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文芸詩『あなた牧場』

作者: 堀川士朗

おはようございます。新作のお届けです。新ジャンル、文芸詩!お楽しみに!


 文芸詩『あなた牧場』


         堀川士朗



わたしは、頭の中の牧場で、あなたを百匹飼っている。



家具も寝具も、何一つない部屋でお茶を飲んでいます。

イギリスから取り寄せた紅茶。

高い奴。

生まれた意味を思っています。

そうした意味を反芻はんすうしています。

午後になろうとしている。

勤勉な鳥の鳴き声ばかり。


ここには何でも在る。

何でも揃う。

矢張、何にもない。

一羽の鳥も居ない。

さっきの、気のせい。



わたし、乙女じゃ在りません。

乙女じゃ無いから祈りません。

たまにゃ酎ハイも飲みます。

液体。

そう。

カラダの中に入れば、混ざりあっておんなじ液体だもの。



わたしはあなたの事好き。

でもあなたには好かれたくない。

好きじゃあ無いでしょ。

あなた牧場。


嗚呼。

美味しいサムギョプサルが食べたい。

ギョプサりたい。

あなたの奢りで。

OKAY?

マッコリも飲みたい。

全ての液体と混ざりあってあなたとおんなじになりたい。



あなた一匹が、百匹分の力を持っている。

あなた百匹が、一匹分の煩わしさを備えている。

其れは黒にも空にも思える。

そう云う人だったでしょ。

あなたって。

あなたはいはい。

あなたはいはい。

あなたは這いずり回る。

百匹も居ればね。

仕方ない。

あなた牧場。



イリーガルにダウンロードしたオーバーフロー気味のペッパーベリージャムサンドとアクティビティログなハイハットさがターンパイクにクローズアップされたグリークスキャッツらによるスクワランエキス配合のシニカルラグジュアリークラスでクラクションをアップしたらビコーズする軽くエクスターミネーターのドミネート横丁でパステルカラーマイノリティサタニティのプリピャチトーイックはヤーボール了解?

OKAY?


わたし、外国語は嫌いです。

びっくり鈍器法廷しちゃうから。

馬鹿馬鹿しくて。

悔しくて。

もどかしくて。

切なくて。

あなたを埋めた意味も無くなろうと云うもの。



此処は、牧場小屋。

何一つない、白い部屋。

真っ白にしたお陰で、何にも見えやしない。

紅茶を飲んであたたまっています。

誰も来ないけどオートロックです。



あなた牧場に草生えた。

もうやんないよ。

もうエサはやんないよ。

是れ以上増えたら何処か行っちまうから。

其れよりも酒だ。

酒だ。酒だ。

酒買って来い。

あなたの溜め息にも似た優しい悲鳴を聴きたい。

欲望の果て。

世界の果て。

嘘よ。

ゆっくり食べて、ゆっくり休んでね。

土の下の臥所ふしどで。

やってしまった事を後悔するほど愚かな女じゃないわ。


嗚呼。

全て終わっタヌキになりたい。

ポンポコ!



わたしは、頭の中の牧場で、あなたを百匹飼っている。



          おしまい



     (2023年1月執筆)




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