スルーパス
肩透かしって言葉がある。
エリックの顔パス(御曹司…っ!!)で中に入らせてもらったけど、人気俳優さん私の中のでは中の上くらいだった。
ビカビカ中耽美さがない、キラキラする爽やかさもない。
老成したダンディズムもない。(←ここ大事
30位で若くもないし普通のイケメン
劇もせめて劇団向日葵やジャニーズ系位はでな動きがあれば楽しめたけど、昼ドラみたいなドロドロ系の劇ってありかいな?
芸術さもありなん。
この俳優さんジュチ・シーダーだったか、ボタ・バラとかドロドロ系やNTRは好きじゃないから、このイケメンの良さは私には理解できんかな。
しかも、普段は石造りの舞台上で、堅い靴履いてやるから、高級木製の壇上での劇中はみんな裸足にした意味分からん。
床傷つけ無いために招待した側に超配慮されちゃってんでしょ!柔らかい靴くらい学園で支度してやれよ。
「…アティ」
ぼんやりと舞台を眺めていたらエリックに服の袖を引かれた。
「エリックどうかした?」
「アティ、私には何が面白いのかよくわからない…」
エリック本気の困り顔。
ファミ(爆)やりたくて、お母さんの見てる昼ドラ終了待機中の子供が、一緒に昼ドラ見せられてる的な感じでしょうか?
「大丈夫私にも分からないから…」
オカンとかなら大好物でしょうけど、この劇団って一般受けはあんまよくない内容なんじゃないか?
客席女だらけだし、連れ添いの男の人が顔青くしてるのが笑えるが、修羅場になんか嫌な記憶でもあるんでしょうか。
とにかく、コレ好きじゃない。エリックなんか、なんか目を白黒させながら見てるんだもの。
このままじゃ、エリックが女性不信になっちゃいそうよ?
「外に出たい」
「…OKブラザー」
私たちは人目を避け、入口の見張り番に“トイレです多分戻りません”と告げて静かに退出した。
理解できない物見続けないといけない事ほどの苦痛はないと思う。
▼
「んじゃ、これからどうしようかね?」
空いていた一年の“喫茶店”に入り、お茶請けにクッキーとエリックは紅茶、私はコーヒー(In角砂糖六個)を頼んだ。
でも、メニューにワインがあるのは何でだ。
まぁ、一年のクラスを選んだのはエリックに年代の近そうな子達がいるだろうとふんでの事なんだが、それでも15才くらいまでしかいないね。
しかし、女なら少しくらいエリックとお近づきになりたくなりそうなもんだと思うのに、エリックに誰も寄って来ないのはなんでだよ?
因みに、対した貴族がいないので、間違いなく今の学園のカーストのトップだと思います。
しかし、やたらホイホイ図書館に来ると思ってたら自分で転移とかエリックは天才過ぎませんかね。
まさに、“血”なんだろうな…。
しかし、劇をやってるせいか客少ないですね。
よし、今からはエリックに声かけたそうにする女の子探して歩こうか。
エリックの学園生活に華を!




