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個体ノ武器  作者: 雅木レキ
【自らの意思は…?:雅木葉矛】
56/82

【恋葉氷舞】031【葉矛】

【個体の武器】

【雅木葉矛】-0-31----《恋葉氷舞》



 僕の目には捉えることすら出来ない。

そんな速度で戦いは進行している。

僕の目の前ではハイレベルな技の応酬が繰り広げられている。

間近で体感しているのに、僕なんかでは一切関与出来ない。

目の前で起こっていることではあるが、それは言わば”別次元”の出来事だ。


凪の剣が、その剣の辿る軌跡が子を描き空を切る。

城ヶ崎はそれを紙一重でかわし、拳を突き出し反撃を試みる。


 僕は今まで以上に蚊帳の外だ。

凪は高速で斬撃、氷に寄る攻撃を繰り出し続けている。

対する城ヶ崎も防戦一方となってはいるが、なんとか致命傷は避けている。



 今の城ヶ崎は全くの丸腰だ。

手刀を(こしら)え剣による攻撃や、凪の打撃を捌いてゆく。

剣に直接手刀を重ねれば彼の手が引き裂かれる。

そこで彼は凪の剣が牙を剥く度にその腹を叩き、軌道を変えて去なしている。

一歩間違えれば大怪我は間逃れない、紙一重での回避だ。

通常ならそれはハイリスクであると言えるのだが、今の城ヶ崎にとってはそれが一番ローリスクな回避方法となっている。



「クソ、クソ!クソォ!!」

 城ヶ崎は攻撃を受けながらひたすら叫んでいた。

凪はそれを冷酷に追いつめて行く。

彼にとって凪の斬撃以上に脅威なのが、この”世界そのもの”だ。

世界は刃を彼に向け、追いつめられた彼を容赦なく引き裂こうとする。

彼が攻撃をかわしきっても、更に彼を追いつめる様に剣が”現れる”。

現れたそれは意思をもっているかの様に彼に切っ先を向け、身を切り裂こうとする。



《氷の世界はキミを殺す》



 剣撃による猛襲の最中、凪が指を鳴らす。

すると彼女の背後の空中に複数の氷の剣が浮かぶ。

瞬間的に空気が凍り付き、剣が作られてゆく。


 先程までとは数が違う。

この空間を埋め尽くさんばかりの圧倒的物量だ。

切っ先を城ヶ崎に向けたまま、それは停滞する。



「……さて、避けきれるかな?」


 剣を大きく振り切って、凪は敵をよろけさせた。

同時に後退する様に飛び退き、城ヶ崎から距離を取る。

彼の近くにいては巻き沿いを喰らうからだ。


「小手調べだ!」

 ……彼女が手を突き出す。

それが合図だ。

剣達は圧倒敵な物量で弾幕を形成し、それ1つひとつが自身の敵に向けて突撃を行った。


「”小手調べ”って程度じゃないだろ……!」

 小さな声でぼやいた後、彼はむしろ自分の方からその弾幕に突っ込んだ。

まず彼は、高速で突っ込んで来る剣の内一本を”掴んだ”。

刃を向けて宙を駆けて来た剣をダイレクトに手に入れたのだ。

やっていることが最早人間ではない!


 彼はそのまま手にした剣で弾幕の突破を試みた。

うなり声を上げながら、自分に当たる剣のみを片っ端から叩き落している。


「お、おかしいだろ……。」


 思わず呟いてしまう。

形成された弾幕の中で城ヶ崎のいる部分にだけ剣が存在しないのだ。

彼が叩き落している故に、彼の周囲だけは安全地帯になっている。

おかしいだろ、あれは……。


 ……だが、彼とて完璧に防ぎきることは出来ない。

必至になって叩き落し続けているが、その足取りが徐々に不安定になる。

どっしりとその場で構えていたのだが、だんだんと足下からふらつき後退し始めている。

流石の城ヶ崎でも、アレを全て撃ち落とすことは出来ない。

技量の限界を超えているのだ。

いや、城ヶ崎の技量、と呼ぶより人間の限界と呼んだ方が相応しいかも。



 ……最後の一本が弾き飛ばされた。

瞬間、彼の手に持っていた剣が砕ける。

彼はその場に膝をつき呼吸を整えようとした。

あの量の剣を息つく暇も無く受けきったのだ。

当然疲労は激しい。


 故に今が凪にとって、良い攻撃の機会になる。

氷で出来た剣を振りかざし、彼に切り掛かる。

対する城ヶ崎はうんざりした様な目付きで凪を睨むと手刀を構え、凪を迎撃する。

だが、手刀を拵えた次の瞬間、一瞬しかめっ面をしたかと思うと左手をだらりとぶら下げる様な格好を取った。

左手は氷の剣を握っていた腕だ。


 注目して見ると、彼の左手の平は凍り付いていた。

皮膚が切れて血がにじんでいる。

あれが、王以外のものがこの世界の武器を使ったことの代償か。

飽くまでこの世界で生成されたものは、全てが凪の味方をする。



 城ヶ崎は凪と右手のみで戦うことになる。

それに対し凪は容赦ない。

斬撃を繰り出しながら浮かぶ剣を操る。

この世界にある全ての武器を自分にとって都合のいい様に操り、絶対の優位を維持する。

剣は凪の思うままに動いている様で、実に都合のいいタイミングで城ヶ崎に降り注ぐ。


……例えば今だ。



 ------凪が力を込めて剣を振り抜く。

その攻撃によって城ヶ崎の方に鈍い切り傷をつけた。

しかし彼女は渾身の力をその一撃に込めたが為に、振り抜いた直後瞬間的に無防備になる。

痛手は負ったが、この瞬間こそ城ヶ崎にとって最大の反撃チャンスであった。


 当然、機を逃す彼ではない。

この機会に反撃しようと彼は試みた------。

しかし、彼の腕を横から飛んで来た剣が引き裂いた。

宙に舞う剣達は凪の隙を帳消しにする。



「……ッ!!クソ!!」

 城ヶ崎が身を引き距離を取ろうとすれば、その先にも剣が降り注ぐ。

凪から離れるのを待っていたかの様に刃は彼を包囲し、突きつけられる。

彼に安息の地は存在しない。


「ッの!!ッあ!!ッんガァ!!」

 なりふりも構っていられない。

城ヶ崎は避けたり受けたりで必至だった。

ただし宙に舞う剣はその半数が幻の様だ。

飛び交う剣の中には中には明らかに当たっているのに傷を与えていない物もある。


 しかし、それでも圧倒的だ。

凪が城ヶ崎を一方的に(なぶ)っている状態だ。

この空間全ての氷は城ヶ崎にその身を突き刺さんとミサイルの様に突進して行く。



「かわせるか……?」

 凪は次の手を打つ。

手の平を空に向けて翳す。

周囲の氷が凪の仕草に共鳴して、輝きを増す。

次の瞬間、城ヶ崎の足下から複数の氷の刃が突き出て、串刺しにしようと襲いかかる。

やはり逃げ場など無い。

アレと接触しなくてすむ立ち位置は存在しない。


 ……だが、恐ろしい事に、彼はそれにも対処する。

”予兆”を見て確実に避けてゆく。

氷の出現の際、確実に何らかの予兆がある。

彼はそれを読み取って先を予知しているのだ。


 予兆、それは例えば地面の氷が競り上がったり、自分の追いつめられている地形から一番攻撃”される”場合に都合の悪い方角を注視したり、凪の様子から判断したり。

そうやって様々なものを見て、判断し、少しでも被弾率を下げている。


 彼に狙いをつけているのは飽くまで凪。

剣は本当に意思があって彼を潰そうと自動的に追尾している……。訳じゃない。

圧倒的優位な状況でも、追いつめる作業をしているものは”人間”だ。

だからいつも最善の一手が行われている訳じゃない。

戦っている相手が”人”だからこそ、城ヶ崎は生き延びられている。



「……避けるといい。……逃げればいい。ボク達はずっとそうしてきた。」

 凪が呟いた。

冷酷な蒼い瞳は城ヶ崎を冷たく見据えている。

逃げ回ることに必至な彼はそれに気がついていない。


「さて、この状況……。」

 城ヶ崎にも”限界”がある。

最早今の彼は余裕をもって逃げ回っている訳ではない。

彼の限界は近かった。

常に動き回り運動し続ける彼には確実に疲れが蓄積している。

凪は無表情の中に、ほんの少しの笑みを浮かべた。

氷の様に冷たい笑みを。


 ------彼女の目的は彼の限度を測り、その力量を越えた過酷な状況を与え------。


キミには(ねぇキミ)如何映るかな(どんな気持ちだい)?」


 ------キャパシティを越えたところで、一気に畳み掛ける……!!


 凪は氷の剣を片手に城ヶ崎の元へ走った。


 上からも下からも、右からも左からも常時氷の剣が襲いかかっている。

そんな状況下で城ヶ崎は必要最低限の事にしか気を使っていられなくなってきている。

凪の様子にも注視していた彼だが、その余裕すら奪われて行く。

故に、凪への注意は全くもって行われていない状態になった。

そりゃ、全方向から致命打になりうる攻撃が降り注いでいるのだ。

注意力もだんだんと下がって来る。

多くに感ける精神的余裕は無くなって来る。


 凪は彼の注意が自分から逸れるのを待っていたのだ。

追いつめて、追いつめて、ただ追いつめて。

1人で完全な”闇討ち”を行ったのだ、彼女は。



 ……瞬間的に飛び交う剣による攻撃が止む。

城ヶ崎はこの時、完全に油断した。

誰だって極限状態から解放された時、一瞬だけでも息をつくものだ。

彼だって例外じゃない。

凪はそこの隙を狙った。

疲労しているというだけではなく、今の城ヶ崎は凪のことを”みていない”。


 凪の太刀筋は聖樹とは違う。

彼女は剣を水平に振り抜いた。

縦に振り抜くのではなく、横に振り抜いたのだ。

その方が回避は難しくなる。

剣という武器の形状、性質上、縦軸より横軸へ行う攻撃の方が有効な範囲が広くなるからだ。



 だが間一髪。

攻撃の当たる直前、城ヶ崎は凪の攻撃に気がつく。

流石にこの距離では避ける事は出来ないはずだ!



 ------この攻撃だが、当たりはした。


 凪が剣を振り抜くその時、咄嗟に城ヶ崎は左腕を突き出した。

氷の刃は容赦なく彼の腕を切り裂く。

全身をざっくりいかれるよりはマシだとでも判断したのだろうか。

動かない左手を盾に、身を守ったのだ。


 刃が氷だったからか。

腕がぶった切れる様なことにはならなかった。

切れ味の鈍い”剣の形をした氷”は城ヶ崎の腕深くに食い込んだが、貫通はしていない。


 ……城ヶ崎の判断能力を見て唖然としてしまう。

とても正気とは思えない。

猶予無し、後無し、疲労困憊の状況に追い込まれて尚、冷静に咄嗟にそんな判断が出来てたまるか!

仮に判断がついたとしても実際実行出来るか、普通!?


「ッ、……!!」

 剣が肌を引き裂いても城ヶ崎は動じない。叫ばない。

血が吹き出て、透き通った氷の刃を赤く染める。

むしろこのことで動揺したのは凪の方だった。

血しぶきを上げ、尚鋭く睨みを効かせる城ヶ崎を目の当たりにし、一瞬躊躇いが出た。

これは城ヶ崎の好機になる。

彼は反撃に転じた。


 剣が食い込んだ左腕を気にする事無く、むしろ”刃が肉に食い込んでいる”状況を利用した。

腕を刃に滑らせる様に”擦り合わせ”剣伝いに凪に接近する。

接近するには一番確実な方法ではあっただろう。

体重を傾けるだけで肉がレールの様に刃とかみ合い滑り、凪の方へ体を運んでくれる。

理屈で言うのは簡単だが、見てる方が目を背けたくなる程痛々しい戦法だ。

”肉を切らせて骨を絶つ”。

その言葉を意味のまま実行した人を見たのは初めてだよ。


 右手の拳は既に握りしめている。

攻撃の準備は整っているのだ。

城ヶ崎は渾身の力を込め、攻撃を放った。



 ------攻撃を返された事に関して、凪は動じなかった。

彼女には分かっていたのだ。

自分には、攻撃は”届かない”事を。


 城ヶ崎の拳はすんでで弾かれた。

見ると城ヶ崎と凪の間に氷の壁が出来ている。

透明度が高すぎて非情に見辛いが、その壁は彼の攻撃が侵攻する事を許さなかった。

世界が”王”を守っている。

城ヶ崎は舌打ちをするが、体勢を立て直すべく一端距離を置いた。


 凪はと言えば、既に先程の動揺を抑えていた。

再び城ヶ崎に攻撃を浴びせようと試みる。


 ------、凪はこの空間を支配し、この氷の世界で舞っている。

長い髪を(なび)かせ、斬撃を繰り出しエモノを追いつめるその姿はまさに”舞っている”と表現するに相応しいのだ。

必至に追いかけている訳じゃない。

流れる様に優雅に戦い、舞い、結果的に敵の逃げ場が失われてゆくのだ。



 戦況は圧倒的ではある。

……ただ、腑に落ちないこともあった。


 そもそも、凪は一日に連続して6本までしか剣を生成出来ないはずだ。

何故こんなに沢山の剣を作ることが出来るんだ?

いくつか幻を混ぜていても、それにしたって既に6本は作っただろう。


 確か翼さんは言っていたはずだ。

『凪は”手の内に氷を作る”』と。

……それが最初から気になっていた。

そして今一番気になることだ。


 凪はこれまでに何度となく氷の剣を作って来た。

思い返せば分かるのだが、彼女はこれまで必ず”自分の手の平に収まる様に”氷を作って来た。

今の彼女はそれすらしない。

何も無い空中に剣を生成し、そしてそれは宙を舞うのだ。

今までの剣は最低でも物理の法則は守って重力の影響は受けていたのだが……。


凪の変化、その全てはこの空間が原因だと考えるのが妥当なのだろうが……。



 再び城ヶ崎と競り合う凪だが、変わらず攻撃には飛び交う剣を使用する。

それは彼女の望むままに氷は宙に現れ浮かび、そして彼女の思う通りの軌跡を描き城ヶ崎()に襲いかかる。

どうなっているんだ?

剣が物理法則を無視して飛んでいるだけで”魔法”そのものじゃないか!


『ウェザードの力は魔法と呼ぶ程に万能ではない。』

翼さんの言っていたコトが頭に過る。

いいや、コレじゃまるっきり”魔法”だ!



「------さて、そろそろCheck(王手)といこうじゃないか。」

 動きを止めた凪は手の平を高く掲げた。

同時に周囲の空気のながれ、雰囲気が一変した。

なんというか、”本気になった”感じがしたのだ。

本気で城ヶ崎に対して敵対する雰囲気が出て来ている。

……彼女が醸し出すそれは、殺気と呼ぶに相応しい気迫だ。


「……い、今までのは遊びだったってか?」

 息を荒げながら城ヶ崎が呟く。

彼もこの雰囲気の変化を感じ取ったのだろう。

その身に纏うダークスーツ共々切り傷だらけで、血でところどころ赤く染まっている。

飛び回る斬撃を丸腰で、その身1つで避け続けているのだ。

あれだけですんでいるだけで凄いことだと思う。

だが、彼は相当辛そうである。


 外野で見ていた僕は興奮していた。

凪のその圧倒的な力に惚れていたのだ。

やっぱり彼女は凄い。

絶対的に力があるんだ!

やっぱり聖樹の痛みは無駄なんかじゃない!


 先程までの沈んだ諦めムードは何処へやら。

僕は、完璧に浮かれていた。



「キミの状態が万全なのは好ましく無い。ある程度動きを制限してからの方がとどめも刺し易い。」


 掲げた手の平に青い光が集まる。

いや、あれは冷気か。手の平でそれは球体の形に身を整えた。

側面、背面、正面、上空。

城ヶ崎の周囲を囲む様に無数の”つらら”が停滞した。

空間を覆い尽くす程の量のつらら全てが、その先端を城ヶ崎に向け”その時”を待つ。


「そして、この世界では時さえ凍てつく……。」

 彼女はパチンと指を鳴らす。

……城ヶ崎の動きが完全に止まった。

足下から彼の体が凍り付き始めたから動くことが出来なくなったのだ。


 それだけじゃない。

彼の周りが蜃気楼の様にゆらゆらとぼやけ始めた。

あそこからは特に冷たい冷気が漂って来る。

彼の周りだけ極端に気温が下がっているんだ。

体からどんどん熱が奪われ、城ヶ崎の動きも悪くなる。


「ま、マジ?か?」

 周囲全ての刃に狙われた当人は苦笑いを浮かべ、ぽつりと呟いた。

彼は檻に閉じ込められ処分を待つ罪人と同等だ。

罪人は氷の世界という閉ざされた檻で身動きさえ取れず、王の降す鉄槌の刃になす術無く刑を言い渡されるのだ。


 僕は悟った。

凪は言い渡すのだ。ある事実を。そして処分を。


彼に言い渡される言葉はただ1つ。



『死ぬのだ』と。



「チェックメイト。」


 凪が指令を降す。

無表情で手の平を、冷気の球体を握り潰した。


 同時に、待っていたんだと言わんばかりにつららの大群が輪の中心に居る物に対して突っ込んで行った。

これも大半が幻なのだろう。

しかしこの中に3割程混じっている本物を見分けて撃ち落とす、もしくは回避することなど人間に出来る訳がない。


 彼が人外的身体能力をもっているのは知っている。

その上で断言出来る。

今の彼では受けきれない。

オマケに彼は足だって動かないのだ。

凪の言う通り”チェックメイト”だ。


「おおおぉぉぉぉ……!!!」

 城ヶ崎の絶叫が寂しく響き、つららの群れが到達した。

激しい轟音とともに冷気が煙の様に彼の周辺を包み込んだ。

全部着弾したのだ。

幻も、実物も。


……これで終わった。



「……コレがボクの全て。……これが、《恋葉(サクラ)氷舞(フブキ)》だ。」

 『恋葉(さくら)氷舞(吹雪)』……。

それがこの空間の名称なのだろう。

彼女は誰に言うでも無く、一言それを呟いた。


 凪は、先程まで彼のいた場所から背を向けた。

彼女はどこまでも冷酷に徹している。

今の凪からはとてもじゃないが、普段僕と喋って、笑って、励ましてくれる少女の印象は受けない。

……戦いが終わった彼女になんて声をかけるべきか。



 ------、その瞬間。

僕が声をかけようか悩んでいた時だ。


 煙の中から何かが凄い勢いで飛んで来た。

それは剣の様な形をしていて、凪に向けて一直線に駆ける------…。


「ん?」

 彼女は異変に気がついた。

だが、ちょっと反応が遅かった。


……高速で飛んで来た物体は、凪の体を貫いた。


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