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師匠から習った内丹術で異世界脱出!〜旅はつらいよ〜  作者: 楊文理
第2章ーーガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーー
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ガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーーその③

ここまでのあらすじ

罠を仕掛けられており、強制的に革命に助力を求められた太一、果たしてこの先どうなってしまうのか。

「すまねぇな、兄ちゃん。半ば力尽くに強制的に協力してもらって」


「まぁ、いいですよ。俺だけが関わるなら国際問題にならないでしょう。あと、タイチって呼んでもらっても構いません」


「あぁそれならタイチ、俺はゼフィーでいいぜ。お互いギブアンドテイクといこうや」


 草木も眠る時に、俺とゼフィーはアジトの南東にある村へと向かっていた。


 その村は貴族の直轄地であり、穀物などの食料が沢山あって、抑えれば解放軍500人の食糧が一か月賄えると言われている。

 その重要な任務を俺と、解放軍で1番強いゼフィーに任せる事になった訳だが。内心罠があるとしか思えないぐらい好条件で怪しいと思ったが。


「まさか貴族どもも、村を焼き捨てる様な事はしないだろう」


 マクシミリアンが堂々と言ってのけたので、行く事になったが。森の中を抜けながら走るので、走りにくいったらありゃしない。ヘトヘトになりながら村に辿り着くとある異変を感じた。


「おい、この村何故か人間の雰囲気がしないぞ」


「何だろうか?気で探ってみるから、少し待ってくれ」


「わかった」


 村から生気が感じられなかったので、気で探ってみると。恐ろしい事が分かった。


「この村に生き物はいねぇ、がしかし何故か人型の動きをしている魔力がある」


「とゆう事は、アレだな」


「あぁ、黄泉還った死者(リビング・デッド)だな。だがどうして、そんな物がいるんだ?」


「第五の力だな」


「第五?」


 俺は聞きなれない言葉に戸惑いを感じたので、第五とは何かと、聞き直すと。


「魔法には、四つの元素以外にもう一つある。それが第五だ、四つの元素に囚われずに様々な効果を発揮する魔法。しかし、それを使えるのは。ごく僅かの才能がある奴だけだ」

 ゼフィーはそう言ってナイフを構えた。


「まぁ、俺も使えるんだがな。ーーっとお喋りが過ぎたな。さあ来たぜ、死者の軍勢がよ!」


 話を切り上げたかと思うと、ナイフで後ろにいたリビング・デッドを切り捨てた。

 どうやら、囲まれてた様だ。


「自律型か、それとも操作タイプかどっちなんだ?」


「俺が探知するから、少し待ってろ!」


 抜刀しながら、リーチを活かして数体の首を飛ばすと。俺は地面を殴って探知を始めた。


「……操作型だ、近くにいるぞ!そこかぁ!!!」


 俺は魔導師がいる方へ、気を思いっきり飛ばした。


 ーーーーグワラッシャァァァ!


 大きな音を立てて家が吹き飛び、そこには。呻き声を上げた、傷だらけの魔導師の男が転がっていた。


「うぎゃゃゃあ!!テメェ何しやがった!」


「皮膚の感じる痛覚を鋭敏にしたんだ。このまま行くと、お前はショック死するぞ」


「ヒッ!何を話せばいいのか?」


 魔導師の男が、あっけなく尋ねて来たので。色々聞こうと思ったが、ゼフィーがこちらを制して来て。


「おい不細工面。俺が今から聞く事を耳をかっぽじってきけ!」


「な、なんだ?」


「いいか、アルフレッド・ド・シャミヤールと言う貴族は知ってるか?」


「あぁ知ってるが、それがどうした?」


「そいつは今、どこにいる!答えなきゃお前の首を飛ばす!」


「そいつは今、ガルバニアの王宮の中にある館にいる!さぁ、喋ったぞ助けてくれ!!」


「お前の首は飛ばさないが、お前を殺さないと言ってないぞ」


「はぁ?そんな事ありかよ!助けてくれェェ!!!」


「あばよ貴族の犬、死んでこの村の人間に詫びろ」


 ゼフィーはそう言って、男の心臓にナイフを突き刺して殺した。


 数分後、俺が何故貴族の名前について聞いたかを聞くと。


「俺はかつて、幼き時に路上に捨てられていた孤児だった。そこで、俺の命を救ってくれた女性がいた。その女性は、俺に対して姉の様に振舞ってくれて。家族の知らない俺に対して家族の暖かみを教えてくれた」


 ゼフィーが一言一言噛み締めながら言うと、今度は口調を変えて。


「しかし、その平穏は長くは続かなかった。ある男が、姉を、姉さんを連れ去って陵辱の限りを尽くし殺した。俺はその男が貴族だと言う事は気づいたが、殺せる機会が無かった。だから、殺す為に魔法士官学校に入り、虎視眈々と殺す機会を狙っていた。そして遂に、革命と言う復讐のチャンスを手にした俺は、軍を離反して。マクシミリアンについた、そして今、遂に居場所も知る事ができたから、俺は復讐を遂げる事ができる」


 清々しそうな顔でそう話すと。こちらを見ながら申し訳無さそうに。


「すまねぇな、あまり気持ちの良くない話をして」


 すまなさそうな顔で言ってきたので。


「別に、身の上話が聞けてありがたいとも思ったよ。俺も協力出来るだけの事はするよ」


 気にしてない顔で言い返すと、顔が変わり。


「ありがとな、さてこれからどうするか。これじゃ多分食糧も無いだろうし取り敢えず、帰るか」


 リビング・デッドは全部活動を停止して、死体戻ったので。取り敢えず報告のために夜が明ける事に、アジトに戻って報告すると」


「あぁそうだったか…それは残念だったな。だが、次の解放地は既に現地の革命組織との連携が取れている。そしてそこは、この国でも最大の穀物地域で。ここを取れば各地にも革命を煽ることが出来るかもしれない!」


 そう言って、一つの手紙を渡してきた。


「それには、君とゼフィーの作戦開始の日時と時刻が書いてある。君たちには、そこへの開始までの潜伏とあちらの革命組織との接触を任務にする。あと、この作戦は解放軍(ジュゼッペ・サンキュロット)の全員が参加する事になっている。失敗は許されないぞ、幸運を祈る」


 いよいよ、後に引けなくなったと感じ取り。取り敢えず、シャーロットとふわふわとした話をしたいなぁと、現実逃避をしてしまっていた俺であった。




 ーー革命は遂に始まりを迎え、民衆の夜明けが見え始めてきた。



ここから発展していくので、見て言ってください。

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