表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第五章 豊穣と異変

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/229

増えるソーンマッシュ

 次々と増えるソーンマッシュを相手にしながら打開策を考えるが、良い案が見つからない。


「アスカ、これやばくない?」


 <アブソリュートゼロ>で敵を凍りつかせながらサキが俺に問い掛ける。


「そうだな。何かもっと効率の良い討伐方法を考えないと」


 ソーンマッシュの茨を躱しながらサキの問いに答える。


 どう考えても、火力も人数も足りていない。数体程度なら何の問題も無いが、数の暴力にはどうしようもなかった。一体倒す間に二、三体は増えている。


 加護の力を開放すれば倒す数の方が勝るだろうが、時間制約がある。ソーンマッシュを殲滅するまでには至らないだろう。


「アスカ、サキ」

「何だ? ミコト」

「このモンスターは火に弱いよね。アスカの攻撃で燃えているし」

「そうだな。そのお陰で何とか倒せているぞ」

「でも、僕の<アブソリュートゼロ>で凍らせて砕いた方が早いよ?」


 そう。確かに俺よりもサキとミコトの二人で倒している数の方が多い。


「今はね。でも、あのモンスターを燃やした後、倒さずに他のモンスターにぶつけたら?」

「「!!!」」


 そうか。こいつらは炎に弱いし、そもそも植物系モンスターだから燃えやすい。火を点けた奴を他のモンスターにぶつければ次々と燃え広がって簡単に倒せるかもしれない。


「でも、そんな事したら辺り一帯火の海にならない? 僕達もタダじゃ済まないよ?」

「それは私の<ホーリーバリア>があるから大丈夫だよ」

「確かに。何で気付かなかったんだ?」


 そう。こんな簡単な答えに全く辿り着かなかった。モンスターは自分の手で倒すという考えしか思い浮かばなかった。


「さっきまで私もこの案を思い浮かばなかったんだけど、モンスターの攻撃で毒を受けた後、<リカバリー>を使ったら、突然頭がスッキリして」

「もしかして、あいつら何か目に見えない状態異常攻撃をしているのか?」


 俺は自分自身を<鑑定>してみて驚いた。


「何だって!」

「どうしたの?」


 サキが俺の方を見て尋ねる。


「状態異常に掛かっている。それも二つも」

「嘘っ。そんな攻撃受けてないよ。どんな状態異常なの?」

「弱気と混乱だ」

「混乱はともかく弱気って?」

「多分、この数のモンスターを相手にして、勝てないと思わされていたんだろう。実際そうだったしな。そして、混乱によって、冷静な考えが出来なくなっていたんだろうな。ミコト頼む」

「うん。<リカバリー>」


 ミコトに状態異常を解除してもらってはっきりした。


「やっぱり、状態異常のせいだったのか。あのデカいのはともかく、増え続けている小さいのには負ける気がしなくなった」

「そうだね。それじゃあ」

「ああ。燃やすぞ!」


 俺は、近くのソーンマッシュを炎を纏った拳で殴り飛ばし、背後のソーンマッシュにぶつける。


「<インフェルノ>」


 サキも炎の魔導で近くのソーンマッシュに火を点ける。火力が高い分俺よりも激しく燃えている。


「追加だ! <空破>!」


 俺は更に炎を纏った衝撃波を放つ。燃えながら吹き飛んで行き、複数個体を燃やした。


 俺とサキは、これを繰り返しあっという間に辺り一帯が火の海と化した。


 その頃には最初に燃やした個体が燃え尽き光の粒子に消えて行く。


「上手くいったね」

「そうだな。こんなに簡単に倒せるとは」


 元の世界の山火事があっという間に拡がるのもよく分かった。元の世界に帰れたら山で火を使う時は気を付けよう。


「この様子なら直ぐに雑魚は片付きそうだね」


 目の前で次々と燃えて藻掻くソーンマッシュたちを見て、サキが一安心という顔をしている。


「そうだな。でも、まだあのデカいのが居るから、油断はするなよ」

「分かってるよ」


 すると、ソーンマッシュドラゴンに動きが見えた。長い首を下ろし地面と水平の状態になる。


「ねぇ、あれ」

「あのドラゴン何を?」

「ミコト! 障壁を重ねるんだ!」


 ソーンマッシュドラゴンの前には燃えているソーンマッシュが大量に居る。自分から生まれたそれは言わばソーンマッシュドラゴンの子供と言ってもいい。


 それを気にもせず、大きな口を開け、レーザーのようなブレスを放った。


 ソーンマッシュドラゴンの放ったブレスは燃えるソーンマッシュを巻き込みながらこっちへと向かってくる。


「あいつ自分の仲間を気にせず撃ったの?」

「違うよ。見て」


 ミコトが指差すのはこれまで燃え広がっていたソーンマッシュが全て消えていた。消化するために攻撃も兼ねたブレスを放ったのだ。


「来る!」


 ミコトの<ホーリーバリア>がいとも簡単に砕ける。


「嘘」

「ちっ! <龍鱗>!」


 俺は二人の前に出て、金色の障壁を張る。龍の鱗のような障壁はこのブレスを受けてもびくともせずただ眩く輝いているだけだった。


「ゴーレム戦もそうだったけど、それ、防御力凄すぎない?」

「私の<ホーリーバリア>と比較にならないね」

「防御力が高くても、時間制限な上に、使用後は暫く使えないし、張った場所から移動しないから使い所を間違えないけどな」


 それよりも火の海を鎮火させるためにブレスを撃ってくるとは思ってもいなかった。まだソーンマッシュはかなり残っている。


「ねぇ、今ならアスカあのデカいのに攻撃出来るんじゃない?」


 サキの言う通り、今はあいつの放ったブレスのお陰で、目の前にはソーンマッシュドラゴンへと続く道が出来ていた。


「でも、まだかなりの雑魚が残っているぞ?」

「左右に分かれてるけど、僕には、これがあるから大丈夫」


 そう言うとサキは、チャクラムを、左右に投げた。


「<インフェルノ>」


 左右に投げられたチャクラムそれぞれから炎ぐ吹き出る。


「ほら、これで左右を火の海に出来るから行って!」

「分かった。じゃあ行ってくる!」

 

 俺はソーンマッシュドラゴンに向かって駆け出す。


 ソーンマッシュドラゴンは自分の目の前にソーンマッシュを増やし始める。


「<気弾>」


 現れたソーンマッシュに向けて<気弾>を放つ。炎を纏った拳から放たれた<気弾>は、火属性を含み、光弾ではなく、炎弾となってソーンマッシュに向かっていく。


 命中すれば爆発と共に火の粉が飛び散り、周りのソーンマッシュにも引火するが、ソーンマッシュドラゴンは無事なようだ。


 <瞬歩>の間合いに入り、俺は一瞬でソーンマッシュドラゴンの顔前へ移動する。


 そして、力一杯の右フックを叩き込んでやった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ