表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/56

13.ゴルフ

 どうしてこうなった……カラスは軽い気持ちで行動してしまったことを激しく後悔していた。

 時は少しだけ遡る。

 

 ほよよよよーーん。

 

――都内某所のいつもの駅舎の屋根

 カラスとハトは駅に入っていく愚かな人間たちを眺めくあくあしていた。


「先輩、今日は少し人間たちが少ないっすね」

「そら休日だからな」

「へええ。人間たちも休むんですね」

「あいつら休日って言ってもあくせく動いているみたいだけどなあ……くああ」

「全く元気なことですねえ。くえええ」


 カラスとハトは屋根から首だけを乗り出して力一杯人間たちへくええええする。

 それで満足した二羽は、ほおおと息を吐くのだった。

 

「ところで先輩、人間たちって何してるんすかね? 休日に」

「そうだな。ゴルフとか釣りとか……」

「ゴルフって何するんですか?」

「こう小さい玉をだな、ゴールに放り込むんだ」

「へええ。面白そうっすね!」

「行ってみるか!」


 なんてことになり、彼らはゴルフ場へ向かったのだ。

 しかし、道すがらトンビに絡まれ、スズメたちがゴルフ場にいたりして大賑わいになってしまった。

 元々、好き勝手に動く彼らが集まったものだからまるで収集がつかない。元よりカラスは彼らをまとめる気などありもしなかったわけだが……。

 とはいえ、優雅にゴルフを楽しもうと思っていた気持ちが台無しにされたカラスは、くああしていたというわけだ。

 

「で、何するんだ? カラス?」

「おい、カラスの野郎! 今度は負けないぞ!」


 トンビとスズメ三連星が囀る。

 あー、もう帰ろうかなとカラスは思うが、ハトがさきほどからキラキラした目でカラスを見つめているものだからどうにも翼を動かすには気が引ける。

 仕方ない……説明するか。カラスはそう心の中でくええした。

 

「ええと、人間たちがボールを叩くと空中にボールが飛んで来るんだ。そいつを嘴で掴んで、緑の円形……グリーンにある穴ぼこに入れる」

「ふむ。面白そうだが……俺が嘴で挟むとボールが潰れるぜ?」

「おい、カラス! 俺たち三連星の嘴じゃあボールは掴めないぞ! どうしてくれんだ!」


 知らんがなとカラスは突っ込みたい気持ちになるが、絡んだら絡んだで面倒になると思い無視を決め込む。

 

「じゃあ、ハト、やってみるか?」

「はい!」


 グダグダ煩いトンビたちを残し、カラスとハトは空へと飛び立つ。

 ちょうど、ボールが飛んできてカラスが見本だとばかりに嘴でボールをキャッチするとグリーン上空へそのまま飛んでいく。

 カップへ狙いを定めて口を開くと、ボールが落ちグリーンをボールが転がっていく……しかし、穴の周囲をクルリと回転したボールはそこで動きを止めてしまう。

 

「くああ!」

「惜しいっすね! 先輩。今度は僕が!」

「おう、やってみな」

「はい!」


 しかし、ハトの口にボールが収まらなかったため、彼らはゴルフ場を後にしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ