『友達になってください』東雲凪
※時系列 (旧)ハンター② (新)なるべくして成ったもの
「――私と友達になってください」
キッカケは結乃の唐突な友達になってください宣言だった。
思わず思考が停止し、じっと彼女の顔を見つめてしまう。
「…あの、ダメですか?」
「え、あっ、いや別に大丈夫なんだけど…え?本当にそれでいいの?」
正直、裏が絶対にあるという確信があった。
完全にクラスで浮いた俺に、わざわざ接触するというのは悪目立ちをするだけだから。
いや、どのみち結乃も浮いているほうだから関係ない?
「ふぅ…あの…もしかしてなんだけど、何か裏が――」
そう発言しそうになったところ、部屋の扉から物音がした。
咄嗟に視線をそちらへ向けると、少しだけ開けられた扉からこちらの覗く影が二つ…
「……」
「……」
「……」
興味津々な様子の時雨と舞花と目が合った。
「…彼女だ」
「……お兄…」
そっと閉められる扉。
目の前にいた結乃は、どこか申し訳なさそうにこちらを見ている。
判断は一瞬だった。
「ちょっと、説明してくるな」
結乃にそう言い残し、俺は時雨と舞花を追う。
俺だけならまだしも、結乃に変な勘違いで迷惑はかけれない。
しっかり言い聞かせなければ。
そうして、意味があるかわからない説明をした後、部屋に戻る。
「あ」
「…何を?」
結乃は俺の部屋を散策していた。
明らかに何か調べていたような…
「何――」
「――すいません、自分以外の部屋が新鮮で見て回っていました」
「え?いやでも、明らかに――」
「東雲君、喉が渇きました」
「……」
「……」
本当にこの人と友達という関係を築いていいのか、今一度考え直す必要があるかもしれない…。
まあ、未遂で終わってそうなのが救いか。
…救いか?




