第十六麺A:「麺魔の目覚め、そして再集結」
グルテンの囁き、内面の侵蝕
王都アルデンティーナ――
王城最奥、グルテン教総本殿。
王座に座るヌードル卿の眼差しは、もはや“人”のものではなかった。
燃えるような金色の瞳。脈打つ痣は、もはや呪印のような輝きを放つ。
グルテンの声(内面):「さあ……解き放て、真なる飢えを……
この世界を、混沌のスープへと還すのだ……」
ヌードル卿(心中):「やめろ……まだ、俺は……この意志を……!」
必死に抵抗するヌードル卿の精神世界。
だが、すでにガストロの魂との融合により、グルテン・ネロはその力を拡大しつつあった。
碧き艦隊、再集結へ
一方その頃、オリーバ艦隊が出航した。
ペスカトーレ将軍、ルーチェ、ヴェルデ、そして王妃パスタリアを乗せて。
ルーチェ:「兄を……グルテンを止められるのは、リゾしかいない。
兄が残した“正義”を、私たちが繋がなきゃ」
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一方、トマティア盆地を出たリゾ、ボルチーニ、ジェノベーゼも王都方面へ進軍中。
ジェノベーゼ姫:「グルテンが完全に目覚める前に、対話の機会を……それが最後の希望」
その頃、空が黒く染まりはじめていた。
世界のスープが、泡立ち、膨張し、そして――濁り始めていた。
運命の交錯が、いよいよ迫る。
グルテンの声(内面):「器よ……終わりを恐れるな。
我が名は、飢えと混沌の名……《グルテン・ネロ》――
そなたと共に、この世界を喰らおう……




