表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/21

幕間(1)

「さっきの報告は本当かね?」

「はい、副院長。間違いはありません」

「ふむ、そうか……。よし、下がっていいぞ」

「はっ、失礼いたします」


 教頭は私にお辞儀をすると部屋から出ていく。私は彼が完全に部屋から出たのを確認すると、先ほど受け取った今回の騒動をまとめた報告書をもう一度確認した。

 学院近辺に突然現れた強力な魔物、報告書によると子鬼が巨大化したような姿だったようだが、それは実に妙な話であった。

 授業や依頼などで生徒たちにこの辺りの強い魔物を掃除してもらっている。そのため、本来ならばそのような予兆のある強い魔物は倒され、『変異』などどいう事態にはならなかった筈だからだ。

 ……そういえば、少し前も。

 私は実地訓練を担当しているディーン講師の報告……というなの自慢を思い出した。ある班の生徒たちが授業中にとても見事な牙を取ってきてくれた、と。

 その時は流してしまったが、よく考えればそれも異変の一つのように感じる。ならば一度、学院周りの調査を徹底的にするべきだと私は考えた。特にその、子鬼の住処だった洞窟は早急に調査する必要があるだろう。

 まぁ、それとは別に、だ。

 私は報告書を捲り、目的のページを見つける。


「1学年の身で単独討伐とはな……くくく」


 魔物の第一発見者は生徒、しかもまだまだヒヨっ子の新入生たち。そんな彼らの一人が倒したという情報は、私を大いに楽しませた。

 私はひとしきり笑ったあと、報告書を机に置いて外を見る。

 窓から覗く世界は、ちょうど日が暮れ、橙色の空が広がっていた。


「更なる成長が楽しみだ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ