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師匠から習った内丹術で異世界脱出!〜旅はつらいよ〜  作者: 楊文理
第1章ーー姫様誘拐ーー
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ーー姫様誘拐ーーその⑤

これまでのあらすじ

敵の頭領は部屋に敷き詰めてある水晶で、魔法を封じて風の槍でウィリアム氏に重傷を負わせた。魔法封じが効かない太一は策を弄していると、姫と目が合い突撃してしまった。刀を折られたりして危機に陥ったが、陰陽煉気化神法を食らわして倒し、無事に帰還した。

 ーーあれから、3日の時が過ぎた。


「ふゎーぁ、よく眠った」


  俺は支給された官舎のベッドで目を覚ました、もう陽は上がっていたがまだベットにいた。何しろ、この3日間の間で色々とあったからだ。


  姫様を救出して、俺は特務大佐まで昇進した。また様々な勲章も貰い、様々な歓待も受け名誉貴族の称号まで貰った。


  しかし、俺はここに留まるわけでは無いので、この日を機にしてさっさと次の国まで行こうと思い、準備をしているのだが、武器の目処が付いてない。

  士官支給のサーベルでもいいかと考えていると。担当の従者が、宅配便があると言い刀らしき物を渡してきた。それに手紙が添えてあり、それには師匠の字体で。


「任務お疲れ様じゃ、お前の柳葉刀もガタが来ていたから、そろそろ変えなければと思っていたのだが、丁度良い機会だったな。それの名前は、苗刀と言った刀で、お前が欲しいと言っていた奴じゃ。それを使って精進して行けよ、さらば」


  この爺さんには、此方の動きが全て見えてるのかと、苦笑しながら手紙を読み終わると、苗刀を鞘から引き抜いた。


  苗刀の長さは日本刀で言う大太刀レベルで巨大サイズながら重量は少なく素早い行う事ができる、使いこなせれば様々な状況で役に立つ刀だ。


  武器の目処もついたので、食料等を買う為に、官舎の外に出ると。近くの訓練所で兵士が、銃剣術の訓練をしていた。


  この世界では銃や大砲は案外普及しており、見た感じナポレオン戦争ぐらいの銃だった。

  何故魔導師がいるのに銃が普及しているのかと言うと、その答えは絶対数の少なさだった。


  三大国では、軍隊の総人数の内に1%しか魔導師が置けないという、条約があり。また教育が非常に難しいので、今の俺の様に特務として現状打破で投入する為の、予備兵力の役割の側面が強いらしい。なので、基本は銃や大砲を使っての戦争が基本なんだそうだ。

  しかし、もう戦争なんて100年は起きて無いので。平和ボケし始めて来たのが現状らしい。

  少し訓練を見た後に、食料を買いに行き1週間は保つであろう量を買い、官舎に帰って荷物をまとめた。


  俺は荷物をまとめた後に、ウィリアム氏に別れの挨拶に行こうと思った。少しは力を貸して頂いたので、そのお礼も兼ねてだ。

  家を訪れてみると、貴族らしい豪華な邸宅だったので。門の前でちょっと気圧されながらも、衛兵に今ウィリアム氏はいるかと尋ねたら。


「何だ貴様!怪しい奴め、詰所まで来い!」


  とても大きな声で怒られて、詰所まで連れていかれそうだったので。貰っていた、ウィリアム氏直筆のメッセージと一級魔導師の杖を見せると、態度を改めて。


「申し訳御座いませんでした!邸の前まで御案内させて頂きます」


  大変申し訳無さそうに言われて、案内させてもらった。

  邸の前に着くと、待っていた執事に邸の中を案内してもらい、応接間に通された。そこには、コーヒーを飲みながら茶菓子を摘んでいるウィリアム氏がいた。


「別れの挨拶かねMr.タイチ、少し話す時間はあるだろう?椅子に掛けたらどうかね」


  そう言って、こちらを見ながら手招きして来た。


「わかりました。それでは失礼します」


  そう言って座ったはいいが何を話そうかと考えていると、向こうから話題を振ってきた。


「君は何故旅をするのかね?君の力があればこの国でも、大成できるだろう」


  疑問そうな顔で言ってきたので、俺は真実を答えるか、答えないかで考えたが結局濁すことにした。


「私は結局、この国の住人ではありません。だから、自分の居場所に戻るために旅をするのです」


  俺はそう答えて、話題を切り替えようとした。しかし、ウィリアム氏が何かを語り始めた。


「私は、1級魔導師ではあるが実際の所、実力よりも貴族だからという面が大きいのだ。だから、君の戦いを見て羨ましい気持ちがあった」


  立ち上がり、窓の外を見ながら言った。更に窓の縁に手を添えながら続けて。


「もし、私が君と同じ立場なら。国に残って元々居た居場所など捨てて、その力で楽に人生を生きて行くだろう。しかし、君はそれを捨ててまで元々居た居場所に帰ろうとする、君は素晴らしい思うよ。私には、今ある栄光を捨ててまでそれをしようと思えない」


  そう言いながら此方を見て、諭す様に。


「もし君がこれから苦難に巻き込まれたとしても、君の事を見ていてくれる人間は何処かに必ずいる。その事を忘れずにいてくれ、少ない人生の先輩としてのアドバイスさ」


  優しい表情をしながら、アドバイスをくれた人生の先輩に対して、俺は頭を下げて、邸を出て行った。


  ーー出発の時間が近づき、門へと辿り着いた時に、街を見て感傷に浸っていると。何故か何処かで見た事がある人影が、此方に向かってきた。


「ちょっと待ってくださーーい!」


  そう言って、走ってきたのは第2王女様だった。


「はぁ?」


  一瞬、認識が遅れたが。向かって来たのに気付いた瞬間に、意味が分からず呆然としていた。


「一体、何か用がございますか?人違いではありませんか?」


  俺は取り敢えず、訳がわからないのでそう聞くと、一枚の手紙を渡して来た。手紙には、王の直筆で書いてあり、王印も押してあった。

  内容を読んだ時。俺は驚きすぎて、腰を抜かしそうになった。中身をそのまま表すと。


「タイチ特務大佐にはこれから、第2王女 シャーロット=サルヴァドーリの同盟国訪問の護衛をしてもらう。この手紙を受け取った瞬間から任務を開始し、軍籍から機密の為抹消される。また失敗は死刑となるの事を理解されたし。 国王 エドワード=サルヴァドーリ」


「とゆう事で、宜しくお願いします。私の騎士(ナイト)として、タイチ様」


  満面の笑みを浮かべながら、此方を見ながらそう言って来た。

  断る事は出来ないし、断ったら死刑という選択を迫られて俺は泣きたくなったが、いつか家に帰る事を願ってこの任務をこなす事にした。


「ちなみに、どの様な呼び名が宜しいですか?姫様」


「別に、言葉に関しては何も言いませんよ。敬語も使わなくて構いません」


  そう言われたので、俺はファーストネームで、シャーロットと呼ぶ事にした。

  俺は、これからの苦難と胃の痛みを覚悟して、心の中で叫んだ。


(ふざけるな!俺に何でこんな目に合わせるのか、早く家に返せこの野郎!!!!)


  叫んでも対してスッキリしないので最後に門を一緒に出るときに一つ呟いた。


「……旅はつらいよ……」

 



 


 


 

ここまででチュートリアル的な物が終わったのでここからが本番となります。

より一層頑張りますので応援宜しくお願いします。

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