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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第3章 女神と親友

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森の死神

 漸くエンペラータイガーを視認出来たのは良いが、向こうはこっちを逃がす気は毛頭ないらしい。


 以前よりも強烈な殺気は、ミコトやミサオにもはっきりと感じ取れているようで、二人は恐怖に体が硬直しているようだ。


「な、何、あれ……」

「怖い、あれは前に会ったエンペラータイガーよね?」

「あぁ。間違いない。俺たちが逃げ出したエンペラータイガーだ」

「小さい方の奴だな。くそっ。殺気が半端ねぇ。逃してはくれなさそうだな。今回は……」


 視認出来る距離に現れてから動かない。動かないが、殺気は剥き出しの状態。俺たちの動きに合わせて、対応出来るようにしているのだろう。

 

 エンペラータイガーは、アスカ達が自分の姿を見付けた事に気が付くと、動きを止めた。


 自分はこの森で、最強であると自負している。実際、テリトリーに入って来た他の生物は、全て屠って来た。お陰で森の死神と呼ばれるようになった。そんな自身から、目の前の人間たちだけが唯一逃げ果せた。この森で最強を自負する自身にとって、獲物を逃したのは許せなかった。その許せなかった相手が態々戻って来たのだ。逃がす道理は無い。


 ただ、森の死神は一つ腑に落ちない事があった。それは、今行った全ての攻撃を耐えられてしまった事。逃さない為に遠距離からの攻撃手段に出ていたとはいえ、今までこれ程までに自身の攻撃を耐えられた事は無い。それを全て凌がれた。


 最初の一撃は、気付かれ躱された。そして、妙な障壁で防がれた。その後は何だ? 尽くを相殺された。その相殺した人間は自身に微々たるものとはいえ、ダメージを与えた人間。そんな人間は、これまで居なかった。


 故に森の死神は一番にこの人間を殺すべきと判断する。何より、他の人間に比べて、妙に存在感もある。


「何だ? 殺気が薄れたぞ?」

「私も」

「あたしも。さっきまでのプレッシャーが軽くなったよ」

「え? 俺は寧ろ強くなったんだけど?」

「「「え?」」」


 どうやら俺に狙いを定めてきたみたいだ。


「そう言えば、お前逃げる前に一撃喰らわしたよな? それで怒りを買っているんじゃねぇか?」

「そうかもな。だったら、皆は援護を頼む。俺に注意が向いているのなら、タンク役としてやってみるさ<アクセルブースト>、<パワーライズ>、<練気>、<癒しの光>」


 さっきの<気弾>を使った分のOPを回復し、<癒やしの光>で消費したMPを回復。戦闘態勢を整えた俺が一歩踏み出すと森の死神も前へ一歩踏み出し、犬が濡れた時にやるブルブルと同じように、体をブルブルと震わせた。


「あいつ、何を……!?」


 森の死神が体を震わせるのを止めると、森の死神の周りに体調一メートル程のエンペラータイガーが無数に現れ、こっちに向かって駆け出した。


「どうやら、援護は無理そうだな」

「だな。あのちっこいのは任せたぞ」

「あぁ。アスカ、気を付けろよ」

「皆も!」


 俺は小エンペラータイガーには目もくれず、森の死神の下へと<フラッシュムーブ>で移動する。小エンペラータイガーたちは、俺を無視してそのままミコトたちの下へと向かって行った。どうやら小エンペラータイガーたちは、ミコトたちを襲う為に作り出したみたいだ。


「グァアアアアア!」


 森の死神は俺に向けて威圧するように雄叫びを上げると目の前に現れた俺にその凶悪な牙で噛み千切ろうと前に出て来た。


「食われるか!」


 俺は直ぐに横へ飛び、噛み付きを躱す。俺が躱すのを読んでいたのか、尻尾が風を切りながら振り下ろされる。


「この、当たってたまるかよ!」


 後ろへ飛び退き、森の死神へと<気弾>を放つ。森の死神は高く飛び上がり<気弾>を躱した。だが、今度は俺がその動きを予測している。


「喰らえ!」


 飛び上がった森の死神に向けて更に<気弾>を放つ。流石に飛び上がったばかりの状態では、避ける事は出来ず、俺の放った光弾は命中した。爆発音と共に森の死神から更に殺意が強くなるのを感じる。見た目程ダメージは入っていないようだが、怒りは増加したのか。


「これは新スキル全部使わないと駄目かな……」


 レベルが三十になって覚えたスキル、アーツは全部で四つ。内、一つは<疾風>の強化派生、<瞬迅>。そして、両拳の武器を外し、


「<創装>! キマイラブロウ!」


 両拳にキマイラブロウを創り出す。従来のキマイラブロウとは違い、金色に輝いている。


 <創装>。<錬装>の派生スキル。これまでに<錬装>で作製した装備をOP消費で作製する。

 しかも、攻撃力が五割増しだ。耐久値が半分になり、付加効果は付かず、熟練度は上がらないというデメリットもあるが、火力不足を補うには十分。


「今は熟練度より、火力重視だ。<紅蓮>」


 両拳が炎を纏うと、森の死神が一瞬動きを止める。炎が苦手? そうは見えないが、試しに一撃お見舞いしてみるか!


「行くぞ!」


 俺が前に出ると迎え撃つように、鋭い爪を振るってくる。俺は立ち止まり、爪をやり過ごすと、空振りをして隙の出来た顔面に右拳を突き出す。


 俺の攻撃を受けるのが嫌なのか、振り下ろした前足を振り上げ、俺を払い除けようとしてきたが、それならばとその場にしゃがみ込み、前足を躱し、その前足を下から殴り付けた。ゴツっと鈍い音がする。多少はダメージが通ったようだ。


 だが、火力不足は否めない。森の死神は殴られても、怯む様子はなく、再びその足を俺目掛けて振り下ろす。


「何かヤバい!」


 自分の嫌な予感を信じ、ギリギリで躱さず、思い切り後ろに飛び退いた。俺の予感は的中だった。振り下ろされた前足が地面に当たると、轟音と共に地面が抉れ、三本の爪痕がしっかりと残っている。


 あの、飛翔する爪撃を至近距離で使ってきたのだろう。あのままギリギリで躱していたら、今頃俺の体は三枚に下ろされていたに違いない。


「やっぱり、こいつは今まで戦ったモンスターの中でも別格だな」


 あのどうにもならないと思ったデザートドラゴンと同格。それでも、逃して貰えそうに無いのなら、全ての力を使って勝つ。死んでたまるかっ! 特にこんな呪いで巫山戯た体のままでなんて、有り得ない!


「絶対に勝つ!」

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