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休日ってなんだっけ?

「今日は何しよっかな…」


私は、図書館の一階にある守衛室で目を覚ます。


西日日陰の格子窓付きの安心安全管理人室でもあります。


管理人、つまり唯一無二の図書館の職員にして館長の事実上の自室です。


この部屋の壁にはスイッチ群があり、そこで全ての鍵を掛けれるし、マスターキーを首に掛けて図書館を出れば誰も入館できないシステムらしい。


だが、マスターキーに類する物は4つあり、その中でこれの権限は一番下らしい。


―ヤツは四天王の中で最弱。


実際開かない扉もいくつかある。それは、危険物が保管されてるかららしく、館長の鍵では開けれなければ盗まれる心配もないだろうけど、そんな危険な物を図書館で保管するなって話だ。


そんな訳で、出掛けるのも割と自由に出来る。


ただ困った事に、出掛ける場所がない。


生活に必要な物はある。

数件回ったとしても特に変わった買い物はでくないし商店街は目の前で時間はかからない。


「なんかありましたかね?」


オッサン答えてよ。


記憶を思い出せば暇な時間は借金してでもパチンコスロット。

馬や博打じゃないと言い訳しながらパチンコスロット。


彼女なし暦38年、童貞はプロに捧げ所要時間五分。



「思い返せば思い返すほど、ロクな人生じゃねぇな?」


せめて過労死したリーマンくらいの苦労していたら、人生明るかったと思うんだ。


こんな前世じゃ「私転生者なんだ」なんて、相談もヘタに出来ないわ。


「一人で遊べる物とか楽しい事があったかな?」


読書かな?



ムラムラする本の棚を避け、読み手はいないが、中には色エロある恋愛小説の棚を徘徊。


微エロも取り揃えております。

―エロは読み飛ばすけど。


てか、ホントにエロ小説って、まともな小説より割とストーリーが好みなの多いのよ。


エッチ描写に入らなければ百点満点なんだけど、所詮はエロ目的だからすぐにクチュペロ致すのが嫌い。


でも、脳内保管で18禁規制かければなんとか楽しめる。


「館長が此方にいるとは珍しいですね」


「私もたまにはこちらで読ませて貰おうかと思いまして」


空いていた日陰のテーブルに座ると木のコップを手に店員さんが近づいてきた。


「そうですか、これはサービスですごゆっくり。」


「ありがとうございます」


珈琲ショップの青年店員さん(レオン22才)から、コーヒーが差し出された。


セブンコーヒーくらいの感覚で飲めるので、ちょくちょく買いに来てます。


たまにサービスして貰えるので、年甲斐もなくお兄さんにドキドキしちゃいますよ。


現状17くらいプラス38っすから、ごぢゅう…解ふん解ふん。

楽しみは老後に取って置きましょう。


「…ふう、糊付け完了」

これにより、エロページは固く閉ざされ健全な小説になった。チューブ糊を手放し読書開始。

※ひょっとして袋綴じ文化の確率。

如何にすれば悟られずに袋綴じの中を確認出来るかの議論が中庭で度々白熱し中庭は静かに盛り上がる事になる。


そう、引退したあらゆる分野のエキスパート達により、極めて紳士的に静かに議論された。


袋綴じは破らず下から覗くべしと内々に結論づけられ、歯科医師の使う鏡付きの棒ににた物が開発され、その後は姑の埃チェックや歯科医療、果ては覗きに致まで幅広く活用されてゆく事となるのだが、今はまだ先の話。


パラパラ読みでもって数冊読破。


「ふぅっ、探偵シリーズは三割がエロっと…」


閑憂マダムと、マドンナがいる話は所謂鉄板だった。


固くするにも関係になるのが早くて探偵である意味がなかった気もするが、大人向けは性的描写が少なくて安心して読めるね。


ファンタジー系はラッキースケベの微エロで、自伝系はたいがいハーレムエンドだった。


にしても、恋愛小説のほうが堪能小説より内容的にエグいのはなんでですかね。

気を抜くといきなり濡れ場になたり、女性作家さんのほうが過激な描写多いのねー。


探偵物は学者さんとかも混じってるから真面目なのかね。

まあ、学会に行った時にエロ本で有名とかあっちゃならんから控えてるんでしょうけど。


因みに、内容的に精神が腐ってゆく本もあったので後日人知れずお炊き上げする予定です。


最近植えられたバラが育つ前に、バラ園だなんて呼ばれたくありませんから当然の処置です。

ただ、この時代はキャラクター紹介が文字だけで挿し絵がほとんどないのが腹立ちますね。


私みたいな人間には、キャラクター紹介ないとのめり込めないですし、可愛い絵とか無いみたいで劇画調の挿し絵だけだからエロスなシーンが暗くてキモいだけです。


そんなだから余計半端に感じて認められないのですよ。


オッサンは、可愛い系マンガのエロ本読んでました。

写真集とかありませんでしたし、二次オンリーだった様ですが、女性週刊誌のマンガはエロ本と言うより描写や女性の体格が崩れていた気がして気色悪く感じていましたね。


卑猥に聞こえる言葉で今日の作業は締めくくりましょうか。


―ナニタチヌ。


アデュー。


私はコーヒー屋の青年に声をかけながら立ち去るのです。


「コーヒーありがとうございました」


「いえいえ、どういたしまして。ずいぶん長いこと考えらっしゃいましたが、そんなに難しい本だったのですか?」


「保管方法と選別に気を取られていただけで内容としてはとても読みやすかったのですよ」


「そうですか、私も後で読んでみたいのでタイトルを教えて貰えますか」


そうですか、あまり期待しない方がいいと思いますよ?


「タイトルは“インポリアン1”恋人が不治の病にかかり女性冒険者と共に薬を求め西へ東へ奔走する医学的にも珍しい貴重な内容の本です。これはもう医学に分類しようかと思いまして」


「…はは、そうでしたか。ありがとうございます」


乾いた笑いを浮かべながら礼を言う店員さん。いま軽く後悔しませんでしたか?


1と言うからには次刊もあるわけで続編探しておきましょう。


優雅な1日

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