37羽
あの後ウサギたんは僕が救急車なりタクシーなりと、病院に向かう準備をさせないためだ! とか何とか言って僕の膝の上で寝始めた。本人的には重りのつもりなのだろうけど、ウサギたんの軽さから言えば重りとしての役目は皆無だ。
だけど、行動させないと言う意味では大いに効果を発揮している。だって、だって……こんなに可愛い顔で僕の膝の上で寝られたら動けないだろうが! 少しでも動いたら起こしちゃうかもしれないし、何よりこのラブリープリチーチャーミングな寝顔を死ぬまで眺めたいくらいだ! 時よ止まれ! 止まれ止まれ止まれぇぇぇぇぇ!
「……はっ!?」
危ない危ない、時をかける僕に成る所だった。無理だけど。
「……」
冷静さを取り戻した状態で改めてウサギたんを眺める僕。正直明日ウサギたんにする事は酷い事だと思うし、もしかしたら嫌われるかもしれないだろう。因みに「もうすでに嫌われているんじゃ……」なんて声は聞こえない。
僕明日の朝ウサギたんを病院に連れていく。それもまだウサギたんが本格的に目が覚めた時間ではなく、まだ眠さと起床の曖昧な時間にこっそりとだ。
それなら今連れて行っても問題ないんじゃないかと考えたけれど、病院側からしてみれば夜間に来たウサギだぞ? それに「この子、ウサギじゃないんです! 喋って、人間の記憶があって! 他にも!」なんて言ってみろ、
すぐさま僕が精神異常患者として入院決定になってしまう。
「……キミは一体なんなんだ……」
最初は子供が全身きぐるみを着てると思った。次は……まぁ僕の妄想。でも家族みんながウサギたんと言葉を交わし、ふれあう事が出来たから違うと判断。本当にキミは一体……。
「んぅ、ぬぁあ……おっちー……」
あっふぉぉっほ、トキメキュン。もう何でもいいや。 (時)
どうも、よく足の親指に化膿止めを塗った坂東巧付ける人、時雨煮です。どうやら爪切りが下手くそなのかも。
言い訳はしません、シリアス路線狙ったけれど僕には無理でした。




