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異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第3章 女神と親友

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新種モンスター

 タク村を後にした俺たちは、デイジーが向かったという北を目指して歩いて行った。言われた場所には二時間程で到着すると、当然だがデイジーの姿は無かった。そこはこれまでと変わらない木々が広がるだけで、モンスターも戦闘の跡も見られなかった。


「新種のモンスターって、どこにも見当たらないけど」

「デイジーちゃんが全部倒してしまったんじゃねぇか?」

「それにしては、何処にも戦闘の痕跡も残ってないようだけど」


 ミコトの疑問に皆が同意するように頷く。今この周りにあるのは、木と草だけ。モンスターの姿は一切無いし、デイジーが戦闘後に、倒れた木を元に戻したとしても、まだ二日しか経っていないんだ。少し位は痕跡が残っていてもいいはず。


「場所が違うのかな?」


 ミサオの言葉を否定する事も肯定する事も出来ない。何せ本当に何も手がかりがこれ以上無いからだ。十キロメートル北上した場所と言われたからそこを目指してやってきた。それはここで間違いないはず。


「手分けして周辺を調べてみようか」

「「「分かった」」」


 俺たちは四方に分かれて辺りを三十分程調べているとミコトが何か見つけたらしく、俺たちを呼ぶ声がした。


「皆、こっちに来て!」

「何かあったのか?」

「これを見て」


 そう言われてミコトが指した方を見ると、辺りに生えている草と違う花が一輪咲いていた。その花は長さ三十センチ位の茎に血のような真っ赤な花を咲かせている。


「ここに来るまでにこんな花見た事無いけど、何か関係無いかな?」

「こんな花が? 関係無いんじゃないかな?」


 ノゾムはあっさり否定したが、俺は念のためにその花を鑑定してみることにした。


「まあ、ちょっと待てよ。ノゾム。ちょっと調べてみるよ。<鑑定>」


 すると、その花の正体に驚いた俺は慌てて後ろに飛び退く。


「離れろ。そいつモンスターだ!」


 俺の声に驚いた三人も慌てて後ろに飛び退いた。


「どういう事?」

「こいつ、マンイーターって名前の食人植物のモンスターだ」

「じゃあ、これが新種の?」

「どうかな? マンイーターって名前は、俺たちの世界じゃゲームとかには一般的に出てくるモンスターだからな」

「あたし、ゲームなんてしないから知らないわよ。そんなの」

「アル!」


 俺はノゾムが付いて来ると言ってからずっと<空納>の中に隠れているアルに呼び掛けると。アルは面倒くさそうに、姿を現した。


「なぁに? アスカぁ」

「お前、こいつ知っているか?」


 俺はマンイーターを指差し、アルが知っているモンスターかどうか聞いてみると、


「この花がどうしたのぉ? 見た事も無いけどぉ?」

「そうか。じゃあ、こいつが新種のモンスターって事で間違いないな」

「えぇっ。この綺麗な花、モンスターなのぉ!?」


 ノゾムがモンスターならと大鎌を背中から取り、マンイーターを刈り取ろうと刃を当てた、その時、マンイーターの生えている地面から蔓が伸びて、ノゾムに襲い掛かって来た。ノゾムはその蔓をサッと大鎌で切り裂くと、そのままマンイーターを根元から刈り取る。プチッと簡単に千切れたマンイーターから緑色の液体が飛び散る。


 飛び散った液体が地面に触れるとジュッと音を立て、地面に小さな穴が空く。


「何だ。大した事無いな。新種のモンスターなんて言うからもっと手強いのかと思ってたぜ」

「いや、お前の攻撃力が高いだけだろ。それにしても、人を喰うモンスターという鑑定結果にしては、大きさが小さかったな」

「さっきの緑色の液体で人を溶かして、根っこから吸い取るんじゃない?」


 ミサオは穴の空いた地面を指差し答えると、ミコトが気になる一言を口にした。


「ねぇ。何で、その花消えないの?」


 確かに通常のモンスターであれば、倒すと光の粒子となって消える。例外としては、邪神の手先のモンスターがそのままの姿を残すのだが、もしこのマンイーターが邪神の手先なら、アルがすぐに気付くはずだ。だけど、アルは何も言わなかった。


「こいつはまだ死んでいないのか?」

「いや、こいつは死んでいるぞ。<鑑定>で確認した」

「だったら、何で消えないんだ?」

「新種だから?」

「俺が前に倒した新種のスライムは光の粒子になったぞ」

「新種のスライム? そんなの居たのか?」

「ああ。ゲームで良く出てくるメタルな奴だよ」

「まじか! 良いなぁ、お前ばっかり」

「そんなのどうでもいいよ。今はその花!」


 確かにそうだ。この花が残っている可能性としては、これがドロップアイテムという事もあるが、その可能性もない。何故なら、地面にまだ茎が残っている。つまり、これはドロップアイテムじゃない。死体だ。


「何か、嫌な予感がする……」


 俺はすぐに<探知>で周囲を調べるが、<探知>には何も引っかからなかった。


「ねぇ、もう少しこの辺りを調べてみない?」


 ミコトの提案に俺たちは頷く。このマンイーターが新種のモンスターで死体が残るのなら、デイジーがここでマンイーターを倒したのなら、その死体が残っているはず。探せば何か見つかるかもしれない。ただ、さっきの<探知>では、目の前にあるマンイーターの死体しか反応は無かった。つまりこの辺には、他の死体は無いという事だ。


 暫くすると二十メートル程離れた所で今度はミサオがマンイーターを発見した。


「ねえ、ここにもマンイーター居るよ!」

「何だって! おかしいぞ。<探知>では引っかからなかったのに」


 俺はミサオが見つけたマンイーターに<鑑定>を掛けると、その花はやはりマンイーターで間違いなかった。


「間違いない。こいつはマンイーターだ。でも、何で<探知>で見つからないんだ?」

「そんなの決まってんじゃねぇか」

「何が?」


 ノゾムに問いかけると、ノゾムは自慢げに答える。


「こいつらが、隠密系統のスキル持ち、もしくはそういう特性を持っている。で、死んだら、その効果が無くなるから、探知系のスキルに反応する。これしかないだろう?」


 確かにそう言われれば、そうかもしれないが。<鑑定>では調べられたから、<探知>でも分かると思ったのだが。<探知>で見つからないのは、<鑑定>よりも看破する力が弱いという事なのだろうと割り切る。


「お前の言う通りかもしれない。だったら、ここにはまだ多くのマンイーターが潜んでいるかもしれないぞ」

「ああ。そうするとデイジーちゃんもまだこの辺りにいるのかもしれない、なっと」


 ノゾムは大鎌でマンイーターを刈り取ると、残った死体を踏みつけた。


「急ごうぜ。俺も何か嫌な感じがする」


 俺たちは頷くと、先へと進む。この広い樹海で<探知>にも引っかからない小さな花を探しながら、デイジーを探す。苦労しそうだ……。

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