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師匠から習った内丹術で異世界脱出!〜旅はつらいよ〜  作者: 楊文理
第1章ーー姫様誘拐ーー
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ーー姫様誘拐ーー

ここまでのあらすじ。

よくわからない理由で異世界に飛ばされた男物部太一。そこで助けてもらった爺さんに修行をつけてもらって、二年間掛けて内丹術をそこそこマスターした。

ある日爺さんに「旅に出て、内丹術をマスターして元の世界に帰るための鍵を見つけろ」と言われたので、旅をする事にした。

果たして元の世界に帰ることは出来るのか!

「ふぅ、やっと着いたぞ!」


  俺は、アルヘーンへと3日掛けて辿り着いた。道中盗賊や魔物などに襲われたが、難無く追っ払えたのは修行の成果だと思う。


「流石にデカイなぁー、この世界で一番大きな国だっけ?こんな大きな門始めて見たよ」


  この世界は三大国と呼ばれる国がありアルヘーンが一番規模が大きい。アルヘーンの入り口は門である、周りは都市壁に囲まれてるのでここでしか出入り出来ない。また常時兵が待機しており、門もいざという時に魔法によって閉められるようになっている。


「さっさと師匠が言ってた手紙を出して観光するぞ!楽しみだなぁ」


  半ば観光気分で意気込んでいると。注意力散漫だったのか向こう側から走ってきた人にぶつかってしまった。


「あいててて……」


「すみません大丈夫ですか、お怪我はありませんか」


  相手は女性で見た目17歳位だったが、その顔を見た時驚愕した。

 まるでサファイアの様に美しい目で尚且つ女神の様な顔をして黄金の髪をたなびかせる姿はドキッとさせられた。


「いえ、何もありませんよ」


  彼女はそう言ったが、足から血を流している。


「足から血が出てるじゃないですか。俺が治しますよ」


  俺はそう言い《存思》を使った。

  存思とは様々な対象を想起して気を操る術である、主に病や怪我を治す為に使われる術だ。


「大丈夫ですよ…あれ?治ってる!」


「ほら、治ったでしょう。傷付いたままでしたら、危ないですよ」


  俺はそう言って治してあげた。ぶっちゃけ可愛い女の子に触れて嬉しかったのも原因だけど。


  「ありがとうございました、お礼は払います」


  そう言って、お金を渡そうとしてきたが、お金は持ってるからと遠慮して断った。

  代わりに、俺の目的地まで案内してもらいそこで別れた。


「ここが、魔法総合担当部か…」


  この世界は魔法がキチンとあり使える人間は把握されてる、そのかわり使える力に応じて特権が与えられることがある。

しかし、俺の術は正確では魔法ではなく、この世界では習得している人間が非常に少ない為特権は与えられないと思ってたが。


  「この手紙は、推薦状だね。キミは第一級の資格が貰えるよ、これから城に向かって貰うけど予定は大丈夫?」

  如何にも偉そうな役人に言われ、度肝を抜かれた。


  「あの爺さん何者だよ…」


  内心思いながらも、従者に連れて行かれて、謁見の間へと送られててしまった。


「これより、第一級特級魔導師の任命式を始める。貴殿には年間2000ルゴールの金貨を、また軍隊においては少佐の地位が与えられる、あと不逮捕特権と一定の殺人の許可を与える。これは親子孫三代まで引き継がれる」


  何かとても偉そうなおっさんがとんでもない事を言ってる気がするがどうしよう、不逮捕権とか政治家かよと思いながら話を聞いてると。


「貴様は、国に対してどう忠誠を誓う?」


  重厚感のある声がしたかと思うと、いきなり国王様から御言葉があってとてもびっくりした。

  国王ーーエドワード=サルヴァドーリは、師匠から話を聞く限りなら温厚ながら決断力のある王として有名と聞いているけどどうなんだろうか、と考えて。


「私は、根無し草なので国だとかはあまりわかりませんが。ご恩がある限りは忠を尽くして行きたいと思います」


  時代背景をあまり考えずに答えてしまった。大変まずいと思い撤回しょうとしたが、王様は大きく笑い。


「そうか、そうならばいざという時には頼むぞ!若き根無し草よ」


  蒼く透き通った目でこちらをしっかり見ながら言った。

  胸を撫で下ろし、俺はため息を心の中でついた。この後順調に進み、この式典の最後の〆である杖の下賜が始まろうかとしている時に、兵士が駆け込んできた。


「何だ?式典中だぞ無礼者が!」

  偉そうな役人が怒っていると、兵士が青ざめた様子で。


「緊急です、第2王女様が攫われました!」

  それを聞いた役人が、目を見開き。


「何だと?見張りはどうした!」


  激怒しながら大声で叫んで兵士に向かって言うと、兵士は困惑しながら。

「王女様が途中で走り去り、見失っている間に攫われたそうです」


  非常に困ったと言う顔で、おろおろしながら言っていたのを聞いて、王は役人に対して。

「兵士に伝えろ!検問を敷いて情報を集めろ!」


  王が命令を下すと部下が一斉に、意思確認をして。


「はっ!」


  その一言で散り散りになり、持ち場に戻り始めた。

  そのやり取りを傍目に俺は昼間の出来事を思い出し。


  「あっ!どうしよう?もしかしたらあの女の子が王女様だったのかもしれない、なら色々とヤバイなぁ」


  この場からどう切り抜けようかと考えていると。王様がこちらに対して期待の目で。


  「ご恩がある限り忠を尽くすのなら、今がその時だ。頼んだぞ若き根無し草よ!」


  こちらに釘を刺すように言われてしまった。



  「わかりました、出来る限りの事はしてみます」


あの状態で答えられる最善の返事をしたお陰で兵士を預けてもらったが、どうしょうかと考えていると。兵士の一人がある噂について話してくれた。


「最近、この都市から美女や美少女が攫われていて、他国に売り捌かれてる噂があるんですよ。これが関係しているのかもしれません」

  根も葉もない噂話だが、検証する価値ありと思い、それを元にこの辺には洞窟があるか、物の運搬の形跡があるかを聞きまわった。2日掛けて遂に、大体の目星が付いたので捜索に出ようとした所をある魔導師が口を挟んできた。


「キミはまだ新人だろ?大人しく先輩に任せておきたまえ」


  その魔導師の名前はウィリアム=レギンスと言い、見た目は二十代前半で、そこそこやり手の一級魔導師で貴族出身らしい。


「はぁ、わかりました」


  内心大丈夫だろうかと思い返事をして情報を提供した途端に、直轄の部下を引き連れて探しに行ったが。罠に引っかかってしまって直轄の部下が半分死んだところで、ウィリアム氏からが俺がいる官舎まで来て。


「今回の手柄はキミに譲るよ」


  服がボロボロで頰がこけた状態で後の仕事を頼むと言われた。

  この人のせいで2日損をしたが、いい情報は手に入ったしまぁ、どうにかなるだろうと思いながら。兵士に自分一人で行くと伝えて一人で南東にある洞窟へ向かった。

 

終わりまで読んでいただきありがとうございます。ここからやっと戦闘シーンが入るので、楽しみにお待ちください。

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