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保護レンコー


この世に、真に賞金稼ぎを生業にしている人間ほど無法な存在はない。


冒険者、傭兵も粗暴な者はいるが、組織や人のルールは守る。守らなければ罰せられ明確な縛りの元生きている。

だが、賞金稼ぎ(バウンサー)だけは何一つルールがない。


いかな悪人や犯罪者でも、戸籍すらなくてもバウンサーだけはなれる。


人・生き物あるいは首を然るべき所へ持ち込んだ瞬間、その人はバウンサーである。


公にされる事はないが、例え三才児でもバウンサーにはなれるのだ。

縛りが無い故に、世間に決して職業として認められない。それがバウンサーであり、日本でいうアルバイト・ちんぴら・フリーターくらいの扱いである。


夜中仕事をしていてもフラフラ出歩いている姿だけを見咎められ、悪い噂ばかりが先走る偏見の根深い生業である。


そうした中、大公国のバウンサーの仕事のほとんどが軍の依頼である。


手違いですら認められず、あったとしても決して面にでず闇に葬られるだけだ。


そんな大公国のバウンサーだが、返り討ちにされた場合には人権を主張していいらしい。





唐突ですが、オレの時代到来です。


神は半裸で生まれ、人は全裸でうまれよと、図書館の来場者が連日十名を超えると言う奇跡の賑わい。

、天上の半裸の権威は失墜し、大地には天罰も神意もない。

人が半裸に成り代わる時代がきたのだ。


神より授かりし知恵の実に、人はイチジクを手に入れた。だがこれより先は与えられたイチジクを捨て、しがらみのないうまれたままの全き姿、全裸になる時が来たのだ。



―暇です。


来場者は増えたけど、受付カウンターに誰も来ないから暇で仕方がない。


あれです、自由に動けないだけつらたん。


仕事が出来た筈なのに逆に座りっぱなしになるだけで暇になる不具合なう。


警備隊員も室内にいますけど、来場者はみんなバウンサーらしいんですよね。


旅人とか冒険もいますが、買い物袋下げたおばさんまでいます。


それらの変装は、都会の図書館ならありふれたものなんでしょうが、閑古鳥の鳴き叫ぶ図書館では通用しません。

ちなみに、一通り事情聴取された後で、無害だそうです。


仕事早いです。


日本の警察みたいに、拒否されたくらいでまごつくような者はいません。


なれた風に適当な理由で何人か連れて行かれた所で、私は同僚も信用できなくなりました。


所詮縦社会では、下は上に倣い上が黒を白と言えば白、白を黒と言ったら黒と言うしかないのですね。


だからこそ言わせていただきたいです。


「テメェら!探し人が少年なのによくここにたどり着いたなっ!?」


私の魂の叫びが図書館にこだました。


突然の大声に肩を震わす者や、顔を背ける者反応は様々ですが、ビックリしてる人間がいませんでした。


「よし、上等だ。いまから全員表出やがれ!!」


ついでに時刻は4時をまわった所で、…平たく言えば閉館の時間。


言い回しはおかしいけど、追い出して閉館したいだけだったりします。


―あ、買い物袋のオバチャンがつれてかれた…。

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