目醒めの時
[目醒めの時]
『ここは何処だろう…』
真っ暗な中に1つの豪華な椅子が明るく照らされている。
不良に殴られて倒れたのは覚えている。
『もしかして僕は死んだのか??』
訳もわからず椅子に近付こうとするが、何故か椅子には近づけない。
よく見たら王冠を付けた可愛らしいカエルが、そこに座って居る…
『お前は、弱い…弱いなりにお前は何を求める…
力か?それとも金か?それとも今お前が助けた女が欲しいのか?それとも他に望みがあるのか?』
僕は、驚きすぎて口が開きっぱなしになってしまった…
カエルが、まず喋ってる事に驚いていた。
『何を驚いておる、お前が望んでここにきたのであろう』
驚きながらも僕は答えた
『僕は、力が欲しい困ってる人を…助けを求めてる人を助けたい…今の優柔不断で弱い僕をヒーローにして欲しい、誰にも負けないヒーローになりたい』
僕は、涙が止まらなかった、今の弱い自分が嫌いだ、昔から1人で何も出来なかった自分が嫌いだ、ヒーローになったら強くなって、カッコよくなれると思った。
『それがお前の望みか?本当にお前が心から本心から望んでいる事か?』
『はい!僕は強くなりたい、いつか好きな人が出来て守れて助けられる漢になりたい…です』
『ならばお前の名前と望む物を唱えるのだ』
『僕の名前は、結城 雅ヒーローになりたい、強い自分になりたい』
『雅、お前の望みは時間がかかるかも知れない…だが諦めず今の気持ちを持ったまま進めば、その時が来るであろう…さあ、そろそろ起きる時間だ。これ以上お前には会う事はないだろう…』
そのまま、僕は暗い部屋からも意識がなくなった…
目を開けると僕はコンビニの駐車場に倒れていた。
あれは夢だったのか?それよりも痛みの方が酷かった。
周りを見渡したらあの可愛い女の子が泣きながら座っていた。
『いててて…君大丈夫だった??』
『私のせいでごめんなさい、直感的に動いてしまった私が悪いの、あなたまで巻き込んでしまって…』
『僕は大丈夫だよ、こういうのはなれてるから』
救急車のサイレンの音が聞こえる。
コンビニの駐車場に救急車が停まると、僕は意識を失ってしまった…