表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/29

エピローグ:「干上がるスープ」

――静寂。

それは異変の始まりだった。


パスタリウム大陸の中心、神殿都市ズッパ・セントラーレ。

その最奥にある「生命のスープの泉」が、突如として干上がった。


泉の底に残ったのは、一滴の魔力も持たない“焦げたスープの跡”。

これは千年続いた魔力の循環の、完全な断絶を意味していた。


神殿内、香草の香り漂う大広間に、重い声が響く。


「……生命のスープが干上がるなど、聞いたこともない……」


祭服を纏った老いた男が立ち上がる。

額に刻まれた五芒星の刻印。アルデンテ教、至高の祭司――ガストロ・サヴォーリオである。


「これは……麺神アルデンテの裁きだ。国王ファルファッレが、食の調和を壊した報いだ」


彼の視線の先に、黒きローブの男が立っていた。

その瞳には、煮詰めた怒りと冷めた覚悟が宿る。


「ヌードル卿よ。王を討て。これは神の意志だ――茹ですぎた時代を、茹で直すのだ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ