表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第4章 宿敵と龍神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/229

魔王セドニー

 異空間の中から無理矢理引っ張り出したアルはぐったりして、動かなかった。ここまで衰弱していたのか。


「おい、アル? 大丈夫なのか? おい?」

「アスカ……。大丈夫じゃないよぉ……。セドニーの所に、お願い」


 弱々しい声で、自分をセドニーの所に連れて行けというアルの頭にポンと軽く手を乗せ、


「任せろ。今すぐ連れて行ってやる」


 セドニーの下へ<フラッシュムーブ>で移動しようとした時、パチっと何か静電気が走ったような感じがして、セドニーの下へ移動出来なかった。


「え? 何で?」

「お前、今何かのスキルを使って、俺の所に来ようとしたな? 悪いな。その手のスキルや魔術は、自動で弾いてしまうからな。それにそんな死にかけの子竜を出して、俺の所に来た所で、どうにもなるまい。無駄な事だ」

「<フラッシュムーブ>を弾くだと? だったら、走って近付くまでだ」


 俺はセドニーの下へ駆け出した。その俺に警戒しているのか、セドニーは、魔力弾を放ち、俺が近付くのを邪魔する。


「近付いて何をするつもりか知らんが、俺が黙っているとでも?」


 無数の魔力弾で近付く事が出来ないでいると、俺を援護するようにSDが魔力矢、ノゾムがガンランス、ミコトが<ウォーターアロー>をセドニーに向けて放つ。


「小癪な。この程度の攻撃、俺に通用するとでも?」

「「「思っていない」」」


 全ての攻撃が、魔力の壁か何かに防がれ、セドニーに到達する前に消えてしまうが、三人はそれでも攻撃を続ける。


「無駄な事を続けるとは、他の召喚者はヒデオと違って、頭が足りんようだな」


 魔力弾がノゾムたちに向けられるようになり、弾幕が少し薄くなった。お前も魔王の割にあまり頭が良いとは思えないな。


 心の中でそんな事を思いながら、薄くなった弾幕の中を走り抜け、セドニーの手前二メートルまで近付くことが出来た。


「アル! 頼んだぞ!」

「小賢しい!」


 セドニーは俺とアルに向けて、衝撃波を放ち、距離を取ろうとしたが、もう遅い。アルの体が白く輝き、その輝きがアルとセドニーを包み込む。


「くぅっ、アル頼んだぞ!」


 俺は、セドニーの放った衝撃波で後ろに吹き飛ばされてしまい、アルと距離が開いてしまった。


「くっ、何だ? 今のは?」

「セドニー、私の声が聞こえますか?」

「誰だ!」


 セドニーが、自分に話しかけてくる存在を探し始めるが、何処にも声の主が見当たらない。


「私はここです。貴方の目の前に」

「目の前? 何も居ないぞ」

「そこまで闇堕ちを……。ですが、声は届いているのですね?」

「さっきから、何を訳の分からない事を。子竜め。何をした?」

「私は、貴方達を生み出した存在。そして、今、邪神の復活を阻止するのに力の全てを使っています。そのせいで、貴方達に辛い思いをさせてしまった」

「何の事だ? 俺達を生み出しただと? 確かに俺や他の魔王は、神から闇堕ちし、魔王となった存在。だが、俺達は世界によってその存在を求められて生まれたのだ。お前のような者に生み出されたなどと、巫山戯た事を言うな!」


 セドニーは、正面に魔力弾を放つが、声の主に当たる事は無く、何かに当たったような手応えすら無かった。


「この空間は何だ? 俺の攻撃は何処に消えた?」

「参りましたね。貴方との接触をもっと早く行うべきだったようです。私の姿を見ることが出来ない上に、攻撃をしてくる程、邪神の影響が出ているとは」

「さっきから何をゴチャゴチャと」

「致し方ありません。本来であれば合意の上ですが、今回は強制的に、力を返して貰います」


 セドニーの体が光に包まれる。


「何だ!? 力が、力が抜ける。貴様! 何を」

「私が与えた力を返して貰っているだけです。私の力が戻れば、邪神の影響も少しは抑えられる筈」

「ぬぉおおおおお!」


 セドニーは力を奪われまいと抵抗しようとするが、敵わず力を奪われてしまう。そして、その影響か。


「あ、貴方は」

「どうやら上手くいったようですね。思い出せましたか?」

「申し訳ない。どうやら、貴方の言う通り、邪神に領地を憂う心に付け込まれ、暴走してしまったようだ」

「正気に戻って良かった。ですが、もう、私が邪神を抑えるのも限界になりました。これまで以上に邪神の影響が世界に拡がるでしょう。私も残り二人の力を返して貰い、邪神に対抗しようと思いますが、皆で協力して、邪神から世界を守って下さい」

「分かりました。貴方の期待に応えられるように、まずはブラッド、デイジーと話をしましょう」

「お願いします。皆の力を合わせなければ、邪神にこの世界を破壊されてしまう。それは何としても阻止しなければ」


 辺りを包んでいた光が収まり、そこには、セドニーと、宙に浮くアルの姿が。


「僕、復活ぅ」

「子竜よ。ありがとう。お前のお陰で目が覚めた」

「僕というより、僕の本体だけどねぇ。セドニー、僕にもぉ、力を分けてくれないかなぁ?」

「お前の本体、龍神様に力を返しただろう?」

「それはそれぇ。他の皆は分けてくれたよぉ」

「全く。仕方が無い。邪神の影響を受けていたとはいえ、皆に迷惑も掛けたしな。ほら、受け取れ」


 セドニーは、拳に魔力を込めると、その魔力をアルへと放つ。


「ありがとう! 力が漲ってきたよぉ」


 俺たちは、二人の様子を見ていて、もう大丈夫そうだと、アルの傍に移動した。


「魔王セドニー、今起こしている戦争を止めて貰えませんか?」


 俺は、セドニーに戦争を止めるように頼んでみると、


「ああ。悪かったな。直ぐに兵を戻そう」


 呆気なく兵を退かせると答えたセドニーに俺たちは驚いていた。


「不思議か? 無理も無い。俺の国を案じる心に邪神に付け込まれ、暴走してしまっていたけらな。我ながら情けない話だ。直ぐにブラッドとデイジーに連絡を入れよう」


 セドニーはそう言うと、両手の掌に、魔力で鳥を作った。その鳥がそれぞれ、ブラッドとデイジーの下へと飛んでいき、更に複数の鳥を作ると、色々な方角に飛び立って行った。


「今のは伝書魔術だ。これで、デイジーとブラッドの兵と我が軍を退かせる」


 迷惑を掛けたとセドニーが頭を下げた時、アゲートとヒデオが部屋の中へと入って来た。


「セドニー様」

「セドニー、何でこいつらに頭を下げたりしているんだ!?」

「お前達。お前達にも迷惑を掛けたな。俺はもう大丈夫だ。龍神との邂逅で、邪神の影響が無くなり、目が覚めた」

「世界を救う話は、嘘だったのか!?」

「それは嘘では無い。世界を憂う気持ちはある。だが、手段を間違えただけだ」

「俺は、俺は一体。今まで何のために……」

「すまない。お前達、都合のいい話かもしれないが、ヒデオを一緒に行動させて貰えないか?」

「断る! 俺はこいつらと一緒に行動なんて絶対にしない!」

「ヒデオ、お前の意見は聞いていない」


 ヒデオと行動を共にする。それは、俺があいつのやった事を許すということになる。


「アスカ、無理しなくても良いよ」


 俺が悩んでいるのが分かったのか、ミコトが声を掛けてきた。


「そうだな。魔王セドニー。すみません。ヒデオ本人が嫌だと言っているのもありますが、俺も、大切な仲間を行動不能にされて許すわけには。今は一緒に行動出来ないです」

「そうか。お互い、時間が必要なようだ。無理を言ってすまない。だが、これだけは覚えておいてくれ。邪神との戦いが近い。その時は、全員で協力しなければ、この世界は滅びてしまうということを」


 俺たちは頷き、セドニーに別れを告げて部屋から出て行く。


「デイジーとブラッドに報告しないとな」

「早く、バルディアとジェダにも会わないとぉ」

「バルディアとジェダ?」

「うん。グレイステラとノルディアスにいる女神と魔王だよぉ」


 アルの言うバルディアとジェダに会うのなら、デイジーとブラッドの報告は二手に別れた方が時間の短縮になるか。


「デイジーとブラッドの報告、二手に別れるか?」

「そうだな。俺がデイジーちゃんの所に行くよ」

「じゃあ、あたしはブラッドの所かな」

「俺たちは」

「ねぇ。プリメラ様の所に一度戻らない?」


 ミコトがプリメラの所に戻ろうと提案してきた。ポーラの様子も気になるし、グレイステラに行くのなら、丁度良いか。


「そうだな。俺たちはプリメラの所に向かおうか」

「じゃあ、バルディアの所で、集合で良いか?」

「ノゾム、来てくれるのか?」

「当たり前だろ。ついでに、ブラッドとプリメラの試練を受けて、魔器と神器を手に入れて行くか」

「あ、それじゃあ、あたしもそうする」

「分かった。それじゃあ、バルディアの所で集合で、一旦ここから別行動だな」


 皆、頷きセドニーの城を後にしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ