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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第五章 豊穣と異変

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勝利への兆し

 ソーンマッシュアサルトと戦っている間にソーンマッシュドラゴンの強化も完了してしまった。


「ねぇ、これかなりやばいよね?」

「そうだな。正直、バルディアの読みが外れたとしか思えないよ」

「私はバルディア様を信じたいけど、この状況を見るとそうも言ってられないのかな?」


 バルディアはサキに出来ない事は依頼しないと言っていたが、今回はそうは思えない。


 ソーンマッシュアサルトとソーンマッシュドラゴンに挟まれ絶対絶命の大ピンチだ。頭の中でどうすれば生き残れるかを考えている。


 ソーンマッシュアサルトなら加護の力を使えば倒せるだろう。だが、ソーンマッシュドラゴンは? あのタフさだ。たぶん倒しきれない。まったくとんでもない奴を相手にすることになってしまった。折角、カオティックナックルやカオスファングといった強力な武器を手に入れて、やっと火力面でもまともになってきたというのに、すぐに通用しなくなってしまう。


 うん? そういえば忘れていたけど、カオスファングの装備で使えるようになったアーツがあったな。


「これはまだ試していなかったな。試してみるか?」

「どうしたの? アスカ?」


 治らない傷にずっと<ヒール>を掛け続けていたミコトが俺の様子を見て質問してきた。


「この状況を打破出来ないか、新しいアーツを試してみようと思ったんだ」


 試すならソーンマッシュドラゴンに使う方が良いか。ソーンマッシュアサルトは何とかなりそうだからな。


「それじゃあ、行ってくる!」


 ミコトにそう言うと、<瞬歩>でソーンマッシュドラゴンの方へと移動する。瘴気を取り込んだ影響なのか、体の色が黒ずんでいた。見た目だけなら良いのだが、そんな事はないのだろうが。


「これはどうだ!? <重竜牙>」


 カオスファングを装備している左腕が黒い光に包まれ、その光が拳に集まる。今までに感じた事のない感覚だ。その黒い光がカオスファングの爪に集まった。


 感覚で分かる。これは殴るのではなく切り裂くものだと。


 その黒い光をソーンマッシュドラゴンの首を引っ掻くように腕を振る。


 ズドォーーーン

 

 とてつもなく重い塊が高所から落ちて来たような重低音が大きく響く。

 

 は? 引っ掻いて出るような音じゃないのだが?


 果たしてそのとんでもない音を立てたアーツの威力はというと、これまでの攻撃がまったく効いていなかったのが嘘だったかのように、見事にソーンマッシュドラゴンの首を深く抉っていた。


「効果は絶大。でも……」


 左腕が痺れて動かない。指一本動かせない。右腕一本で戦わないといけないのか?


 首を深く抉られたソーンマッシュドラゴンは動かなかった。いや、傷が深く動けないのか。なら、右腕も犠牲にしてでも、このチャンスを逃すべきじゃない。


「<重竜牙>……?」


 何だ? 発動しない? まさか、このアーツはクローが付いている装備じゃないと発動しないのか?


 今すぐに装備を変えないと。左腕が動かないのに。いや、この時の為のあのスキルか。これまで全く使うことの無かったスキルがここで役立つとは。


「<換装>」


 右手のカオティックナックルと左手のカオスファングを一瞬で入れ替える。これで右手でも<重竜牙>を使えるはず。


「重――」


 アーツを使おうとした瞬間、背後からの強烈な殺気を感じ、横に飛び退いた。


 直後、俺の立っていた場所にソーンマッシュアサルトの茨が複数突き刺さる。あのままソーンマッシュドラゴンを狙っていたら、頭から串刺しにされる所だった。


「やっぱりお前から倒さないと駄目か」


 サキとミコトだけでは抑えるのは難しかったようだ。


「ごめんアスカ。こいつ強くて邪魔出来なかった」

「いや、俺も二人に詳しく説明もしないで動いたからな」

「でも、アスカがさっき使ったアーツならあのドラゴンを倒せるんじゃないの?」


 ミコトの質問に頷く。


「そうだな。二発。二発叩き込めれば首を落とせる可能性はある。でも、その二発が難しいかな」


 俺はまだ痺れが取れず動かない左腕を見ながら、<重竜牙>の連続使用の難しさを痛感する。


 その痺れる左腕をミコトが<ヒール>で癒してくれるが、さっきの傷と同じく癒える事は無かった。


「どうして? 私の魔術が効かないの?」

「ミコト!」


 傷を癒す事が出来ずショックを受けているミコトにソーンマッシュアサルトが茨を叩き付けてきた。俺はミコトを押し飛ばし、その攻撃を覇者の手甲で受け流す。


「サキ!」

「分かってるよ! <インフェルノ>!」


 俺の合図でサキがソーンマッシュアサルトに向けて<インフェルノ>を放つ。業火がソーンマッシュアサルトを包み込んだ。


「やった!」


 ソーンマッシュアサルトに火を付ける事が出来てサキは喜んだが、その喜びは一瞬で消えた。


 炎に包まれたソーンマッシュアサルトの茨が焼け落ちた所から再生し、何事も無かったように、元の姿に戻ってしまった。体を包み込んでいた火も消えてしまった。


「もう一度! <インフェルノ>!」


 再びサキはソーンマッシュアサルトに向けて業火を放つが、ソーンマッシュアサルトは既にその場には居ない。


「サキ! 上だ!」


 サキの<インフェルノ>を躱したソーンマッシュアサルトは、サキの頭上に現れ、体の茨を広げ、サキを覆い尽くそうとしていた。


「うわっ! い、<インフェルノ>ぉっ!」


 慌てて頭上に向けて<インフェルノ>を放つ。ソーンマッシュアサルトは広げていた茨を閉じ、その炎を受ける。茨か勢い良く燃えるが、やはり、すぐに再生してしまう。


 尤もその間にサキは俺たちの方へと逃げていたので、怪我の一つもなく済んだのは良かった。それに。


「サキのお陰で、あいつの倒し方が分かった」

「どういう事?」

「まあ、こういう事だよ」


 俺は動く右手に<紅蓮>、<双牙>を発動し、ソーンマッシュアサルトへと飛び込む。


「<光迅>」

 

 そして、頭部であるきのこにその拳を叩き込んだ。光速の突きを躱すことも防ぐこと出来ず、俺の拳はソーンマッシュアサルトに届く。


 二発分の衝撃は、ソーンマッシュアサルトを吹き飛ばし、顔面が燃え始めると慌てて、茨でその炎を消火し始めた。


「やっぱり。あいつ頭が本体なんだ。頭部をやられれば復活出来ないから、ああやって慌てて消火しているんだな」


 とはいえ、他のソーンマッシュよりもタフなのは間違いない。ソーンマッシュドラゴンが復活する前に倒せるだろうか?

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