プロローグーー全ての始まりーー
この小説を開いてくださった方には本当に感無量です。つまらないかもしれませんが、楽しみながら書くので。読者の皆様も楽しみながら読んでいただけたら幸いです。
もし君が神にも届きうる力を手にしたら何に使う?その後の人生を楽して過ごす?それとも、ハーレムと作って異性に囲まれて過ごす?俺はその決断はできなかった。何故って……それはその力は○○○○でもあったからだよ。
「ふう、家に帰るか」
俺はそう言って家へ帰り始めた。陸上の練習を終わらせて、スパイクの片付けが終わり帰る準備をしていた時に、先輩が俺を引き止めてハードルの片付けを頼んできたからだ。
「お陰で本屋に行く時間が減ってしまった。けっ、あの先輩いっつも片付けサボって俺に押し付けてくるけど、奢ってくれるだけまだましか」
そう呟いた後、走って本屋まで行った。
「よし、本が買えたな」
本屋で本を探すのに時間をかけ過ぎて既に夜は更け、時刻は21:30を示していた。
二年生の期末が近い為家に帰ってから、勉強をする為に走って家に向かった。
家まではもう少しで着く所まで来たので鍵を探していると、何か強い目眩を感じその場に倒れてしまった。
「……うん?何だここ?」
何か青臭い匂いがして、起き上がるとそこは緑一面の森だった。
静寂に包まれていて月明かりらしき物が差し込み、辺りにはそれ以外の光源がない、まるでファンタジー小説の世界の森そのものだった。
そこで、俺は取り敢えず身につけていた腕時計に付いているライトで辺り一面を照らした。
「カサッ…カサカサッ……」
何か物音がしてその方向に光を向けると、何か黒い影と赤い光が浮かんでいた。
「ーーーーガゥゥルルル!」
それは、狼だった。狼はこちらを標的にすると、仲間を呼ぶ為に雄叫びを上げた。
それを聞き、俺は心底恐怖して。
「うぎゃぁぁぁぁぁ!!! 」
青ざめた顔で叫んだ後に、走馬灯らしき物を見ながらと呆然としてしまった。
秒にして10秒足らずにして、あっという間に狼に囲まれてしまった。
逃げる気すら失せて死の定めを受け入れようとしている時に、何かの声が聞こえた。
「陰陽煉気化神法!」
その声がした時に白黒したナニカが狼達を飲み込み存在を消した。
「おい、ガキンチョ大丈夫か」
嗄れた声がして後ろを振り返ると、初老の男が呆れた顔で立っていた。
「この時期、しかも夜に森に入るとはとんだ馬鹿か自殺する奴しかいないわい。見かけない服だがお主は何処の人間じゃ?」
俺は驚いて、飛び上がりそうだったが。腰が抜けて立ち上がれなかったので。
「ほれ、情け無いガキンチョじゃのう」
男が片手で立たせてくれた。
その後、その男の家へと連れて行かせてもらい事細かに自分の境遇とその証拠として、持っていたスマホなどを見せて説明した。
「なるほど、お主はこの世界の人間では無
く、別の世界の住人であるとゆうことか。これは珍しい人間だな」
男はそう言って興味深く教科書やスマホをいじっていた。
ぶっちゃけ、俺自身はこれからどうすれば良いのかで頭の中がいっぱいだった。
呆然としていると、男は。
「行く宛ての無いならここで修行でもして行かないか。この世界では色々な危険がある、魔法や魔物などもあって大変だ、それなら儂が教える術を覚えてから帰る準備をしてもいいのでは無いのかな?」
男はこちらに顔を向けてそう言ってきた。
さっさと家に帰りたいという気持ちもあったが、焦った所でどうしようもないので修行をすると言った。そう言うと男はにこやかな笑顔で。
「おお、そうか。それならこれからは儂の事を師匠と呼びたまえ。宜しくな、我が弟子よ」
喜びながら服と刀らしき物をくれた。服の名前は乾道と言い、刀は柳葉刀と言うらしい。
取り敢えず服を着て帯刀すると、何となく懐かしい感じがした。それを見ると師匠は。
「良く似合ってるじゃないか。これならば一流の内丹術使いになれるぞ」
こちらを見ながら嬉しそうに興奮していた。
俺はこれからの事を考えながら改めて礼をしようと思い。
「改めて師匠、これからの修行を誠心誠意頑張りますのでご指導の方を宜しくお願いします」
誠心誠意を込めて言った。それを聞くと、にこやかに
「宜しい、それなら明日からビシバシ鍛えるから頑張れよ」
菩薩の様な顔をしながら言って、師匠は背中を叩いた。
まさか自分でもこれが全ての運命を変えるとは思っても見なかった……
それから2年間に渡っての修行があった。
「まずは、築基からじゃ。まず集中力を磨くのじゃ」
「丹田に力を込めて全身に行気させるのじゃ。そうすれば、活力に満ち溢れていき、身体能力か向上するぞい」
「あと少しじゃ、あと少しで大周天まで辿りつくぞ。頑張るのじゃ」
修行はどれもキツく、クタクタになったが、持ち前の体力で何とかなった。
2年後のある日、師匠と一緒にご飯を食べていると、ある事を言い出した。
「太一、これから旅に行ってこい。術の大体は教えたから、後はお前自身が応用して習得するのじゃ。何、心配するでない、きちんと旅をする為の道具などは揃えてある」
何故か突拍子も無くいきなり言い出し、びっくりさせられた。しかし、自分でもこの世界の事をあまり知らなかったので旅をする事にした。
ーーそして出発の日ーー
「それでは、行ってきます師匠。世界を知って内丹術も極めてきます、そして自分の世界への帰るための鍵を手にするために頑張ります」
そう言って出発しようとすると。師匠が慌てて、こちらを止めてきた。
「あっ、済まん。渡していないものがあった、ちょっと待っててくれ」
あたふたしながら言い出し、家に入り五分ほど、物を探すと。慌てて二つの物を渡してきた。
「この手紙は、最初に着くであろうアルヘーンの役所に出せば良い。この御守りは儂の作った護符だから大切に持っておくのじゃぞ」
真面目な顔で、手紙と両方に剣のグリップみたいなのが付いた道具を渡してくれた。
「それでは、行ってきます。御指導ありがとうございました、頑張ってきます」
「ああ、太一よ。儂の一番弟子として、頑張ってくるのじゃぞ」
別れを惜しむやり取りをして俺は遂に、未知の領域へと進む。未だ見ぬ物を見て、そして探究し、自分の世界への帰還を目指して……
俺はその時気付いていなかった。
託された力が神をも超え悪魔すら滅ぼす物と……
読み切っていただき有難う御座います。
度々間違えてる場所も多く皆様の目を汚す所とあったかもしれませんが、これから精進していくのでご期待と温かい目で見守ってくれたら幸いです。