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20羽



「これは歴戦の証だよ、ウサギたんを守るためのほんのちょっとしたキズs――」

「ああ、ウーちゃんに抱き着いて顎蹴られたのよ」

 母えぇぇええ……。もうそういう言い方されたら僕に弁明の余地ないじゃない!

「こんな美人で綺麗な母上様に抱きつかれたら俺も嬉しかったのに、男に抱き着かれてもなんもこねえ」

「えへへ……、母さん美人でしょ? ほんとに出会えてよかったよー」

 父が照れり照れりと赤くなる。なんだよこの茶番は! というか、改めてウサギたんは男の子だったんだね……。奇跡と偶然が重なって、もしかしたら、僕が主人公でウサギたんがかわいいメインヒロインになるかもしれなかったのに。

「あなたったらもう、今日の晩酌はあたしがちゃんとするわね」

「お! 母さんの晩酌久しぶりだなあ」

「今日は焼き鳥とかあなたの好きなものにするわね」

 ふっ、僕は置いてけぼりをくらいやすい体質のようd――

「俺も飲ませてもらっていいかい?」

 ウサギたんはさすがに子どもだからなあ、飲めな――

「君もいける口なのかい?」

 父が意外そうな顔でウサギたんに質問をs――

「ああ! こう見えても若い頃は酒豪と呼ばれたこのおいらでぃ!」

 だーるまさんがこー――

「ウーちゃんお酒強いのねー、父さんも中々に強豪よ?」

 ビビディバビデ――

「ほう! それはぜひ一度お手合わせ願いたいもんだ」

「なら今日は飲み明かそうじゃないかウサギ君」

「おう、父上がそう仰るなら断る理由がねえ!」

「ぼおおおおくううううううううううはあああああああ!?」

「ほら、母さんもう用意しちゃおうよ」

「そうね、そしたらご飯作ってくるわ」

「いってらっしゃいー、楽しみにしてるよ」

「俺も楽しみに待ってるぜ、母上」

 三人(重要)は適当にやり取りをして、母は料理を、父は残りの仕事を終わらせに自室へと向かった。

 横にはウサギたんがやることのなくなった子どもみたいに呆然としている。

「う、ウサギたん?」                       (バ)


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