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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第4章 宿敵と龍神

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砂の悪魔

 セドニーの城を出て、戦争の終了を報告するため、デイジーへ報告に行くノゾムと別れた俺たちは、一先ずサウスバレンへと向かう為、砂漠を進んでいた。


「アル、元気になって良かったね」

「ありがとぉ、ミコト」

「本当に。アルの姿暫く見てなかったからね。アスカに話は聞いていたけど、心配したよ」

「心配掛けてごめんねぇ。でも、セドニーから本体に力が戻ったのと、僕にも力を分けて貰ったからぁ、もう大丈夫だよぉ」


 アルは無駄に元気にくるりとその場で宙返りをして見せる。


「まったく。調子がいいな、お前は。それより、セドニーの言葉が気になったんだけど、お前の本体のこと、セドニーは龍神って呼んでいなかったか?」

「うん。セドニーに力を返して貰った事で、世界の理が少し変わったねぇ。僕の本体の事が、伝承程度に認識されるようになったよぉ」


 アルの言う伝承とは、この世界の話だった。昔、この世界には、龍神が存在していた。そして、邪神がこの世界に訪れ、邪神から世界を守る為に、その身を犠牲に邪神を封印。その際に、六人の神を生み出し、この世界を守らせた、という内容だ。


 その六人の神というのが、今の三女神、三魔王ということらしい。


 その話を聞いて、俺はステータスプレートを取り出した。


「どうしたの? ステータスプレートなんか出して?」


 セドニーの所へ行く前に確認したばかりのステータスプレートを再び確認する俺を不思議に思ったのか、ミコトが質問してきた。


「いや、大したことじゃないんだけど、確認してみたくて」


 俺は自分の状態の欄を見る。


「あ、やっぱり!」

「何がやっぱりなのよ?」


 ミサオも気になったのか質問してきた。


「俺の状態欄にあった???の加護の表記が変わってるんだよ。龍神アルバの加護って」

「あ、成程。龍神の存在が認識されたから、不明じゃなくなったんだ」

「みたいだな。それより、アルバの分体だから、アルなのか?」

「そうだよぉ。僕の本体は偉いんだぞぉ」


 えっへんと胸を張る。それにしても、竜じゃなくて、龍なんだな。子竜というより、子龍というべきか?


 でも、俺の中では、龍というと、日本の神話とかに出てくる、巨大な蛇のような体に短い手足、竜というのは、翼もあり、ゲームなんかに出てくる、二足で立ち、ドラゴンと呼ばれる姿をイメージする。アルは、どちらかといえば、竜の姿だ。本体と分体で姿が違うのかと考え事をしていると、アルが目の前にやって来た。


「アスカぁ、何を考えているのぉ?」

「いや、龍と竜の違いをな」

「? 何か違うの?」

「いや、何でも無いよ」


 声に出せば同じ発音だから、言ってもよく分からないのだろう。ミコトとミサオは俺の言いたい事が分かったみたいで、ああ、と頷いていた。


「もう! 皆納得してぇ、僕だけ除け者だぁ」

「これは、異世界出身のあたし達じゃないと分からないかな」

「そうだね」

「むぅ」

「そんなに膨れるなよ。大した事じゃないから、気にしなくて良い」


 そんな話をしながら、砂漠を進んでいた俺たちは、戦争を終わらせる事が出来たと完全に気を緩めていて、油断をしていた。


「アスカぁ! 前ぇっ!」

「ミコト! <ホーリーバリア>を重ね掛けだ! 早く!」


 突然の俺の呼びかけを不思議に思いながらも、ミコトは<ホーリーバリア>を重ね掛けする。


「どうしたの? 前に何かあるの?」


 アルの前という言葉と俺の言葉に対し、前からは何も来ていないのを不思議に思ったミコトが質問するのと同時に、前方から赤い光がこっちに向かって来るのが見えた。


「え? あれは!?」


 見えたと思ったら、直ぐに障壁へと当たる。障壁越しにその威力が、直撃していれば、即死だったことが分かる。


「ちょっと、何なのよ!」

「しまった。油断していた。あいつのテリトリーに入っていたみたいだ」

「あいつ?」


 そう。デイジーの下へと向かう時に、何とか逃げ延びる事が出来た相手。


「まさか、デザートドラゴン! 砂の悪魔って呼ばれていた奴なの!?」

「ああ。<探知>であいつが引っ掛かった。アルが気付かなかったら、アウトだったな」

「えっへん! 僕のお陰だよぉ。もっと褒めてくれてもぉ、いいよぉ」


 重ね掛けした障壁が残り一枚の所で、熱線は収まった。


「今回は逃がして貰えそうにないな」


 砂の悪魔は、完全に俺たちを標的としたらしい。こっちへと向かって来ている。


「一難去ってまた一難か……」

「でも、大丈夫よね? この間、デザートドラゴンは退治したじゃない」

「ノゾムの<ディメンジョンスラッシュ>があったからな。砂の中に潜られても攻撃出来たけど」

「あ、そっか。砂の中から攻撃されたら、どうにもならないのか」


 ミサオはどうするのよと慌てて、オロオロし始める。どうすると言われても、どうしようも無いのだが。すると、ミコトが自信を持って答えた。


「その時は、私に任せて。私の魔術で外に追い出してみせるから」


 ミコトにそんな攻撃があっただろうか? だけど、ミコトがそう言うのなら信じるだけだ。


「分かった。その時は、ミコト頼むよ」

「うん」

「僕はぁ、あれ相手だと何も出来ないからぁ、隠れているねぇ。あれは、邪神の手先の一体だから、気を付けてよぉ」


 話し終えるとアルはさっさと<空納>の中へと消えていった。


「おい、お前、今サラッと重要な事言っただろ!」


 アルに苦情を言ったが無視される。砂の悪魔が邪神の手先? それはつまり、大分前から邪神の影響が出ていた事になるし、何より、今は邪神の影響が大きくなっているという事は、その手先も強化されているんじゃないのか?


「とにかく、やるしかない。二人共やるぞ」


 砂の悪魔との距離が縮まってくる。砂埃が舞い上がり、その姿が見えてきた。


 前に倒したデザートドラゴンとの経験が活かせるのか分からないが、やることは同じだ。倒して、生き延びる。それだけだ。

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