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15.照れくさそうな顔とドヤ顔

「臭いわッ!!!」

 おれは覚醒するとともに、目の前にある異臭を放つ得体の知れない何かをバチンッと平手で叩いた。ぼやけた視界のなか、異臭を放つものが何なのか注意深く見ていると、叩いたことが正解だったことが分かった。


「ナカトミ!」

 何となく予想はついたが、異臭を放つ得たいの知れない何かはナカトミであった。ナカトミは、裸ですやすやと上下逆の位置で寝ており、屁をこくごとに少し照れくさそうな顔になっていた(てめぇは照れくさいというか下痢臭いぞ)。


 ナカトミの反対を向くと、そこにはナカトミと同じように上下逆の位置で裸のジョージが寝ていた。

「ジョージ!」

 ジョージはなぜか忍者のように手で印を結んでおり、屁をこくごとに技が決まったかの如く少しドヤ顔になった(コイツのケツにクナイを突っ込んでやろうかな)。


 おれたちは気がつくといつの間にか、中世ヨーロピアンを感じさせる木造の部屋の中で屁をこきながらベッドに寝そべっていた。いや、おれは屁をこいていないけどな? 

 おれはさっきまで着ていた服とは異なり、麻で作られていそうな色褪せたカーキ色の服着ていた。普通の店では見られない型で、どこか舞台か何かの衣装のようだった。近くにあるテーブルには、ナカトミとジョージの分か2着分が置かれていた。いや、なんでコイツらは着てないの?


 ひとまず、おれはナカトミの汚物で汚れた顔面を近くにあった桶に入った水とタオルで拭きながら、怒りが込み上げぎゅっと握りしめている拳を冷静に押さえようとした。

「落ち着くんだ、おれ。今コイツらを殴っても溜まっている怒りとコイツらの屁が噴出するだけだ。冷静になるんだ。そう、落ち着け、落ち着くんだ。いやむしろ、この状況を活かすんだ」


ーーピキーンッ!


「そうか、閃いたぞ」

 顔の汚れが落ちりきると同時に、おれの頭の中の豆電球がクリスマスツリーの星のように煌々と輝き、この状況の解決策を導き出した(汚れを落としたタオルはすっげぇ臭かった)。

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