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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第4章 宿敵と龍神

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デザートドラゴン遭遇

 砂の悪魔が動かないまま、俺たちは海岸沿いから砂漠の中心に方向を変え、既にサウスバレンまで半分までの距離に到達していた。


「大体半分くらいは進んだな」

「そうだね」

「アスカ、あのデザートドラゴンは?」

「砂の悪魔ならまだ移動していない。俺たちを襲うつもりが無いのかな?」

「お前の話を聞いた限りだと、追い掛けて来そうだけどな?」


 ノゾムの意見に俺も賛成だが、何にしろ全く動かないことも確かなのだ。それなら、このまま一気に進み、砂漠を抜けてしまった方が良い。


「休憩しようかとも思ったけど、あいつが動かない間に行けるところまで行こう」

「分かった」


 休憩せず、行けるところまで行く方が、今は良いだろうと判断した俺たちは、このまま砂漠を走り続ける事にした。尤も疲れるのは俺とノゾムだけなのだが。


 それから、二時間は走り続け、もう少しで砂漠を抜けられそうな距離までやって来た。


 あいつはその間も全く動かなかった。寝ていたのだろうか? もう、<感知>の範囲からも消えて大分経つ。他のモンスターともあの後から遭遇することもなく、順調に進んでいた。今までは。


「ちっ。ここに来て、デカいのが引っ掛かったか」

「どうしたの?」


 俺の独り言に背中のミコトが聞き返してきた。


「前方にデカい反応があったんだ。あいつじゃないけど、デザートドラゴンだな。このサイズは」

「何だって!」


 ノゾムもデザートドラゴンという単語に反応する。


「どうするの?」


 ミサオの質問に俺は首を横に振った。


「どうするも何も、やるしかないな。こいつは、俺たちの方に向かって来ているし。ノゾム、止まろう。息を整えるぞ」


 そう。このデザートドラゴンはこっちに向かって来ていた。迂回すれば、逃げられるかもしれないが、そうするとサウスバレンから離れてしまう。


 ここまで来て態々離れるような事をする必要も無いだろうし、何より、普通のデザートドラゴン相手なら何とかなりそうな気がする。


「分かった。ふぅ、すぐ戦闘になるかもしれないが、やっと少しは休憩が出来るな。正直、限界だったよ」

「まあ、俺も流石にサウスバレンまで走りっ放しは厳しかったぞ」


 俺たちは立ち止まり、デザートドラゴンがやって来るまで休憩を取ることにした。


「それより、ドラゴン相手に俺たちだけでやれるのか?」

「砂の悪魔相手となると厳しいかもしれないが、今こっちに向かって来ているのは大丈夫だと思うぞ」


 レベルアップしているし、装備も新調した。前に遭遇した時より、間違いなく強くなっている。何より<烈波>を修得した事が大きい。あれならどんなに硬いドラゴンの鱗でもダメージを与えることが出来る。一息付いて、デザートドラゴンとの戦いに備える。


「さて、そろそろかな?」


 <探知>を使うとやはり相手はデザートドラゴン。会敵まで残り一キロメートル。砂煙が立っていない。やはり砂に潜っている。もう息も落ち着いた。何時でもやれる。


「来るぞ。下だ」


 俺の合図で全員散開すると、デザートドラゴンが砂の中から飛び出してきた。


「あれがドラゴン!? 土竜じゃねぇか!」


 ノゾムは想像していたドラゴンとデザートドラゴンの姿が違うことに落胆と怒りを込めて叫んでいた。


「ドラゴンには違いない。ブレスには気を付けろよ!」

「くそっ。何か、腹立つ! これでも喰らいやがれ! <ソニックエッジ>!」


 自分のドラゴンのイメージと違うことへの腹いせに放った一撃は、デザートドラゴンの鱗に多少の傷を付ける程度だった。


「くそっ、腐ってもドラゴンなのかよ」


 自分の鱗に傷を付けられたデザートドラゴンは、ノゾムをターゲットに選んだようだ。その十メートルはある巨体で体当りをする。


「遅いんだよ」


 デザートドラゴンの倍程のスピードのあるノゾムはあっさりその体当りを躱したつもりだったが、その巨体全体の攻撃を完全に避ける事は出来ず、短い尻尾がノゾムを捉える。


「がはっ」


 ノゾムは吹き飛ばされて、砂の中にめり込んでしまった。


「ノゾム! BD!」


 ミサオがBDにノゾムを掘り出すように命じる。


「<ウォーターアロー>」


 ミコトが魔術でデザートドラゴンの注意を引き付ける。水の矢はデザートドラゴンに命中するが、やはりあまり効いてはいないようだ。


「物理も魔術も防御が高いな。流石はドラゴンか」


 俺はミコトから俺に注意を引き付けるため、<フラッシュムーブ>でデザートドラゴンの横に移動すると、


「まずは、これでダメージが入るか?」


 右拳を横腹に叩き付ける。ガンッと鈍い音がする。そして、その一撃は前に当てた時とは違った。デザートドラゴンが俺の方へと向きを変える。


「どうやら、少しは攻撃が徹るみたいだな」


 新しい装備、タイガーフィスト。エンペラータイガーの素材から出来た武器だ。俺の錬装武器の中では、最高の火力を誇る。そして、この武器は、他と違う特徴もあり、ナックル形態と、クロー形態の二形態を取れる。攻撃力は変わらないが、打撃、斬撃の切り替えが簡単に出来るので便利だ。


 そして、もっと凄いのが、


「一発でダメージが入るなら、これはどうだ! <虎連牙>!」


 両拳が黄色い光に包まれる。タイガーフィストを装備して使えるようになったアーツ。効果は、三十秒間と短いが攻撃を当てれば当てるだけダメージが十パーセント増加する。


 今の一撃がどれだけ入ったのか分からないが、更にダメージを入れてやる。


「うぉおおおおおお!」


 カン、ガン、カン、ガン、左のキマイラブロウと右のタイガーフィストで音が違う。


 デザートドラゴンの攻撃を躱しながら、三十秒で左右合わせて三十発。かなりのダメージが入ったのか怒りの咆哮を上げて、砂の中に潜って行った。


「グルァアアアアア!」

「ちっ! 逃げた」


 今の間にノゾムが砂の中から掘り出され、ミコトが<ヒール>を掛けている。大丈夫そうだ。さて、あのデザートドラゴンは、砂に潜って次はどう出る?


 また砂の中からの体当りか? それとも砂ごと俺たちを吸い込むか?


 何にせよ、前回は手も足も出なかったデザートドラゴンと渡り合えているのは間違いない。ノゾムたちもダメージを与えられている。あとは油断さえしなければ、勝てるだろう。


「さあ、来い! 必ず仕留めてやる」


 だが、俺は、いや、俺たちはまだデザートドラゴンの本当の恐ろしさを知らなかった。ダメージを中途半端に与えてしまったことで、これから本当の恐ろしさを知ることになる。

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