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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第4章 宿敵と龍神

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対決 砂の悪魔

 砂の悪魔のブレスによる奇襲から数分後、以前戦ったデザートドラゴンよりも一回り大きく、体の色も漆黒に染まったデザートドラゴン(砂の悪魔)が、砂漠の上を疾走している姿が見えた。


「砂の中に潜る事もしないで、こっちに来ているとはな」

「私達を相手に潜る必要は無いということかな?」

「だったら、あたしが一撃お見舞いして、侮っていた事を後悔させてあげる!」


 ミサオはSDを召喚し、魔弓に水の矢を番えると、砂の悪魔目掛けて放った。


 放たれた水の矢は、真っ直ぐ砂の悪魔の下へ飛んで行き、砂の悪魔に当たる前に霧散した。


「え!? 矢が消えた?」

「いや、あいつの前に何か波紋みたいなものが一瞬揺らめいていた。障壁か何かに防がれたんだ」


 俺は、自分の見たものを確認する為に、<気弾>を放った。


 そして、やはり、俺の見たものは正しく、砂の悪魔に当たる前に爆発し、その空間が揺らめいていた。


『無駄だ。貴様ら如きの攻撃、我の<ドラゴニックバリア>を破る事など出来ぬ。我が主より貴様らの始末を受けた。覚悟するが良い』


 直接頭に声が響く。念話か。<ドラゴニックバリア>とか言う障壁は前に戦ったデザートドラゴンには無かった。邪神の手先というだけあって、やはり一筋縄ではいかないみたいだ。


「あいつの声が頭に直接聞こえたよ?」

「念話だな。俺もアルと出来るけど、厄介だな。あの障壁」

「そうだね。自分の障壁に絶対の自信があるから、砂の中に身を潜める必要は無いってことかな」


 ヒデオと別れたのが痛い。あの障壁を無視して直接攻撃が出来ない以上、破るか、何か他の方法を考えなければいけない。


「ねぇ、アスカのあの<衝波>はどうなの?」

「駄目だろうな。見た所、あの障壁は体の周りを覆ってそうだ。体に直接触れられないと<衝波>や<烈波>は届かない」

「じゃあ、私が試してみるね」


 ミコトが次の攻撃を立候補した。さっきも言っていた砂の中に潜った時の攻撃手段を試してみようと言うことなのかな。


「<ホーリーランス>!」


 ミコトは、聖魔にジョブチェンジすると、新しい魔術を発動した。


 すると、砂の悪魔の頭上に蒼白い槍の形をしたものが現れ、砂の悪魔に突き刺さる。


『ほう。我の<ドラゴニックバリア>を抜けて来るとは。だが、この程度の威力、どうということは無い』


 対象に直接ダメージを与える聖なる槍か。成程、これで砂の中に潜っても攻撃するつもりだったんだな。ただ、あいつの防御力が高過ぎて、ダメージ自体は少ないようだが。


「ミコト、少なからずあいつにダメージは入っているみたいだけど、どれだけ撃てる?」

「攻撃に専念したとしてもあと三発かな」

「魔力回復薬使っても、ジリ貧か」


 どうするか考えていると、砂の悪魔がこっちに向かって突進してきた。


「アスカ! 悩んでる暇無いよ!」


 ミサオの呼び掛けで、俺たには一旦散開して、突進を避けたが、クルッと回転するとミコトに向かって再び突進する。あの巨体であんな小回りが利くとか反則だろ。このタイミングでは、ミコトは避けるのは難しい。


「あいつ! ダメージは軽くても攻撃出来るミコトを一番に狙ったのか! やらせるか!」


 一か八か。<フラッシュムーブ>で砂の悪魔の上に移動する。<ドラゴニックバリア>でセドニーの時のように移動阻害されるかと思ったが、それはなかった。


 砂の悪魔の背の上に乗った俺は、先ずは試しに殴ってみる。


「この感触……、やっぱり何か障壁が体を覆っているのか? でも、何だ? この違和感は?」

『そのような貧弱な攻撃、我が<ドラゴニックオーラ>を破れるものか。貴様のような下等生物が我の背に乗るなど、不愉快だ。今すぐ我の背から降りろ』


 砂の悪魔が二足立ちをしたため、俺は砂の上に落下した。そして、砂の悪魔は、俺の上に伸し掛かかってきた。


 直ぐに<フラッシュムーブ>でミコトの下へと移動することで、潰されることは免れたが、さっきの砂の悪魔の言葉で気になることがある。


「今、バリアじゃなく、オーラって言ったよな」

「そうね。言ったよ」


 さっきの違和感はこれか。きっと、魔力の攻撃はバリアで防ぎ、物理の攻撃はオーラで防ぐ。そして、バリアは、手前の空間で防いでいるのに対し、オーラはその身を覆っている。物理と魔力、両方の防御手段を持っているのは、反則だ。だが、


「<烈波>、いけるかもしれない」


 殴った時の感触、あれはオーラでダメージは無かったみたいだが、間違いない。鱗に触れていた。もう一度試してみよう。


「おっと! 危ない。ミコト、大丈夫か?」

「うん。大丈夫」


 砂の悪魔が砂を操作したのか、拳大の礫が飛んできたのを避ける。よく見たら、砂の悪魔の周りを無数の礫が浮いている。


『今のを躱すか。だが、これならばどうだ?』


 無数の礫が一気にこちらへと飛んできた。流石にこれは全部躱すのは無理だ。


「<ホーリーバリア>!」


 礫が障壁に当たる度に大きな音がする。何とか防げているが、障壁に罅が入り始めた。


「どうしよう!? 保たない!」

「内側に張り直した所で、あの量の礫を防ぎきれないか……」


 対策を考えていると、ミサオがSDをBDに召喚し直し、砂の悪魔の尻尾を攻撃させている。少しでも意識を逸らそうとしてくれているみたいだが、<ドラゴニックオーラ>を破る事が出来ず、まったく砂の悪魔の気を引けていない。


「ミコト、後ろから<ホーリーバリア>の外に出る。その後は、あいつに攻撃に行くから、礫が飛んでこなくなったら、あいつからもっと離れるんだ」

「ちょっと待って! アスカ!」


 ミコトの静止を無視して、後ろに下がり、障壁の外に出る。そして、砂の悪魔の背に再び乗る為に、<フラッシュムーブ>を使った。


「何!?」

『また我の背に乗ろうとしたか? そのような不快な事、二度もさせる筈がなかろう』


 セドニーの時のように、瞬間移動を阻害されたのか、<フラッシュムーブ>が砂の悪魔に対して発動しなかった。


 そして、障壁から出た俺を狙って礫が放たれる。慌てて、駆け出し、礫を何とか避けていると、ミコトが少しずつ後ろに下がっているのが見えた。


「<フラッシュムーブ>が使えないのなら、直接走って近付いてやる!」


 俺は、砂の悪魔に向かって駆け出した。

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