師匠と呼ばれて 第八話
今、何とおっしゃいましたかね?
いまいちよく聞こえませんでしたのでとりあえず聞き流すことに・・・するはずがないでしょ。
えっ、今僕のあの変態的な要望(別段僕は期待していないし、ましてや幼い子のものを見たとしても何ら興奮もしない)に対して、いいですよと答えたのか?
おいおいおい。この子何なんだ。本当にここに住むつもりなのか?
そんなことを考えている間に女の子は、はぁはぁと息を詰まらせながらこう続けた。
「な・・・何なら全部脱ぎましょうか?師匠のためなら私、別に・・・」
どうしてこうなった。どうしてこうなったんだ。僕の自己中心的な考えでこの子を巻き込んでしまったことに関しては、少し反省すべきところがある。しかし、僕は、まさか女の子がここまで言うとは思っていなかったのだ。こればかりは予測することはできなかった。
「う、う・・・嘘だから!忘れて!!」とりあえずこの問題の強制終了にかかる。
「いやです!今ようやく恥ずかしいの通りこして、なんか今なら・・・何でもできますから!」
そういうことじゃないんだよ!気付いておくれよ。
「・・・師匠」女の子が、か細い声でいう。
僕は半ギレの状態で「何?」と強い口調で応対する。半ギレといっても、怒っているわけじゃなくて、頭がオーバーヒートしているせいだ。
「やっぱし、師匠も男の人ですよね」
どういうことだ?
「まぁ、私にできることなら、初めてですけれども、よろしくお願いします」
ちょ、え?ど、どゆこと??
そんな僕の混乱の最中、女の子は自分が来ていた洋服を脱ごうとしていた。
とっさに手が出てしまったよ。僕は洋服を脱ごうとしている女の子の手を止めたんだ。
「いいから。もう、いいから」
僕はそれしか言えなかった。ここで、謝罪の言葉でも出せば自分自身の何らかの恰好が付いたのかもしれないが、今はそこまでの言葉を考える力がなかった。
「えっ・・・」 女の子は小声で「いいのかな?」といいながら、崩れ落ちて座った。
「本当に、ごめんね」ようやく謝罪の言葉が出た。
「別に、師匠がしたいんでしたら、いいんですよ?」さっきとはちがい、ちょっとだけもじもじしながらそう言ってくる。
「こんなことを言うのもあれなんだけれども、別に僕はロリコンじゃないからさ」
「ロリコン?」きょとんとした顔をまた、している。
「うん、ロリコンじゃないから別に君にあれこれしてほしいとは思わないから」
「あの、師匠」
「なに?」
「ロリコンって何ですか?」
ロリコン・・・って何だ。幼い女の子のことが好きで好きでたまらない人のことだよな。
「え・・・っと、ロリコンていうのは幼い女の子が好きでたまらない人のことだよ。君はまぁ、言い方は悪いけれども、幼い女の子だろ?だから僕の範囲の中には入らないんだよ」
「えっ・・・?」今度はびっくりとした顔で僕を見てきた。
「えっ?」僕もびっくりしたのでそう返した。
「いや、別に、私幼くないですよ?」
「大人びるのもいいと思うけれども、まぁ、正直になろうね」ちょっとなだめてみた。
「本当に幼くないですよ!だって私高校生ですよ!」
「えっ!」更なる驚き。この女の子は高校生だった。
女の子の姿はまるで・・・・?あれ、ちょっと待て。僕、何か勘違いをしているぞ、あれ?あれあれあれ・・・・・・?