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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第五章 豊穣と異変

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豊かな大地グレイステラ

 ハイオーガキングを倒し、ミコトが瘴気を浄化している最中、俺はアルを呼んだ。


「アル、出て来てくれ」

「なぁにぃ? アスカぁ」


 <空納>の仲から出て来たアルにハイオーガキングの死体を指差すと、アルは俺が何を言いたいのか分かってくれた。


「ちょっと待ってねぇ。いただきまぁす」


 アルがハイオーガキングの死体を一口で食べると、サキが驚いていた。


「アスカ、その子は?」

「アルだ。龍神アルバの分体だな」

「アルだよぉ。宜しくねぇ」

「僕は、サキ。宜しくね。アル」


 サキはアルに挨拶すると、何をしているのかを質問する。邪神の影響を受けたモンスターをアルが食べて、浄化している事を説明すると、凄いとアルの頭を撫でていた。


「死体を放置も出来ないしな。腐って、瘴気が出て来る可能性だってあるし」

「成程。二人共、手伝ってくれて本当にありがとう」

「俺たちも助けてもらったしお互い様だよ。気にしないでくれ」

「そうだよ。気にしないで」


 この広大な空間の瘴気の浄化が終わったミコトが話に加わる。


 ミコトも話に加わった事でこれからの事を相談することにした。


 サキは、瘴気の問題が解決した事をバルディアに報告するためにグレイステラの首都グレイシアに戻ると言うので、俺たちも一緒に行って良いか聞くと、喜んでくれた。


 一先ず、戦闘での疲れを癒やすため、ここで休憩を取ってから洞窟を抜ける事にした。


「そうだ、アル。ハイオーガキングの素材は無かったのか?」

「残念だけどぉ、無いよぉ」

「そうか。最近本当にモンスターの素材が出なくなったな」

「しょうがないよぉ。こればっかりはぁ、運だからねぇ」

「そうだね。私達がどうにか出来るものじゃないもんね」


 本当にめっきり出なくなった。今はまだタイガーフィストと<創装>があるから何とか戦闘は出来ているけど、この先も同じようにいけるとは思えない。何か新しい武具を作って新しいスキルやアーツを手に入れたい所だった。


「ねぇ、モンスターの素材なんてどうするの?」


 サキが質問してきたので、俺の<錬装>と<創装>を説明すると、サキは羨ましそうな顔をしていた。


「いいなぁ。僕はこのヘルヘブン以外の武器は使った事無いし、魔導も三種類しか使えないからね。僕も新しいスキルとかアーツを覚えたいな」


 こっちの世界に来て最初から神器を使っていたというのもこちらとしては羨ましいのだけど。そこはそれぞれの価値観というものか。


「そうだ。武器といえば、カオスファング。レベルアップして装備可能になっていたりしないかな?」


 俺はステータスプレートを確認してみた。戦闘中にレベルアップしたのは予想通りだった。


 レベル:36


 HP(体力):499


 OP(闘気):431


 MP(魔力):518


 STR(筋力):49


 AGI(敏捷):61


 VIT(耐久力):32


 INT(知力):22


 MND(精神力):15


 DEX(器用):37


 LUK(幸運):28


 AP(魅力):680



 相変わらず理由の分からないステータスだ。だけど、残念ながらまだカオスファングを装備可能な力が足りない。次にレベルアップすれば、使えるようになりそうだ。


「まだか。でも、もうすぐだな。それにしても、魅力は別にして、OPとMPが凄いな」


 ここまで育ったのならアーツなんかもかなり使いたい放題だな。<烈波>を使わない戦いもそれなりに出来そうだ。


「そろそろ出発しようか」

「そうだね」

「じゃあ、僕はまた隠れておくねぇ」


 アルが<空納>の中に入ったところで俺たちは道を戻り、サキと出会った空間まで戻って来た。ハイオーガキングたちとの戦いで<ホーリーバリア>を張っていた影響なのか、来た時よりも瘴気が薄く広範囲に拡がっていた。


「瘴気の供給元が無くなったから、薄まって来ているな」

「そうだね。これなら簡単に浄化出来そう」

「本当!? ありがとう。バルディアも喜ぶよ。きっと」


 浄化しながら洞窟を抜けるために進んで行くと、瘴気の影響も少なくなったからなのか、ジャンボケイブバットですら一匹も遭遇することは無く無事に洞窟を抜けた。


「おぉ」

「凄い」


 洞窟から出て目に入った光景は、緑豊かな大地。洞窟の入口付近は花が咲き乱れ、綺麗だった。


「ここの大地凄いよね。僕が住んでた所とは大違いだよ」

「そういえば、ここにはモンスターが居ないんだよな?」

「そうだよ。他の国はモンスターがウロウロしているんだよね?」

「場所にもよるけど居るね」

「モンスターが居ないのなら、冒険者は何をしているんだ?」


 ハイオーガたちと戦う前に話が途中だったので、再び質問をする。


「冒険者は船に乗って、護衛しているんだよ」


 食料等を輸出していると言っていたな。でも、海のモンスターは、陸上モンスターよりも強いはず。


「それだと新しく冒険者になる人って大変じゃない?」


 ミコトも同じ疑問を抱いたようだ。新人冒険者が生き残るのは厳しいだろう。


「うん。普通ならね。そこは大丈夫だよ。あれ、見える?」


 サキはそう言うと、空を指差した。俺たちはサキが指差した方を見ると何かが空に見える。


「あれは何だ? 何か浮いているのか?」

「そう。あれは、バルディアが造った冒険者育成施設。空中庭園だよ」

「「空中庭園!?」」


 俺とミコトの声が重なる。


「そう。あそこで新人冒険者はレベル上げも兼ねた戦闘訓練をするから、船の護衛をする頃にはベテランになってるよ。僕もあそこで訓練したからね」


 そうすると、バルディアの神器はあの空中庭園を攻略すれば貰えるのかな。


「アスカどうしたの?」


 神器の事を考えているとサキに質問された。


「いや、バルディアの神器を手に入れるには、あの空中庭園を攻略しないといけないのかなって考えてただけだよ」

「攻略?」

「あれ? 違うのか?」

「あの空中庭園はダンジョンとかじゃないよ。本当に訓練施設なんだ。このグレイステラの大地が傷まないように、バルディアが空中に浮かばせてるの。何で庭園って呼ぶのかと言うと、行ってみたら分かるんだけど、空中でずっと訓練なんかしてたら飽きるし、疲れるでしょ? それを紛らわす為に庭園として、様々な自然を感じられるように工夫しているのよ。神器が欲しいの?」

「ああ。バルディアに神器を貰って、アルと会ってもらったら、次は北のノルディアイスだ」

「そうなんだ。バルディアの神器だったら、たぶん本人に会えば貰えると思うよ。皆そうだったし」

「試練は?」

「試練って他の所は試練があるんだ。バルディアは無いよ。寧ろ、貰ってから空中庭園で訓練するのが一般的だからね。ここは」


 バルディアと会うだけで神器を貰えるのなら楽で良いな。


「よし、それじゃあグレイシアへ行こう」

「うん」

「そうだね。案内するよ!」


 俺たちは、バルディアの居るグレイステラの首都グレイシアを目指すため、歩き始めたのだった。

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