魔法訓練
長らく休んでいましたが、連載していた「最強教師は最低のクズ野郎」が一部完結しましたので、また連載を再開しました。
少しずつ更新していくつもりですので、よろしくお願いします
スティンたちは三時間ほど休まずに魔法の訓練を始めた。
といっても訓練の内容はそれぞれ違う。
べベルは老人が持ってくたくれた土をいじっていた。
まずは魔力の通し方だ。
それぞれの属性の元となる自然元素に触れてそれに魔力を通すのが一番手軽だという。
そういう意味ではべベルは土属性でよかったと思う。
「これ、火とか雷属性だったらどうしたんだろう?」
まさか、火に手を突っ込むのだろうか?
いや、火はまだなんとか用意はできる。雷はどうするのだろうか?
これに老人はこう答えた。
「雷はな、いわゆる上級魔法と言われておる。一昔前は他の属性を極めた人間が、手を出していたんじゃがな」
「二つの属性を扱うってことができるんですか?」
「不可能ではない。ミレイちゃんの例を出すが、本来の自分の属性以外の属性を極めることは困難であるが、覚えること自体はできるのでな。魔力のキャパシティーが多い人間が手を出していたのじゃが、今は魔道具があるでな」
「ああ、あれに魔力を蓄えるんですね?」
「そうじゃ。雷の魔力を蓄えておく魔道具が開発された。本来であれば軽い電流を流して腰痛や肩こりに役立てるために開発されたものじゃが、魔法の訓練にもつかえるようになったんじゃ。今ではいきなり魔力属性が雷だと判明しても、魔道具を使って修行をすることができるぞい」
「なるほど」
「ちなみに火は別に直接手を突っ込む必要はないぞい。近くにあれば、火にあたって温まる程度の距離でいいんじゃ。まあ、べベル君は土属性なのは幸いだぞい。やっぱり直接触るのが一番効果があるでな。水と土が初心者に優しい魔属特性であることは間違いない」
そういわれるとべベルは少し安心した。
自分はスティンのような特殊性もリリーの様な才能もない。
これで呑み込みが難しい魔法を習おうとしたらおいて行かれる一方である。