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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第1章 救世主と聖女

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資金難……

 旅に出るには当然お金が必要になる。今にして思えば、初期装備もアンファ村の宿代も全てポーラが払ってくれていた。装備代に関しては、クエスト報酬を使って返したけど、今の宿代を払って、俺の手元には七百ゴルしか残っていない。船に乗るにしても宿に泊まるにしても、食料の買い込み等を考えたら、全くと言っていい。足らない。


「あ、そうか。私もお金は持ってないよ……。それは困ったね」

「えぇ……。二人共ぉ、お金が無いとこの先やっていけないよぉ」

「分かっているよ。しょうがない。背に腹は代えられない。さっきのカオスドラゴンの素材、半分は売却して当面の費用にしよう。あとは、旅先でクエスト受けながらお金を稼ぐしかないな」


 装備品については、今回プリメラにもらった神器で少しだが強化は出来た。この際、装備品は神器任せというのも有りかもしれない。カオスドラゴンの素材を売るために冒険者ギルドへと向かった俺達は途中、セレス達と出会った。


「アスカ、ミコト。ポーラはどうした?」


 セレスに昨日の事を話す。俺達がプリメラの力を借りたとはいえカオスドラゴンを倒した事に驚いていたが、ヒデオにやられた事については、貶すのかと思っていたが意外にも心配しているようだった。


 やっぱり、セレスはポーラの姉だな。今までの冷たい態度はポーラの身を心配しての発言だったのだろう。


「兎に角、俺達はポーラを救うためにも他の魔王や女神に会わないといけないから、これから旅に出るよ。ポーラについては、プリメラ様が面倒見てくれるらしいから、たまには様子を見に行ってやってくれないか?」

「そう。分かったわ。あなた達も気を付けて。付いて行ってあげたい所だけど」

「大丈夫です。セレスさん。私たちだけでも何とかやっていきますから」

「そうだよぉ。僕たちに任せてぇ。きっとポーラは救ってみせるよぉ」


 セレスは俺達に頼むと頭を下げると、その場から立ち去って行った。本当にアルの事、誰が見ても騒がなくなった。昨日までの騒ぎが嘘みたいだ。世界の理が変わったと言っていたけど、こんなに簡単に受け入れられるとは、流石、異世界としか言いようがない。


 冒険者ギルドに着き、受付に素材の買い取りを依頼する。


「素材の買い取りですね。どのモンスターの物ですか?」

「これです」


 カオスドラゴンの牙、爪、鱗、骨をそれぞれ一つずつカウンターに出す。いつか<錬装>で武器化出来た時、両手に揃った武器を装備出来ないけど、仕方がない。俺の<錬装>した武器は、どうも熟練度が上がるとアーツやスキルを取得出来るものもあるみたいで、各素材を一つは残しておきたい。出来た武器を鑑定出来れば、売る素材を絞れるのかもしれないけど、それが出来ないから。


「これは? 見た事も無いモンスターのようですが……。一体どこで?」

「これは、昨日この街に来たカオスドラゴンの物です。俺達が討伐したので」


 暫く、受付が固まっていた。無理もない。あのカオスドラゴンの素材など誰が持ち込むと思うのか。


「えーと、昨日のあの巨大なドラゴンですか? あれ、カオスドラゴンって言うんですね。初めて知りました」


 少し待ってほしいと言われ、受付が奥へと入っていき、奥からトーマを連れて来た。


「お前か。昨日のドラゴンの素材を持ってきたなどと言う愚か者は」

「それはどういう事です? ポーラの父親であり、ここのギルドマスターであるあなたと言えど、言っていい事と悪い事があると思いますけど」


 トーマの物言いに腹を立てたミコトがトーマに食って掛かる。俺としては、逆の立場からすればあのカオスドラゴンを倒したなんて、確かに誰も信じられないだろうから、疑ってかかられるのを考慮していたから、気にはしていなかったのだけど。


「聖女様。例えあなた様と言えど、冗談にもほどがあります。あれは、プリメラ様が倒したのでしょう。それを自分の手柄にしようなんて、いくら私でも騙されません。あれは人が倒せるような奴じゃない」

「そう言うと思っていたよ。でも、事実なんだ。これは昨日のカオスドラゴンの素材。そしてあれを倒したのは俺達。とは言っても、プリメラ様の力を借りた上での勝利さ。本物かどうかは鑑定をしてもらって構わないよ」


 俺の言葉にトーマは疑いの眼差しを向けるが、ギルドにいる<鑑定>持ちの職員を連れて来て、カオスドラゴンの素材を鑑定させる。


<鑑定>を使って職員の顔がみるみる険しくなる。本物だということが分かり、驚いているのだ。


「マスター。ほ、本物です。これらは混沌竜の牙、爪、竜鱗、骨と出ました」

「そんな。本当なのか……。こいつがあのドラゴンを」


 鑑定結果を言われてもまだ信じられないといった感じだが、アルがダメ押しをする。


「僕と一緒に旅をするのだからぁ、それくらい当然でしょぉ」


 お前が言っても説得力無いと思うのだけど……。


「そうですね……。神龍の子が言うのなら、間違いないのでしょう……。ですが……」

「兎に角、買い取りお願いできますか?」


 受付が買い取りの目録を調べている。当然か。カオスドラゴンの素材なんて持ち込みがこれまで無かっただろう。


「……お待たせしました。こちらが代金になります」


 俺の目の前に大きな袋と領収書が出て来た。領収書には十九万ゴルと書かれている。


「すみません。個人的には、この金額は少ないと思うのですけど、目録に書かれていた金額がこうだったんです」


 受付が俺に目録を見せる。混沌竜の牙、爪……三万ゴル、竜鱗……五万ゴル、骨…八万ゴル。確かに書かれている。


「モンスターの脅威から見ると確かに安いが、これは今まで討伐された事が無いから暫定金額なのだろう。残念だが、今はこれ以上支払えない。金額は今後見直しを検討するが、差額の支払いは無い。それでもいいかね」


 背に腹は代えられない。今すぐ俺達はお金が必要だ。俺は頷く。


「しょうがないです。海を渡るのにお金が必要ですし、今の財布事情を考えれば、この金額で受け取ります」

「では、ここにサインをお願いします」


 俺は引き換えの了承サインをすると、そのお金を<空納>へと仕舞い込み、俺達はギルドを後にした。さあ、これで当面のお金は何とか出来た。やっと旅発つことが出来る。街の入り口、ここへ来た時とは反対側に位置する入り口へとやって来た。


「さあ、港町ガートリアへ向けて出発だ」

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