【第8話】 佐藤VS井上くん
競技【玉入れ】
ルール
・二人対戦。各自持ち玉は30個。
・任意の数を目の前の紙皿にお互い置く。数の多かった方の勝ち。(1度に出せる最大数は10個)
・5回勝負で、3回先に勝った方が勝者。
・玉の数が同じの場合は引き分け。
・5回勝負が終えた時点で、勝敗が引き分けの場合は、残った玉の数が多い方が勝者。
・勝負の際、玉を1つも出せなかった場合は、その時点で負けとなる。
井上くん
(5回勝負で30個。平均だと1勝負あたり6個出せるのか。玉がなくなったら負けだから、最低でも1つは出すことになる)
佐藤
(とすると、5回中3回勝てばいいんだから、1個・1個・9個・9個・10個ってことか。どこでどれを出すかだな)
井上くん
(5回勝負といいつつ、玉の数は限られてるんだから、実質4回目の勝負が終えた時点で玉の数が負けてたら逆転は不可能)
佐藤
(ようするに、如何に玉の数を把握するかってことか)
坂本さん
「2人とも、考え込んでるのは良いけど、そろそろ始めようか、、、」
佐藤
「やろうか、井上」
井上くん
「うん、せーので出そう」
佐藤 井上
「せーのっ」
玉の数
佐藤 1 2 井上くん
佐藤
(!!)
坂本さん
(単純に考えれば、玉の組み合わせは1・1・9・9・10になると思う。佐藤くんはそう考えたんだろう。でも、この勝負のコツは如何に相手の玉を読んで少ない損失で勝てるか。ただのじゃんけんだと思ってた佐藤くんに比べて、井上くんは分かってたみたいだね)
「さぁ、2回戦だ、玉を入れて」
佐藤
(どうする、ここで負けたら相手はリーチ。ここは勝っておくか?いや、3回勝てばいいんだからまだ負けてもチャンスはある。ここはまた1個にして、相手の玉の消費を狙うか?でも、また同じ負け方をしたら玉を消費させることができない)
井上くん
「・・・」
佐藤
(くそ、どうする)
坂本さん
「じゃ、2人ともせーので出してね。せーのっ」
玉の数
佐藤 9 10 井上
佐藤
「マジか!」
井上くん
「やった!」
(ここで勝ちに来るかなと思ったら、本当に来ちゃった!10個も使って良かった!)
坂本さん
「さぁ、3回戦の用意をして」
井上くん
(残りの玉の数は、僕が18個で、佐藤くんが20個。玉は負けてるから慎重にいかないと)
佐藤
(玉は勝ってるんだ。落ち着け。どうする、どうする)
坂本さん
「さぁ、せーのでいくよ」
坂本さん 佐藤 井上くん
「せーのっ」
~5分後~
坂本さん
「はい、ということで井上くんの勝利だね」
~勝敗~
1回戦
佐藤 1 2 井上くん◎
2回戦
佐藤 9 10 井上くん◎
3回戦
◎佐藤 10 1 井上くん
4回戦
佐藤 9 10 井上くん ◎
佐藤
「くそ~完全に読まれたな」
井上くん
「へへ、楽しいねこのゲーム」
坂本さん
「最初の2勝負で差がついたね。井上くんが素晴らしいというしかないよ」
井上くん
「ありがとうございます」
坂本さん
「どうだい、井上くん。俺とも勝負しないかい?」
井上くん
「坂本さんとですか?勝てるかなぁ」
坂本さん
「俺に勝ったら、サークルに入っていいよ、負けたら帰ってもらう」
佐藤
「ちょ、坂本さん!俺の時はそんなのなかったじゃないですか」
坂本さん
「決めるのは俺だよ。さぁ、どうする?」
井上くん
「やります!お願いします」
坂本さん
「じゃ、始めようか」
坂本さんVS井上くん
~競技【玉入れ】開始~