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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第2章 魔王と戦争

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時既に遅く……

 ブラッド城の麓の街へと漸く到着した俺達だが、街が何やら慌ただしい。


「何だか街が騒がしいですね」


 商隊長がいつもと違う街の雰囲気に何か戸惑っている。ブラッドに用がある俺達は商隊がこのまま城に向かうと言うので、街の様子を見ながら同行させてもらうことした。


「それにしても、首都だけあって、荒野の中の街と言ってもそれなりに大きな街だな」


 エスティの方がまだ活気に溢れていたのは、ここが荒野のど真ん中というのがあるのだろうが、それでも中々立派な街だ。住んでいる人も結構いるんじゃないか。ひっきりなしに人が行き交っているし、ただ、冒険者なのだろうが、武装した人間も多く見かける。


「慌ただしいし、何だか空気がピリピリしているね」

「そうだねぇ」


 ミコトとアルも俺と同じように感じているみたいだ。まあ、近々戦争を始めようという街の空気がのんびりとした平和な空気な訳がないのだろうが。


「見えました。あそこを抜ければ城ですよ」


 商隊長が指差した方向を見れば大きな門があり、兵士が二人、扉の左右に槍を構えて立っている。


「こんにちは。ブラッド様の依頼の品をお届けに参りましたカマス商会のカマスです。荷を納品したいので、通行をお許し下さい」


 そう言って何かの紙を兵士に渡す。紙を受け取った兵士は内容を確認すると、カマスに返答した。


「ふむ。期日より遅れているな」

「申し訳ございません。道中、野盗やモンスターの襲撃に遭い、期日中に伺えませんでした」


 兵士は両腕を失くしたバランの姿を見ると、


「ふむ。確かに。そいつがそんな姿になるとは。不運であったな」

「悪かったな。こんなナリで」

「バラン。気を悪くしないでくれ。俺はお前の腕を買っているんだ」

「ふん。どうだか……」


 兵士は顔をポリポリと掻きながらカマスに返答する。


「まぁ、とにかくだ。荷はここで受け取る。城への通行は許可出来ないのでな」

「どういうことですか?」

「どうもこうもないよ。昨日、サウザートに宣戦布告をして、戦争が始まったからな。厳戒態勢なんだ。今は城に関係する者以外通す訳にはいかないんだ」

「そんな! 俺達、女神プリメラ様の助言で魔王ブラッドに会いに来たんだ。通してもらえないか?」


 俺が兵士に問いかけると、兵士は俺の姿と傍らにいるアルを見て答えた。


「その子竜は……。噂の救世主とやらか。残念だが、救世主だろうと通す訳にはいかない。君たちがブラッド様の命を狙っているとも限らないんだ。そんな気があるようにも見えないが決まりなんだ。諦めてくれ」

「そんな……」

「僕だけでもぉ、駄目かなぁ?」

「駄目だ」


 戦争開始を防ぐという意味でも、ブラッドとアルを会わせたかった。だが、これまでの戦闘で予定より遅れてしまったため、開戦してしまっていたとは。


 それで、あんなに街中がピリピリとした空気で慌ただしかったんだ。


「取り敢えず、荷は預けます。受け取りの報酬については…」

「ああ。宿で待っていてくれ。後で、使いの者を寄越す」

「分かりました。それでは……」


 カマスが商隊の者達に荷を降ろすように指示を出す。指示された者達が荷を次々と降ろして、兵士の前に積んでいく間、俺とミコト、アルはこれからどうするか相談していた。


「ブラッドに会えないとなると、先にセドニーの所に行くべきかな?」

「うぅん。僕はまだ早い気がするなぁ」

「そうね。私もアルと同じ意見かな。何か会う手段が無いか探してからでもいいんじゃない?」

「それなら、俺たちも宿に行くか」


 俺の提案に二人が頷く。商隊の人達と一緒に宿へと向かう途中、冒険者の姿を多く見かけた。


「普段からこんなに冒険者がいるのかな?」

「いえ、それなりには居ますが、こんなに普段は多くないですよ。戦争の影響でしょうかね?」


 もしかして、戦争に参加する冒険者を募っていたりするのか?


 後で冒険者ギルドに行ってみよう。宿に着いた俺たちだったが、何処の宿も一杯で泊まる所が無いと言う。


「参ったな」

「困りましたね。しょうがない。私達は街の外で馬車で連絡を待つようにします。お二人はどうしますか?」


 どうしようかとミコトと悩んでいると遠くから名前を呼ばれた。


「アスカぁ、ミコトぉ」


 呼ばれた方を振り向くとゴス村で会ったミサオが手を振りながらこっちへやって来た。


「二人共、久しぶり!」

「久しぶりという程のものかな?」

「まぁ、久しぶりと言われればそうなのかも」

「何よ。それより、こんな所で何を突っ立っているの?」


 俺はミサオに事情を話す。


「えぇ! 戦争始まっちゃったの! あちゃあ。参ったなぁ」


 参ったと言う割には、余り気にしていないようにも見えるが……。


「二人共、ブラッドに会いたいんだよね」

「ああ」

「で、今日は泊まる所が無くて困っている」

「はい」

「じゃあ、今暇だよね」

「いや、泊まる所探したり、ブラッドに会う方法を考えないといけないから、暇というわけでは……」

「だから、その方法はあるから、暇だよね?」

「その方法が無いから暇じゃない……??? 今なんて言った?」


 ミサオの言葉をもう一度聞き返す。今、聞き間違いじゃなきゃブラッドに会う方法が有ると言った?


「だから、ブラッドに会う方法があるから、暇でしょって……」

「いや、ブラッドに会う方法があるのか!?」

「え、私と一緒に行けば会えるでしょ。っていうか、会わせないなんて言い出したら、暴れてやるから」

「暴れなくていいから……」


 でも、確かに城の関係者以外通せないと言っていたが、ブラッドが召喚したミサオと一緒なら大丈夫かもしれない。


「分かった。それじゃあ後でブラッドの所に連れて行ってくれ。それで、何で暇なのか聞くんだ?」

「そのブラッドの所に戻るために手伝って欲しいの」

「何をですか?」


 ミコトの問いにミサオは下を向きながら、恥ずかしそうに答えた。


「えっと……、ダンジョン攻略……」

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