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第十四麺B:「翠の森に眠る姫、永遠なる魔法」

緑の霧の森へ


リゾとボルチーニは、各地の古文書と伝承を頼りに、ある「封印の森」へと辿り着く。

その森はどこにも地図に載っておらず、霧が晴れるのは“月と風が交わるとき”だけとされていた。


ボルチーニ:「これが……ジェノベーゼ姫の眠る“ピスト森林域”か。

本当に、こんな場所に生きてる者がいるのか?」


霧の中、リゾは何かに導かれるように奥へ進む。

やがて風が舞い、霧が晴れた先――


そこに立っていたのは、翡翠のドレスを纏い、輝く長髪を持つ若き姫の姿。


翠の策略家との邂逅


???:「ここを訪れる者がいるとは、千年ぶりね。

……あなた、アルデンテの血を引く者ね?」


その瞳はリゾの心の奥まで見透かすようで、どこか懐かしい慈しみすら感じさせた。


リゾ(心の声):「なんだ……この気持ちは……」


言葉が出ない。

ただ、胸の奥に柔らかな熱が灯る。


リゾ:「あなたは……ジェノベーゼ姫……?」


ジェノベーゼ姫:「そうよ。アルデンテと共にこの世界を築いた大魔法使い。

でも、姫なんて呼び名は……おとぎ話の名残ね」


ボルチーニが一歩前に出る。


ボルチーニ:「我らは、ヌードル卿に立ち向かう者。

あなたの知識と力を、貸してほしい」


過去と予言、そして芽吹く想い


ジェノベーゼ姫は、長い静寂の中で封印されながら、世界の乱れを感じていた。


ジェノベーゼ姫:「グルテン・ネロが蘇る――それは、アルデンテが生涯をかけて阻んだ禁忌。

ガストロはそれを成し、ヌードル卿はその“器”として選ばれた」


リゾ:「……兄を止めたい。そのために、俺にできることはありますか?」


ジェノベーゼ姫:「あるわ。ただし……私の知る未来の道は、希望ではなく“犠牲”の上に成る道よ」


リゾはうなずく。


リゾ:「それでも、進みます。……あなたが、導いてくれるなら」


ジェノベーゼの微笑みは、どこか寂しげで、それでもあたたかかった。


リゾの胸に、小さな恋の芽が静かに、でも確かに根を張り始めていた。


翠の風は吹き、旅の針路が定まる


ジェノベーゼ姫:「“風の梢”にある古の祭壇……そこに向かいなさい。

麺神の意志を受け継ぐ者なら、そこで本当の“選択”ができるはず」


リゾとボルチーニは姫に頭を下げ、再び歩み出す。


霧の森の出口で、リゾが小さくつぶやく。


リゾ:「……俺は、あなたのためにも、この世界を守る。きっと、また会いに来ます」



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