5. 置いてけぼり
目の前に現れた生物は、カエルのような躯体にイグアナのような顔と尻尾、それと背中をしていて、明らかに敵対モードだった。蛇のような細長い舌と鋭い歯をちらつかせ、獲物の出方でも窺うように首を傾げながら、こちらを見ていた。
「お、おい、逃げるぞ!」とナカトミとジョージにそう言うや否や、一目散にやつらはおれを置いてダッシュして逃走した。
「へっ?」
まさに呆気に取られたようにおれは面食らい、あいつらから置いてけぼりを食らった。そして、おれは頭一つ分出遅れて逃げ出した。もちろん、イグアナガエルも追いかけてくる。
「なんでだよッ!! どうしてだよォッ!!」
おれは、藤原竜也並みの心境を心の中で叫んだ。今なら主演男優賞も狙えるかもしれない。
必死で逃げるおれ。カエルのような躯体のくせしてトカゲのように足をバタバタと回転させわすごいスピードで追いかけてくるイグアナガエル。徐々に詰まっていく距離。
くそ、このままだと殺される。どうしたら、どうしたらいい。何か方法は・・・・・・。
このまま、木々の間をすり抜けて距離を開けて逃げ切るか、いや無理だ。体力が持たないし、それに追いつかれる。じゃあ、木の上になんとか登って逃げるか、いや登れる木がそもそもないし登れてもあの生物も木を登れるからどっちみちそれも無理だ。じゃあ、いっそのこと、落ちてる木でも拾って戦うか、いや、一番ない。地面に這いつくばっても高さが2m近くある化け物なんて、たとえ木が突き刺さっても勝てない。じゃあ、どうすれば、どうすればいい。くそっ、せめて、せめてあの前2人の馬鹿だけでも犠牲に逃げられればいいのだが。なんとか、なんとかあいらを犠牲にできないか。なんとかあいつらを・・・・・・と考えているとおれは地面に埋まっていた岩につまずいた。
「あっ」