表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

出会い 4日目~7日目

4日目

犬には留守番してもらって、食料の買出しに出かける。


(あと3日で預かり先を探さなくては。いくら手がかからなくて可愛くても、いつまでもこのままではいられない)


犬は今まで一度も吠えていない。


体格は大型犬そのものなのに動きがしなやかで静かだ。


帰ると犬が玄関の前で尻尾を振りながらお座りをしていた。


お風呂は昨日と一緒の状態になってしまった。

(どんどん情が移っていく。早めに手放さなくては……)




5日目

犬の様子が落ち着かない。


朝からなんだかそわそわしている。



夜の帳が下りたころ、犬がドアの前でクゥクゥと小さく鳴き始めた。


近づくとじっとこちらを見つめる。



ふいに、犬は元いたところへ帰るのだと解った。



犬の前に膝をついて目線をそろえる。


すると犬がほっぺたをぺろぺろと舐めてきた。


目を閉じる。


犬は温かい舌で顔中を丹念に舐め回した。


最後に優しく唇を舐めた。


唇に牙が軽く刺さり血が出る。


犬はそれを舐め取る。


目を開くと間近にブルートパーズの瞳があった。


しばらく見つめあったあとに、重い腰を上げてドアを開けると、犬はそこから音も無く外へと出ていった。




6日目

保健所や警察には探し主が見つかったと嘘の連絡を入れた。


ネットの迷い犬・里親探しの掲示板からは犬の情報を削除した。


部屋を掃除したあと、その日一日はぼんやりと過ごした。




7日目

何事もなかったかのように休みを謳歌する。


ショッピングをして、お茶を飲んで帰ってきた。


次の日から仕事が始まるのだから、気持ちを切り替えなくては。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ