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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第五章 豊穣と異変

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掃討戦

 巨大モンスターとそれを囲むように広がるモンスターを見た俺たちは急いでその群れに向かって行った。


「あんな量のモンスターが村に着いたら大変だよ」

「そうなる前に倒さないとな」


 サキの言葉に俺は同意する。だが、あの量のモンスターを果たして俺たち三人だけで倒せるのだろうか?


「でも、どうするの? あんなに多いのに私達だけじゃ無理じゃない?」

「厳しいかもしれないけど、やるしかないな」


 あの巨大モンスターが次々とモンスターを生み出すから先ずはあれをどうにかしないといけない。それには周囲の小型モンスターを倒す必要がある。


 ミコトの<ホーリーフレア>が使えれば良かったのだろうが、ゴーレムとの訓練で使ってしまったらしいからしょうがない。


「ミコトは<ライトボール>で雑魚の相手を頼む。サキは、複数相手に魔導は使えるのか?」

「<アブソリュートゼロ>ならいけるかな」

「じゃあ、頼む」

「分かったよ」

「俺はあのデカいのを相手する。あいつを倒さないと無限に雑魚が生まれるからな」

「うん」

「僕も援護出来そうな時はするよ」


 作戦と呼べるものでは無いが、方針は決まった。二人に雑魚は任せて俺はデカいのを叩く。今の速度なら三十分も掛からず接敵するだろう。


「良し! それじゃあやるぞ! アル、お前はパラライズブレスを放ってから、隠れてろ!」

「「うん!」」

「分かったぁ」


 近付けば近付く程モンスターの大きさに驚く。カオスドラゴン並の大きさだ。その姿は巨大なゾウガメのような形だ。但し、甲羅ではなくきのこを背に付けた四足歩行のドラゴン。そのきのこを含む体全体が茨で覆われている。そして、きのこから胞子を飛ばし、周辺にモンスターを生み出しているようだ。


 さしずめソーンマッシュドラゴンといった所か。その足下に広がるモンスターたちは、二足歩行のきのこ。これも体が茨で覆われている。こいつらはソーンマッシュだな。それぞれきのこの笠の部分の色が鮮やかな赤だ。如何にも毒きのこと言わんばかり。


 そして、遂にモンスター群と接敵をする。


「アル!」

「はぁい。パラライズブレスぅ。後はぁ、任せたよぉ」

「おう」


 アルのパラライズブレスで目の前のソーンマッシュが麻痺で動けなくなった所で、俺はそいつらの頭の上を踏み台にして、ソーンマッシュドラゴンへと向かって行く。


「アスカ頼んだよ! <アブソリュートゼロ>!」

「アスカ気を付けてね! <ライトボール>」


 二人が俺が踏み台にしたソーンマッシュたちに攻撃を開始した。


 こいつら耐久値が高いのか? 二人の攻撃を受けても一体も光の粒子となって消える様子が無い。


 アルのパラライズブレスは、ソーンマッシュドラゴン迄は到達していなかったようで、周りのソーンマッシュが一斉に俺に襲い掛かって来た。


「鬱陶しい! 邪魔だ! <空破>」


 火力が上がった今。<空破>による衝撃波で大量のソーンマッシュが吹き飛んでいく。


「こいつは良いな。なら、<空破>、<空破>!」


 俺は連続で<空破>を放ち目の前に立ち塞がるソーンマッシュを全て吹き飛ばした。それでもゾロゾロと次々にソーンマッシュドラゴンの周りから俺の目の前に集まってくる。


「次から次へと切りがない」


 ソーンマッシュたちは、体の茨を伸ばし鞭のように叩き付けて来る。


 何十本もの茨の鞭を全て躱すのは到底無理だ。後ろへ<瞬歩>を使い、距離を取る。背後にはアルのパラライズブレスで麻痺したソーンマッシュが居るが、まだ麻痺が解けていないようで助かった。


 麻痺が解ける前に移動しようと思っていると、ソーンマッシュドラゴンが体の茨を叩き付けて来た。慌てて俺は飛び退くが、麻痺して動けないソーンマッシュたちは諸にその一撃を受け、光の粒子となって消えてしまう。


「こいつ、自分の仲間を気にも留めず攻撃するだけでなく、一撃で倒すだと」


 それは、かなりの攻撃力があるということ。一撃でもまともに受けたら死んでしまう。


 今までもそうだったが、モンスターの力が強すぎるんだ。これはしょうがないのかもしれないが、今回は流石に厳しいぞ。


 再びソーンマッシュドラゴンが茨を振り回してくる。


「くっ。一度離れるしかないか」


 茨を躱して、ソーンマッシュの頭を渡り、ミコトたちの下へと引き返すことにした。


「アスカ? どうしたの?」


 引き返してきた俺にミコトが尋ねる。怪我でもしたのかと心配してくれているようだ。


「雑魚の量が多過ぎてあのドラゴンには近付くのはやっぱり無理だな」

「ってことは、この増え続ける雑魚を減らしてから、ドラゴンを相手にするしかないの? 結構厳しくない?」

「そうだね。本当にごめんなさい。私が<ホーリーフレア>を使ったばかりに」

「ミコト、それは仕方がないから。それよりも今はこいつらが増える量よりも倒す量を増やさないとな」


 そもそもこの量をたった三人でどうにかして欲しいというバルディアの依頼自体が無謀だったんだ。


 サキの話ではバルディアは出来ない事は頼まないと言うが、今回は明らかに無理な話じゃないのか?


「<アブソリュートゼロ>!」


 サキが目の前のソーンマッシュを凍らせると、それをミコトがジョブを戦乙女に変更して、ホーリーランスで砕く。


「ほら! アスカ! ボサッとしてないで、君も戦って!」

「あ、すまない。良し、行くぞ!」


 俺は心の中でバルディアへの文句を言って、ソーンマッシュへと向かって行く。


「<紅蓮>」


 両拳に炎を纏わせ、ソーンマッシュに叩き込む。きのこが素? なのか、どうやら炎の効果が高いようだ。


「こいつら炎が弱点みたいだ。でも、サキのアブソリュートゼロで凍らせて破壊する方が効率は良さそうだな」


 炎は効いているが一発、二発殴った所で倒せない。まだ倒す数より増える数の方が多い。


「もっと工夫しないとこのままじゃジリ貧だ」


 何か、何か無いか?


 打開策を考えながらのソーンマッシュとの戦闘は予想以上に体力を奪われていくのだった。

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