いけ好かない女達
生理的にいけ好かない奴ってどこにだっているものだ。
もっと前にも、きっと嫌悪してくる奴もいたし、嫌悪してたやつもいるんだろう。でも、それも忘れてしまった。
いけ好かない女が思いつくだけで、二人いる。
だが、まずは私が高校二年生にクラスメイトだった女から紹介しようと思う。
第一のいけ好かない女である彼女を思い出したきっかけは、昨日足を運んだブックオフだった。彼女の好きだった画家の画集を見つけた。それは日本語で「青」を意味するタイトルが付けられている。
私が高校生だったころかなり人気があった作家だった。小説の表紙に、ポップなCDのジャケット、おしゃれ系アニメのキャラクターデザイン、なんでも彼は輝きをほしいままにしていた。実際問題、普通に生活していれば、彼の仕事が無意識のうちに目に飛び込んでくるぐらいには起用されていた。
それに、彼女はギターケースに当時人気だったロックのキーホルダーを付けていた。
ミーハーなくせに、いっちょ前にカルチャーは解ってます、みたいな澄ました顔の彼女が嫌いだ。
私も、音楽も絵画も好きだった。
しかし、私が好きなのはメジャーデビューすら怪しいヴィジュアル系だった。
絵の方は、日本画風の耽美主義の画家に傾倒していた。
緻密な筆で描かれる聖人や、ヴァンパイアは田舎の高校生を夢中にさせるのに十分だ。
似ているようで、ちっとも私たちは理解できない時空に居いたのだ。
多分、互いの事を馬鹿馬鹿しいと感じていただろうし、興味もなかった。
だから、彼女の名前すら私は思い出せずにいる。
第二のいけ好かない女は、大学時代の女だ。
彼女とは本当にびっくりする位、趣味があった。
差異はあれど、プレイするゲーム、音楽、漫画、映画などだ。
しかし、根っこの部分が合っていなかったので、同じ様な感想を導き出せない。
また、運が悪いことに「仲良しグループ」の中の一員だった。
この同族嫌悪の塊みたいな女に、一度冗談で「これってあのゲームの敵に似てるよね」みたいなことを言った。「はぁ?あのゲームバカにすんなよ?」とマジ切れされた。そんなことで機嫌悪くされても「仲良しグループ」なんだから、流していただきたい。多分、彼女とは、様々なものの受け取り方が全く異なるのだろう。
ただ、一緒に行動することも自然と多くなる中で、どう彼女に接するのかという事には神経を使っていた。なるべく、直接話しかけないように、ほかの友達から経由するような形で彼女の意見を聞きだす事が多かった。
第二のいけ好かない女は、同族嫌悪なのか、根っこが違うからそもそも理解不能なのか今となっては解らない。
ただ、第二の女の厄介な所は、こんな私にも結婚報告をありがたくしてきてストレスを与えてくるところだ。しかも、ウエディング写真付きである。こっちだって結婚位してるわボケナスと中指立てたくなるが「仲良しグループ」だった彼女だから、ひきつった顔で「イイね!」押しといてやった。
女の人生の性なのか、私を倒しても次のいけ好かない女が出てくる。
正直、男とセックスしてる方が野球とか、サッカーみたいでよっぽど解りやすい。
大体、ノンフィクションです。
ちなみに、高校生だったときに好きだったヴィジュアル系はメジャーデビューしませんでした。