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少女とゴリラ(仮)  作者: はいむまいむ
第一章 師匠と呼ばれて
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師匠と呼ばれて 第六話

「な、なんでここに・・・?」僕は、動揺を隠しきれずにいた。

まず、第一についてきていたのが強盗ではないこと。刃物を持っている気配はないからね。次にゲームセンターにいた女の子が、僕についてきていたということだ。なぜついてきていたのか・・・。

アレ?まて。今この状況で、ほかの住人の人が帰ってきたら、僕、誘拐犯扱いじゃないか?もし通報されたら、今の現状的に無理矢理ではないにしろ、僕とは到底似ても似つかない女の子がそこにいて、たとえ僕が「僕は誘拐していない!この女の子がついてきただけなんです!!」と言っても「嘘付け、この犯罪者」といわれて、警察の人に連れていかれて、裁判所に行って、実刑を受けて、刑務所に行って、冤罪を反省し、更生する・・・。いやだ、いやだ。なんで僕がそんな目に合わなきゃいけないんだよ。僕はただ、ゲームをやって、女の子がやりたそうに見ていたから、やらしてあげただけじゃないか!むしろ感謝されるべき立場だよ。

だけれども、現状そんなことを言っていても、通報されたらひとたまりもない。

そんなことをぼーっと考えていると、女の子が「聞いてる?」と言ってきた。どうやら、考え事をしている間に、僕の動揺を隠しきれない質問に対して女の子が答えていたようだ。何にも聞いてなかったけど。

「ごめん、ちょっと聞いてなかったよ」正直に言ってみた。

「・・・ちゃんと聞いていてよね」 ごめんなさい。


そして女の子は再度、理由を述べた。

「私がお兄さんについてきた理由は、たった一つ。私がお兄さんのプレイに感動して、お兄さんに弟子入りしようと思ったからです!」


・・・へっ?


「・・・ど、どゆこと?」

「弟子にしてください!」

うん、理解ができない。僕は今、頭の思考回路が停止している。今物事を考える力がなくなっている。弟子にしてくれ?おいおいおい。冗談も面白い・・・冗談なのか?

ここまで来ていて、弟子にしてくれと言っているのだ。それは本当に僕に弟子入りしたいんじゃないのか?いや、だけれども、僕のプレイなんて、ひどいものなのに、それに感動した?どうゆうことなの?わ、訳が分からないよ。それに・・・


「師匠。聞いてますか?」

「・・・・・・し、シショウ」僕が師匠?ダメだよ、だってこの子、女の子じゃん。こんな僕を、師と崇めちゃだめだよ。これを口に出して言わなくちゃ。

「だ、だめだよ。き、君みたいな女の子が僕の弟子だなんてだめだよ」理由は、自分でも良く分からない。だけれども、倫理的に、道徳的にダメだよ。

「だ、ダメですか?」女の子が驚いた顔をしている。

「うん、ダメだよ」ちょっと冷静になれている自分がいる。

すると女の子は涙目になり、「だ、だゃめぇ?」とろれつが回らない、小さな声で僕に聞いてきた。ここまで来ると、かわいいというよりかは、なんか、そう・・・かわいそうになってきた。だけれども、ここは心を鬼しなければ。

「ダメです!」

「しょこをにゃんとか」

「ダメなものはダメです」

「・・・」

まぁ、ここまで言われたら、無言になるだろう。仕方がなしさ。

「・・・ごめんね。本当にごめんね」

「・・・・・・お兄さん。」

「何?」

「もし弟子にしてくれないんだったら」

「だったら?」

「ここで、誘拐された。助けて!って騒ぎますよ?」

「・・・」この子、自分の立場を上位に立たせた。この子、一瞬にして立場を逆転させた。

「どうしますか?」さっきまでの涙目とは打って変わり、にやにやとした目で僕を見つめてくる。

「えっ・・・」動揺してしまうよ。こりゃあ、動揺してしまうよ。

「まぁ、積もる話もありますし、あとは中で話しましょうよ!」

そういうと女の子は、動揺している僕を無視して、僕の部屋の中に入って行ってしまった。


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