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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第3章 女神と親友

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死神との対決

 森の死神には多少とはいえ、ダメージが通るのは分かった。加護の力は使える状態にはあるが、これは本当に最後の手段。


 スピードは互角。パワーは圧倒的にあっちが上。こっちはどれだけ手数が必要か分からないが、向こうは一撃でも入れれば良いという理不尽極まりない状況だ。でも、それでもやるしかない。


「ふぅぅぅっ」


 大きく息を吐き、体全体をリラックスさせる。


「ガァアアアッ」


 森の死神は、威嚇するように雄叫びを上げると、四足で支えているその巨体を後ろ足2本で支え、立ち上がった。


 そして、そのまま跳躍し、俺に飛び掛かってくる。前へ駆け抜け、前足を躱す。振り向きざまにカウンターを狙うが、森の死神はそのまま前へと駆けていき、目の前の木に飛び上がった。


「あ、しまった!」


 森の死神は枝から枝へと飛び渡り始め、あの飛爪で攻撃してくる。


「この距離でこれを捌くのは……、ギリギリだぞ。うわっ」


 次々と繰り出される飛爪を<気弾>で撃ち落とすが、今の一発なんて、目の前で爆発が起き、後ろに吹き飛ばされてしまった。


 吹き飛ばされた事で体勢を崩した俺を狙って、枝から飛び降りて来る。しっかり飛爪も忘れていない。


「舐めるなよ!」


 体勢を崩したまま俺は横に飛び退く。さっきまで俺の居た場所に三本の爪痕が出来、そこに森の死神が着地する。


 その瞬間を狙って<フラッシュムーブ>で横に出ると同時に、<瞬迅>を左右の連打で横腹に叩き込んだ。


 一瞬横腹を殴られ怯んだかとも思ったが、森の死神は大きく口を開き、体をくの字に曲げながら噛み付いて来る。ガツンと上下の鋭い歯が交差した音が響くが、そこには既に俺はいない。森の死神が体をくの字に曲げた事で、攻撃を予測し、飛び退いたからだ。


 こいつとやり合う前に他のエンペラータイガーと戦闘していて良かった。こいつらの攻撃パターンは、引っ掻き、噛み付き、尻尾を鞭のように打ち付ける、飛び掛かり、飛爪が殆ど。


 飛爪は特に注意が必要だけど、他は挙動を確認したら直ぐに回避行動を取れば、何とか避けられる。とは言っても、一瞬の判断ミスが命取りになるから、常時集中していないといけない。


 おっと、また木に登っていった。飛爪が来る。<気弾>で相殺する。枝から枝へと飛び移り、飛爪を使ってくるから攻撃の隙が無い。


 獣の本能なのか、<フラッシュムーブ>の欠点を知っているのか分からないが、完全に<フラッシュムーブ>の欠点をつかれている。それは、連続で使用出来ないこと。一度使えば、数秒の間を空ける必要がある。


 しかも、必ずターゲットの周りに出現するから、相手が動き回っていると、近付いた瞬間に離れられてしまい、カウンターを食らう可能性がある。あいつには、飛爪があるから尚更だ。


「ジリ貧だな。力を使うしかないのか?」


 加護の力を開放するしかないか考えていると、俺の真上を通過する時に、飛爪を放ち、空中で体を捻り、宙を蹴るような動きを見せると、俺に向かって垂直に落ちて来た。


「空中で機動を変えた!?」


 思わず横に飛び、飛爪を躱すと森の死神は、再び宙を蹴り、俺の方へと方向を変える。


「ちぃっ、だけど、飛び掛かってくるのなら!」


 残存OPの殆どを今から使う一撃に込める。右拳が淡いオレンジ色に包まれる。


「どの程度ダメージが入るか……」


 森の死神の突進をしゃがみ込んで避けると、下腹に向けて右拳を突き上げる。


「<烈波>ぁ!」


 淡いオレンジの光が右拳から森の死神の下腹に移り、体内へ入り込む。鈍い爆発音を立て森の死神を上へと跳ね上げた。森の死神の顔が初めて苦痛に歪んだのが分かった。


 <烈波>は、<衝波>の進化アーツだ。<衝波>はOPの全体量に対し、使用したOPの割合算出による防御力無視ダメージだった。レベルが上がっても、同じダメージを与えるには消費OPもその分増やさなければならないというデメリットがあったが、この<烈波>は違う。消費したOPの八割を防御力無視で相手にダメージを与える。効率的に、八割という事は残念だが、同じOP消費量なら、断然<裂波>の方が与えるダメージは大きい。


 それは実際に喰らった森の死神の顔が物語っている。<紅蓮>を使い、炎を纏った拳による<瞬迅>を受けても、平然としていたが、今は怒りに満ちた顔付きで、落下してきている。


「流石に効いただろ。でも、まだ余裕があるみたいだな。<練気>」


 使い切ったOPをすかさず回復。そして、再び右拳に気を込める。


「もう一発喰らいな! <烈波>!」


 完全回復させたOPを気絶しないように一だけ残し、全てを右拳に込める。そして、落下してきた森の死神の顔面に思い切り叩き込んでやった。


 オレンジの光が森の死神の顔面に移り、内側へと入っていく。再び鈍い爆発音を立て、森の死神を吹き飛ばしていった。


 直ぐに<空納>から魔力回復薬を取り出し、一気に飲み飲み干し、魔力が回復したのを感じると、<練気>を使いOPを回復させ、再び魔力回復薬を飲み干す。


「グルルルルル。グァアアアアッ!」


 森の死神は、顔面に入ったダメージで激怒していた。俺に怒りの咆哮を上げるのと同時にミコトたちの居る方で轟音が鳴り響いた。


「うわぁ。何やったんだ? あいつら」


 爆発と共に、辺り一面焼け野原になっている。あれだけ大量に居た分身も全て居なくなっている。


「あとはお前だけだ」


 <鑑定>を掛けてみると、まだ体力は半分を超えている。<烈波>を二発喰らわしてもまだその程度。だけど、二発で半分近く削れたのならいける。もう一つ覚えたあのスキルを使えば。勝ちが見えてきたと思った時、森の死神の様子がおかしい事に気付いた。


「何だ? あの黒いオーラみたいなのは?」


 森の死神の体を黒いオーラが包み込み、ユラユラと揺らめいていた。

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