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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第五章 豊穣と異変

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海の異変

 ウェステンドからガートリアまでの船旅は、以前のようにモンスターに遭遇することもなく無事に辿り着いた。


「無事着いて良かった」

「前の蛸のモンスターと出会わなかったから良かったね」

「そうだな」

「今の二人ならぁ、簡単に倒せる気がするけどねぇ」


 アルの言うことも尤もだ。海のモンスターが地上のモンスターよりも強いと言っても、森の死神や砂の悪魔の二体のようなモンスターと比べれば、そこまで強く無いような気はする。


「あ、でもぉ、海の上には立てないからぁ、苦労はするのかなぁ」


 海の上に立つって、それは無理だろう。普通に考えて。海のモンスターとの戦闘はそうそうあるものでも無いし、気にも留めていなかったから、


「海で戦闘はしないぞ」


 と、アルに言うと、アルは首を横に振って答える。


「いずれ来ると思うよぉ。アスカが元に戻る気が無いならぁ、別だけどぉ」

「そう言えば、邪神は海の真ん中にある島に居るんだったね」

「そうだよぉ」

「つまり、グレイステラとノルディアスの後は海を渡って島に行くから、海のモンスターと戦闘する事があるということか」


 アルはこくりと頷く。海上の戦闘か。今すぐでは無いにしろ、何か考えておかないといけないな。たぶん、島に行く船は誰も出してくれないだろうから、自分たちで船を守る必要がある。


「今考えてもしょうがないし、グレイステラへ渡る船を手配しよう」

「うん」

「そうだねぇ」


 俺たちはグレイステラ行きの船を予約するために、そのまま乗船手続き所へと足を運んだ。


 すると、手続き所の方が何やら騒がしい。どうしたのだろうと思いながら近付くと、騒いでいる人たちの大声が聞こえてきた。


「おい! 船を出せないってどういう事だ!」

「今、船が到着したばかりじゃないか! 出せないなんておかしいだろう!」


 船が出港出来ない?


「何か騒がしいね?」

「船が出せないとか、言っていたな」


 何かあったのだろうか? ウェステンドからガートリアの船は出港出来たのだが。兎に角、話を聞いてみないと何も分からない。俺たちは手続き所の中に入ってみた。


「すみません。グレイステラ行きの船に乗りたいのですが」

「申し訳ございません。只今、船は出港出来ません」

「何故ですか? ウェステンドからは船が到着したのに」

「それは、運が良かったからです。ここ最近、モンスターが活発になっていまして、既に数隻、沈められている状態でして」

「どうしても、無理なのですか?」

「はい。我々もどうにかならないものかと、願ってはいるのですが、何分、冒険者ギルドも海のモンスター相手には、誰も討伐依頼を受けてもらえない状態で、困っているのです」


 冒険者ギルドにもモンスターの討伐依頼を出す程に困っているのか。


「ですから、いつ出港出来るかは分からないのです。申し訳ございません」

「分かりました。モンスターがどうにかなれば出港出来ると言うことですね」

「え? はい。そうなれば良いですが」


 俺たちは受付に礼を言って、外に出てから、冒険者ギルドへと足を運んだ。


 冒険者ギルドの中に入ってみると、受付の言う通り、依頼ボードには海のモンスターの討伐依頼が何枚も張り出されていたが、依頼を受けようとする者は誰も居ないようだ。


「船の護衛じゃなくて、討伐なんだな」

「みたいね」


 冒険者たちが、依頼を受けない理由。それは、海にいるモンスターの討伐依頼だからだ。モンスターが強い分、依頼の報酬は他に比べて高い。それでも受けないのは、海の中に、いるモンスター相手に攻撃する手段を持たないからだ。


 魔術や弓等の遠距離攻撃という手段はあるが、陸からの攻撃でそれがどこまで通じるだろう。海中に逃げられれば、攻撃は届かない。だからといって海の中に入って、近距離攻撃に出れば、向こうの土俵。こっちは十分に動けないのに対し、向こうは自由に動く。あっという間に、爪や牙の餌食になるだろう。


「これ、どうやって渡れば良いんだ?」

「参ったね」

「ねぇ、二人共、泳いで渡れないのぉ?」

「アル、モンスターに襲われながら、泳いで渡るとか、自殺行為だぞ」

「流石に、大陸を渡る程泳げないよ」

「えぇ。それじゃあ、どうやって渡るのぉ?」

「それを今から考えるんだろ」


 アルにはそう言ったが、実際どうしよう。いっその事、自分たちの船を購入して、海を渡るか?


 いや、これは無理だ。金銭面もそうだが、船を操作出来ない。ミコトも無理だろう。操舵出来るのなら、船を買う選択肢を提案するに違いない。


 それなら、この沢山ある海のモンスター討伐の依頼を全て片付けるか? 流石にやっぱり無理がある。そもそも、この討伐依頼の出ているモンスターたちを倒したからといって、船を出してくれるという保証すらないのだ。


「駄目だな。この討伐依頼の内容を見ても、船を出せる状況になりそうにない」

「うん。他の方法を考えないと駄目かな」


 船を使わずに渡るとなると、思い付くのは、空を飛ぶ。アルをチラ見するが、あの小さな体では、俺たち二人を乗せて大陸を渡るのは無理だな。空を飛ぶスキルがあったりすれば別だけど。あとは、転移。これも大陸間を渡る転移陣があるのなら、危険な海を船で渡ることはない。


「駄目だ。他の方法を思い付かないや。無理を承知で、海のモンスター関連の討伐依頼を受けてみようか?」

「そうだね。それが今出来る事なのかな? でも、どれを受けるの?」


 良い案を思いつけないなら、目の前にある出来ることを試してみるかと、陸からでも討伐出来そうな海のモンスター関連の依頼書を俺たちは探し始めた。


 中々良さそうな依頼が見付からず、暫く依頼ボードの前に立っていると、後ろから声を掛けられた。


「あら、アスカ達じゃない?」


 この街に知り合いは居ないのだが、掛けられた声は、確かに聞き覚えがあった。でも、その声の主は、こんな所に居るはずがない。


 俺とミコトは、後ろを振り向き、呼び掛けてきた声の主を見て驚いたのだった。

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