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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第3章 女神と親友

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試練の講評

 全員の試練が終わり、デイジーから講評すると言ってきた。


「講評ですか?」

「当然よ。試練を受けたのだもの。評価されないと、あなた達も成長しないでしょう?」


 プリメラとブラッドの時は無かったが、確かに評価されれば今後の戦闘にも役立つか。


「さて、試練をクリアした順番にしましょうか」


 デイジーがノゾムの方に顔を向ける。デイジーの表情が険しいのは気のせいだろうか?


 デイジーの横をフヨフヨと飛んでいたアルが俺の肩に止まる。


「お疲れぇ。アスカぁ」

「ありがとう。アル。お前は?」

「無事、話し終わったよぉ。僕もまた強くなったんだからぁ」


 えっへんと胸を張る。


「そこ、静かに!」

「すみません」


 デイジーに注意され、俺たちは静かに俺たちの評価を聞く。


「まず、一応、全員試練は合格。あとで神器は授けるわ。それで、ノゾム。あなたは五十点。勿論百点満点のなかでよ」

「え!? デイジーちゃん。何でそんなに低いんだよ」

「戦いの内容が全くなっていないからに決まっているわ。あなたは無駄にアーツを使い過ぎ、そして、もっと落ち着くべき」


 五十点と言われ、ノゾムが不服そうにしている所をバッサリと指摘する。


「あなたの職業は、魔力の成長が低いでしょう。その代わりに他の基本ステータスが高いのたから、それを活かして、ここという時にアーツを使うべき。試練の時もフィアスダイル一体にアーツを使い過ぎるから、あんなギリギリの戦いになったでしょう」

「フィアスダイルって?」

「俺が戦ったでっけえ鰐のモンスターだな」


 鰐だったのか。ということは、皆モンスターが違うんだろうな。


「戦闘に入る前の迷いの森を攻略するのにイライラして少し冷静さも欠いていたでしょう? あなたの力なら、一体ずつしっかりと戦えば、気を失うような無様な事にはならなかったでしょう。小手先に頼らずもっと腕を磨きなさい」


 ノゾムは何かを言おうとしたが、開いた口を閉じる。結構ズバッと言うんだな。デイジーは次にミサオの方へと顔を向ける。


「次にミサオ。あなたは六十点」

「ノゾムよりは良い点だけど、何か悔しい」


 ノゾムの顔が険しい。ミサオより評価が低かったのが悔しそうだ。


「あなたは、まず自分の人形と視覚、触覚を共有することを覚えなさい。今回の試練、あなたの視覚は奪われていた。視覚を共有することが出来れば、ヒュージヴァイパーが物理に強いというのが分かった筈。あんなに苦労することも無かったわよ。それと、あなたは何故ブラッドの加護を授かっていないの?」

「加護?」

「そう。この場にいる者は、あなた以外、それぞれ召喚した神の加護を持っているわ」

「えぇっ! ブラッドの奴ぅ」

「俺も加護を授かっているのか?」

「ノゾム。あなたのアーツに別のアーツの効果を付与する力、あれは超闘士の能力じゃない。あれは私の加護の力よ」


 ノゾムは超闘士の力と思っていたが、加護によるものだったのか。


「因みに、ミコトはプリメラの加護で、回復力向上と魔力の成長増加。アスカはあの人とアルから加護を貰っているわね。あの人の加護、瞬間的に力を増加、アルの加護、全ステータス向上。良いものを貰ったわね」


 俺の肩の上でアルが胸を張る。


「あの人って、アル。もうデイジー様との話は」

「終わってるよぉ。力も本体に返してくれたしぃ、僕にも分けてくれたぁ。アスカ、戦闘中に力が上昇したんじゃない?」


 俺はアルの質問に肯定する。あれはレベルアップじゃなくて、アルの加護の効果が上がったのか。


「魔王に墜ちたとは言え、あなたに加護を与えないとか有り得ないから、きちんと加護を貰いなさい」


 デイジーはやれやれと溜め息を吐くと、


「あなたは一人でパーティーを組めるのだから、もっと効率良く人形を使えるように戦術を勉強しなさい」


 勉強しろと言われたミサオは嫌な顔を一瞬するが、それ以上にブラッドが加護をくれていない事の方に腹を立てているみたいだ。


 次にミコトの方へ顔を向ける。ミコトがビクッとすると、デイジーの顔付きがノゾムとミサオの時とは打って変わって、柔らかい。


 それが逆に怖いのか、ミコトの顔が引き攣っていた。


「ミコト、あなたは九十点よ」

「はい。九十点ですね。もっと頑張ります……」


 ミコトが落ち込みながら、あぁ、九十点かと口にもう一度出して、


「えっ! 九十点!」


 自分の評価が高かった事に気が付き、驚きの声を上げる。ノゾムとミサオなんかは口がポカンと開いたままだ。


「攻撃力の無いあなたが、クレイジーモンキーとワイルドコングの数の暴力によく打ち勝ちました。あの<ホーリーバリア>の使い方も中々だったわ。ただ、ノゾムと同じく魔力の使い過ぎには気を付けなさい。魔力回復薬が使えなかったとしたら、あなたはやられていたわよ」


 <ウォーターアロー>しか持たないミコトが数の暴力に屈さず、試練をクリアしたのか?


「ミコト、どうやってモンスターを倒したんだ?」

「実は、試練中にレベルが上がったの。そうしたら、新たな力に目覚めて」

「へぇ。良いなぁ。ミコト、どんなの? どんなの?」


 ミサオが羨ましそうにミコトに尋ねる。


「えっと、一つはジョブチェンジ」

「え、ジョブチェンジ!」

「うん。ブラッド様の試練の洞窟で貰ったのが、これだったみたい。それで聖女から聖魔っていう攻撃魔術士の職業に変われたの」

「良いなぁ。ジョブチェンジなんて、羨ましいぜ」

「ミコト、一つはって言うことはまだあるんだよな?」


 ノゾムも羨ましそうにミコトを見ている所に、俺がミコトの言った一つという言葉に対して質問すると、


「とんでもない魔術<ホーリーフレア>が聖魔の時に使えるの。ただ、これは切り札ね。一度使ったら一週間は使えないみたい」

「その切り札をしっかりと切って、試練を乗り越えたのよ。ミコトは。そこも高評価のポイントね」


 ミコトは嬉しそうに照れていた。そして、最後に俺の方を向く。


「最後に、アスカ。まさか神聖樹の試練を受けるとは思ってもいなかったわ」

「どういう事ですか?」

「あなたの受けた試練、この試しの宮殿で最難関の試練よ。しかもクリアするなんて。文句なしの百点」

「嘘だろ。アスカ、お前すげぇな」

「ノゾム、話を遮らないの。百点と言いたいけれど、九十八点ね」


 二点減点された。まあ、別にそれは良いんだけど。


「何で二点減点したのですか?」


 ミコトが不思議に思ってデイジーに尋ねると、


「アスカは、レベルアップするまで、イミテートパロットの模倣したあなた達に全く歯が立たなかったから」

「え? 俺たち?」

「どういう事? アスカ」

「そのまんまだよ。ミサオ。モンスターが俺たちに化けてたんだ」

「イミテートパロットは、相手の記憶から相手に関する情報を入手して、姿とステータスを真似るモンスター。特に戦い難い相手を真似るから嫌なモンスターよ」


 そこまで分かっているのならそんな奴、試練に出すなよ。全員がデイジーをジト目で見ていたが、全く気にする様子もなく話を続けるデイジー。


「あのまま続いていたらどうなっていたかしら?」

「たぶん、時間は掛かったとしても、何とかクリアはしたと思います」


 実際、何とか<衝波>を当てることが出来れば、いけていたと思う。


「そうかもしれないわね。とは言え、ミコト同様にレベルアップを活かして、しかも切り札を使わずに最難関の試練をクリアするとは、正直、私も予想出来なかった」


 全員の評価を聞いた後、ノゾムとミサオは落ち込み、ミコトと俺は落ち込むことは無いにしても、二人の様子を心配そうに見ていた。


「まぁ、評価は厳しくしたが、全員合格はしたのよ。今から神器を渡すから、気を取り直しなさい」


 デイジーの一言で二人の顔が明るくなったのは言うまでもない。

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