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始まりの話

少女の非日常。

その日の放課後、美月は一人で帰っていた。

仲良し四人組の美月以外の三人はそれぞれ部活があるので、いつもは美月は一人で帰る。

これが美月の日常。

そのまま商店街を抜けると美月の家のある住宅街に辿り着いた。家に帰って服を着替えると、図書館へ本を返しに行く。

毎週の金曜日に図書館で本を返し新しい本を借りるのが美月の楽しみの一つである。

といっても、読むのは人気作だとか有名な物ばかりで特に美月が好きなジャンルがあるわけではない。

そして今日もいつもと同じように自転車に乗り、家に帰る…。はずだった。


工事現場の前を、通りかかった時に運悪く吹いた強風は、クレーンで持ち上げられた鉄骨を楽々と揺らし、十本ほどの鉄骨は、何も知らない美月の上に降り注いだ。


たまたま見ていた近所のおばぁさんに依ると、確かに血が噴き出したらしいのだ。


人々は一瞬何が起こったか理解出来なかった。だが、目の前で女の子が鉄骨に埋れてしまったのだ。

辺りは悲鳴が木霊した。誰もが、美月の死を疑わなかった。


それ故、美月がケロリとした顔で恥ずかしそうに鉄骨を抜け出た時には歓声が あがった。


彼女は生きていた。

照れくさそうに笑って、鉄骨からひしゃげた自転車を取り出してもらい、さっさとその場を離れた辺り、元気そうなので周りの人も格段心配はしなかった。


さて、美月は次に少し離れた所にある、寂れた神社に向かった。

神主どころか、人っ子一人いない。

そんな神社の神殿を開け、中に入ったのは、彼女の日常では無い。


ここから、彼女の非日常が幕を開けた。


「ねえ!説明して頂戴!」

珍しく声を荒げる美月。

「あぁ、ご主人、お待ちしてましたよ!」

人懐こく話す狐が二匹。

「何で私、生きているの?!」

狐は言う。

「それは…『神様』になったからですよ。」

「正確には、見習い、ですけどね!」

狐は二匹います。

一匹は痩せててケチです。

一匹はちょっとぽっちゃりで人懐こいです。

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