ガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーーその④
これまでのあらすじ
ゼフィーと一緒に任務を遂行していた太一、そこでゼフィーは復讐の為に革命をする事を知る。それを知って、協力する事を誓った太一。
任務から帰ると今度は大規模の反攻作戦がある事を知らされ、その村に二人で派遣される事になった。
「それで、此処で良いのか?村の場所は」
「あぁ、そうだ。此処がガルバニアで1番大きい穀物地帯の中でも1番大きな村、ナルンシーだ」
村へと辿り着いた俺とゼフィーは、まず小麦畑の大きさに驚いた。
「スゲェなぁ、こんなに黄金色に輝く畑なんて見た事ないぜ」
「まぁこの国は三大国の中で1番農産物の生産が多いしな。特にここの地域がこの国でも屈指の生産地で、ここを抑えれば革命も楽になるのも当然だからな」
「問題があるとすれば、ここには貴族の私兵が駐屯しているから。迂闊に手を出せないのが困ったところだ」
村にある市場を通り抜けながら、何人かの兵士を見て、そう呟くと。
道端で兵士達に、リンチを受けている子供がいた。
「ーーーーッッ!」
その光景を見て、反射的に刀を一瞬手にかけたが、ゼフィーが止めてきた。
「今あいつらを切った所で何の解決にもならない。作戦決行を待つしかないんだ」
「……あぁ、わかったよ」
俺は血が上った頭を叩きながら、仕方なくそれを見過ごす事しか出来なかった。
その後、村を一日中歩き回って既に取ってあった宿に泊まり。少し自分達の術や魔法について話す事にした。
「俺は、魔法とは別系統の内丹術と言う術が使える。まだ分からない事が多くて、どの位まで術が使いこなせてるかはわからない。ゼフィー、あんたはどんな魔法が使えるのか?」
「俺は主に、火と水かな。あと切り札の第五があるが、今は明かせない」
「何故だ?どうして明かせないのか?」
信頼されてないのかと思い、俺の能力を少し見せようと思ったが。ゼフィーは苦笑しながら手を振りながら。
「俺の第五は最悪制御をしくじったら、この地方の地図を書き換えなければいけなくなるぐらいヤバいから、おいそれと使えないんだよな。すまない」
申し訳なさそうな顔で謝られたが。俺はそれよりも、四国の3分の1と同サイズはあるであろうこの地域の地形を変えることができる魔法があるという事実に、恐怖しながらその対策を練っていた。
「俺の術も全力でそのくらいしか出来ないから頼むぞ」
話が終わって。俺は、新たな術を編みだそうかと思いながら眠った。
ーーーー次の日
俺たちは夕方に、手紙に書いてあった指定されている場所へと向かった。
そこは一見ただの小屋にしか見えず、場所を間違えたのかと思い。
「オイオイ、何かの冷やかしじゃ無いよな。本当にこれだったら、革命とか絶望的だぜ」
ゼフィーが悪態をつきながら、小屋に入ると。
「なんじゃこりゃあぁぁぁ!!」
大声を出して驚いていたので、中に入ってみると。そこは立派な内装がしてある大部屋になっていた。
「あら、いらっしゃい。貴方達が『解放軍』が派遣した兵士ね」
奥から歩いてきたのは、茶髪で髪の長い女の子だった。見た目高校生くらいの女の子はローブを着ていて、手には杖を握っていた。
「驚いたでしょ、この部屋は私の魔法で作られているの。すごいでしょ」
自慢げな顔で話していると。その後ろから、ハンサムな男が歩いてきた。男は、こちらに対して。
「ようこそおいでくださいました。私は、革命組織 赤い聖人のリーダーを務めている、エルネスト・アレハンドロ・ゲルラ・ルスだ。ゲルラと呼んでほしい」
自己紹介と挨拶をして、こちらに手を差し伸ばしてきた。俺も手を差し伸ばして。
「宜しくお願いします、ゲルラさん。
私の名前は物部太一、そして隣にいるのはーー」
「ゼーフィス・デュフォンです。以後お見知り置きを」
ゼフィーも挨拶をして、共にゲルラさんと握手をした。
「挨拶も済んだ所で、さあこれからの話をしよう。ジェルメーヌ、机と椅子を出したまえ」
にこやかだった顔が変わり。真剣な顔で話を切り出してきた。
「さぁ、座ってくれ。私達は決行日に向けて下準備をしようとしている。だが、我々の組織の人数は僅か25人しかいない。しかもそのほとんどが農民に毛が生えた程度にしか戦闘訓練をさせていなくて戦力としては問題外だ。だから君たちにある任務を頼みたい」
ゲルラは懐から地図を出しながら、広げて説明し始めた。
「この地図に載っている星が付いている所で、今から渡す物を設置してくれ。しかし条件がある。夜に実行してくれ、昼だと兵士がいてバレるからな。兵士の見回りを避けながら任務を遂行しろ。期限は三日間、頼んだぞ」
サバ缶位のサイズの物体を渡されたので、これは何かと尋ねたら。
「これは、マジックアイテムの〈ハルーシネイションプロジェクター〉だ。これを設置している範囲に強力な幻覚を投影して、足並みが崩れてる所を襲撃して。貴族を人質に取るんだ」
作戦の意図を理解して。地図を見ながら、作戦を練っていると。
「よかったらこの娘も連れて行ってくれないかな。私が一から育てた魔導師だ、きっと力になれると思うよ」
ゲルラさんはそう言って、ジェルメーヌと呼ばれていた、女の子を前に出した。
「私はジェルメーヌ・メイヤーという名前です、短い間ですけどよろしくね。若き革命家のお兄さん達」
ジェルメーヌと呼ばれていた女の子が、挨拶をしてきた。
これが後に、旅の仲間になる彼女との出会いだった。
頑張って行くので、応援よろしくお願いします。




