった、なら俺達はここにいよう、な?」

「……はい……」


「集まったのはお前達だけか?」


集まったのは俺達一班と三班、そして神谷さん率いる五班だ


「じゃあ、まずは一階から調べよう」

「とりあえず、水を見つけたら真っ先に確保だ、食料はその後だ」

「あとは毛布とかですか?」

「ああ、恐らくここにらは寝具店がある、そこで調達しよう」


俺達は計画を練りながらモール内を練り歩いた


「ほう、下はスーパーになっているのか」

「じゃあ、まずは水だな」

「では、五百ミリリットルの水を人数分集めてくれ」

「え?」

「一気に持って帰らないんですか?」

「さっきも言ったが、ここには電気は来ている」

「だから電気が生きてる間はここの冷蔵システムは生きてるというわけだ」

「なるほど……」


水十八本は、思ったよりも簡単に集まり、量も一人でかなり持てそうだった


「よし、では夜野、鬼灯、古見の三人で水を持って帰ってくれ」

「他は引き続き探索を進めていくぞ」


「ねえ」

「ん?」

「えっと、夜野さん?の名前の由来って何?」


鬼灯さんに聞かれた


「あー……考えたこと無かったかも」

「親から聞いたりとかは?」

「ないない、気にならなかったし」

「鬼灯さんは?」

「愛でいいよ……いや、いいですよ」

「すみません、年上ってことすっかり忘れてました」

「ああいいよいいよ、敬語使われるの苦手だし」

「よかった、名前の由来は聞いた事無いけど……」

「多分、誰よりも愛される子に育てって意味を込めてつけたんだと思う」

「へえ、いい名前だね」

「まあ、実際は親からの愛情すらまともに受け取ったことないんだけど」


その言葉を聞いた時、俺は手に抱えていたペットボトル六本を落としてしまった


「え?ど、どうしたの?」

「ごめん……ごめん……ごめん……」


こんなにも死にたいと思ったのは初めてだ

殺してくれ、愛に殺されたい

愛は俺を殺さないといけない、殺す権利がある

愛の過去を、決していい気持ちではない過去を

俺が無理矢理

無理矢理ほじくりかえした


「ごめん……ごめん……」

「べ、別に気にしてないから大丈夫だよ!」

「でも……本当にごめん……」

「今の俺には瑠美がいるから」

「瑠美がいるから、大丈夫なんだよ」


ここにいる人達はみんなあったかいな

それよりも、俺はデリカシーのない発言をする癖をなんとかしないとな


「な、なあ……お前ら……」


古見さんが止まった


「どうしました?」

「あ、あれ……見ろよ……!」

「え?」


古見さんが指さしたとこには、ありえない情景が広がっていた

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