【第6話】 待ち合わせと占い師
井上くん
(あれ?待ち合わせはここで合ってると思うんだけどな。加藤くんいないな)
占い師
「お兄さんちょっと」
井上くん
「はい?僕ですか?」
占い師
「お兄さん、今悩んでますね」
井上くん
「は、はい。悩んでますけど」
占い師
「それはずばり、友達関係のことですよね」
井上くん
「はい!そうです!」
占い師
「友達がいない、そういった悩みでしょう」
井上くん
(す、すごい!何も言ってないのに)
「なんでわかるんですか!」
占い師
「ふふ。私くらいになると聞かなくても分かるのよ。こっち来なさい」
井上くん
「ど、どうすればいいですか?」
占い師
「あなたはどんな友達を望んでいるの?」
井上くん
「背が僕よりちょっと高くて、サッカーをやってて、いつも授業中とか話しかけてくれる人なんです」
占い師
「ずいぶん具体的な友達ね。誰か理想の人がいるの?」
井上くん
「いないんです」
占い師
「ん?じゃあ誰か身近にそういう人がいるってこと?」
井上くん
「だからいるはずなのにいないんですよ!」
占い師
(なんだ、この子。ちょっと変わってる子ね)
「いないのはあなたのせいじゃないわ」
井上くん
「僕も僕のせいではないと思います」
占い師
「そう、あなたを不幸にさせてる守護霊がいるわ」
井上くん
「守護霊?守護霊ってなんですか?」
占い師
「あなたの背中についてあなたを困らせているのよ、今もあなたの後ろにいるわ」
井上くん
「うしろ?」(振り向く)
占い師
「いや、振り向いてもあなたには見えないわ」
(適当に言ってるだけに決まってるだろ。あとは、上手く騙して金を、、、)
井上くん
「あ!いた!」
占い師
「え?!いるの?!」