表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第4章 宿敵と龍神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/229

砂漠を抜けろ

 フォレストパレスを出発した俺たちはサウザート領との堺まで戻って来た。


「さてと、砂の悪魔と遭遇しない事を祈るしか無いか」

「なぁ、その砂の悪魔ってのはそんなにヤバいのか?」

「ああ。デザートドラゴンと呼ばれるドラゴンだ。森の死神同様に他の同族と比較にならない強さだな」

「へぇ、森の死神と比べたらどうなんだ?」

「プレッシャーは同等以上。火力は砂の悪魔の方が高いだろうな。素早さは森の死神の方が上だ」

「なら、俺とお前なら何とかいけるんじゃないか?」

「そうね。アスカ、森の死神を倒せたんだから、あれも倒せるんじゃない?」

「ミサオ、いくらアスカでもあのドラゴン相手には厳しいと思うよ」


 俺はミコトの言葉を肯定して頷く。あの砂の悪魔は森の死神とはまた違う何かがあると思う。そもそも、同族のデザートドラゴンの攻撃を受けてもあいつは全くの無傷だった。それがどんな力か分からないまま戦っても、ブレス一発で全員やられるという可能性だってある。


「ミコトの言う通り、あれと戦うにはまだ力が足りないと思う。もし、遭遇しても逃げるぞ。絶対に手を出すなよ。ノゾム」

「俺だけかよ!」


 ミコトとミサオがクスクスと笑う。今から砂漠を走り抜け、サウスバレンへと向かう割には、若干の余裕が見える。それもそうか。前回の砂漠越えをした時よりもレベルアップもしているし、何より、


「よし、BD。お願い」


 ミサオがBDを召喚し、その背に乗る。


「アスカ、その、それじゃあ、お願いします」

「ああ。<アクセルブースト>」

「<アドバンスギア>」


 俺がミコトを背負い、ミコトが全員に<アクセルギア>を掛け、素早さを強化する。


「良し! 一気に行くぞ!」


 砂漠越えをした時よりもレベルも上がり、Agiも上がっている。ミサオもBDという上位の人形を使えるようになったお陰で、この作戦が実行出来た。Agiの低いミコトとミサオを背負って、砂漠を一気に駆け抜ける。


 ミコトは俺より力のあるノゾムが背負う方が良かったかもしれないが、男の背中に背負われるのは嫌だというミコトの希望で俺が背負うことになった。体は女だが、中身は男だと言ったが、まだ俺の方が良いという事でこうなった。俺たちは、バラトレストに行く時同様に海沿いを走る。


 やはり、途中の雑魚とは遭遇することもなく、休まずに駆け抜け、三分の一位の距離を進んだ。


「砂の悪魔にしろ、普通のデザートドラゴンにしろ、何も出てこないのは不気味だな」

「そうだな。まあ、その為の海沿いだしな」


 ノゾムが会敵しないのが不気味だと感じているようだったが、俺たちは、砂の悪魔に襲われるまでは海沿いは会敵しないのを知っていたから、特に何も思う所はなかった。


 <感知>による周辺調査をしても、特に何も見つからない事から、一旦、休憩を取ることにした。


「ふぅ。生き返るぜぇ」

「大げさだな、ノゾム」


 また砂の悪魔に気付かれて向かって来るか分からないため、のんびりと休憩は出来ない。


「アスカ、大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。それより、そろそろ出発しよう。あいつに気付かれて襲われたら大変だ」


 皆、頷くと再びサウスバレンへ向かって走り出す。走るのを再開して二時間が経過した位に、<感知>に前方に反応があった。間違いない。あいつだ。


「皆、前方にあいつの反応があった。このままだと、三十分もしないで出会す。進路を変えるぞ」

「「分かった」よ」


 ミサオとノゾムが返事をすると同時に、海沿いから砂漠の中心に向かって進路を変える。まだあいつは動き出していない。だけど、間違いなくこっちには気が付いているはずだ。


 俺たちのスピードが速くて、諦めたのか。それとも、こっちが気付かないと思って待ち伏せをしているつもりなのか。何にせよ、動き出さないのであれば、こっちは距離を取りつつ、サウスバレンへと向かうだけ。


 砂の悪魔を起点に円を描くように、回り込みながらサウスバレンに向かって走っていると、砂漠の中心に近くなってしまったせいか、砂の悪魔とは反対方向に複数のモンスターの反応が現れた。しかも、こいつらは俺たちに気付いたのか、こっちに向かって動き出している。


「あいつとは別にデザートベア、デザートウルフとかいうモンスターが砂漠の中心からこっちに向かって来ている。気を付けろ」

「俺に任せろ」

「ノゾム、私がやるわ。任せて!」


 ただ背負われているだけだというのが、嫌なのかミコトが強く主張している。


「分かった。ミコトに任せるよ」

「うん。アスカ、モンスターはどっちに?」

「二時の方向に二キロメートル位だ」

「分かった」


 ミコトは言われた方向を注意深く見ていると、小さく動く物が見えた。


「あれね! 聖魔(ジョブチェンジ)


 職業を聖女から聖魔に切り替えたミコトは、武器をホーリースタッフに持ち替える。聖魔用の杖だが、実は聖女の時に使っていたクリスタルロッドが成長して、ホーリーロッドとなり、こちらの方が攻撃魔力は高い。


 だけど、聖魔用の杖の方が成長すれば、魔法攻撃は強くなるという事で、聖魔になったらこっちを使うようにしたらしい。


「<ロック>、<ライトボール>!」


 フォレストパレスの魔術屋で購入した新しい魔術。<ロック>は、魔術の攻撃対象を捕捉する補助魔術。必中では無いらしい。しかも、何故か聖魔で使うと魔術の威力が倍になるというチート魔術に昇華する。そして、<ライトボール>。光の中級魔術。着弾地点を中心に光の波動を放ちダメージを与える魔術だ。


 チート補助で強化された光の球が先頭を走っていたデザートウルフに命中すると、白い光が球状に広がり、後ろのモンスター達も巻き込む。まさに一網打尽だ。


「反応が全部消えた。やったな。ミコト」

「うん。良かった。でも、二十分は他の魔術も使えないから」


 チート補助は、大きなデメリットもあった。でも、話に聞いている<ホーリーフレア>とのコンボは俺たちの中での最高火力になるだろう。回復役だったミコトが最高火力というのも何とも言い難いものはあるけど。


 何にしても、今近付いてくるモンスターは居ない。そして、あいつもまだ動き出さない。このまま無事に砂漠を抜ける事が出来ると良いのだが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ