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10分で学ぶ小説の書き方  作者: ネギモバ
12/18

三人称小説 12ページ



【三人称の例1ページ】



銀行のATMから漆黒のハイブリッドカーが路面とタイヤの摩擦音だけを残し、慣れたヤスオのハンドルさばきは車体を自宅へと滑らせた。



これから温泉に向かうはず故に、助手席のミチコは、夫に怪訝な表情を向ける。



「あなた、どうしたの?」



「腹を壊したようだ」



ミチコは何かを閃くと、ダッシュボードをポンと叩き、運転手のヤスオにつぶやく。



「くじ引き温泉旅行とかけまして」



「整いました」



ミチコは早い! と思い目を輝かせる。



「その心は?」



「昼に食ったカレーと温泉ペア旅行、どちらも“あたり”ました! トホホホ~……」



「良くも悪くも引き強いわね」



ヤスオは引き強い顔を、引きつった表情でミチコに向ける。



「笑えねェよ……」



「うちで激辛カレーに人生賭けてるのはあなただけだから、どうせ舌が麻痺してることだし、棚の奥から出てきた伝説のルーをあなたの分だけ別鍋で作ったの」



ヤスオの思考には伝説という言葉が引っかかった。



「伝説のルーってどういう意味だ?」



「賞味期限が1996年で今年は2012年だから、娘のユリと同い年! 16年物よ! ワインみたいね」



「じゅ……16年。殺す気かァ! 」



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