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自分探しの異世界冒険  作者: バーチ君
新たな大陸で自分発見の旅!
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久しぶりの魔王城

 オレと師匠は王都まで戻り、オークションについての情報収集のため狩人ギルドに向かった。



「師匠が人族の国で生活していた時にもオークションはあったんですか?」


「大陸が違うからかもしれんが、聞いたことがないな。」



 そこにカゲロウがやってきた。



「シン様。エルフの村を見つけました。この国と、アルゼン共和国との国境に広がる深い森の中です。」


「そうか! ありがとう。カゲロウ。」


「シン様のお役に立てて何よりです。ご褒美にデートを・・・・」



 カゲロウは何か言いかけていたが、師匠の顔を見て途中でやめた。



「カゲロウ。今から、師匠とオークションについて調べるんだけど、この国の状況を調べてくれる?」


「わかりました。」


「シン。四天王達にも何か仕事を与えんと、あいつらが不貞腐れるぞ!」


「そうですね。久しぶりに魔王城に戻ってみますか?」


「そうだな。」



 オレと師匠は狩人ギルドに行くのをやめて魔王城まで転移した。すると、いつもは玉座の近くで控えて待っているセフィーロがいなかった。オレと師匠がしばらく謁見の間で待っていると、ハヤトが走ってやってきた。



「やはり魔王様でしたか。」


「ハヤトさん。久しぶりだね。セフィーロさんとミアはどうしたの?」


「セフィーロは神聖エリーヌ教国の世界会議に出ています。ミアは、グランデ商会に行っています。」


「そうか。じゃぁ、全員が揃うまで待っていようかな。」


「魔王様。何かあったんですか?」


「向こうの大陸でいろんな国を回っていたんだけど、向こうの大陸にも古代遺跡があったんだよ。」


「なんと?! 予想はしておりましたが、やはりあったんですね。」


「師匠と古代遺跡を調査して回っているんだけど、どうやらナザルも古代遺跡を探しているようなんだよね。」


「ナザルがですか? 封印されている前管理神と何か関係があるのですかね?」


「わからないんだ。ただ、嫌な予感がするんだよね。」



 ハヤトと話をしているとセフィーロとミアが帰ってきた。



「魔王様。ただ今戻りました。」


「魔王様。ナツ姉様。ただ今だよ!」


「セフィーロさん。世界会議の方は何も問題ないですか?」


「はい。特に大きな問題もありません。」


「魔王様。私には聞いてくれないの?」


「ごめん。ごめん。ミアさんの方は、グランデさんとうまくやってるの?」


「そうね~。最近は、お風呂を全家庭に普及させるように機械を作ってるんだよね。私は魔石を集める係なの。」


「ミアさんは忙しそうだね。」


「どうしたんですか? 2人で突然帰って来て? もしかして、おめでたとかですか?」


「こら! ミア!」



 師匠が真っ赤な顔をしてミアを叱っている。



「さっき、ハヤトさんには言ったんだけど、向こうの大陸にも古代遺跡があって、ナザルが怪しい動きをしてるんだよね。だから、みんなにも協力してもらおうと思ってきたんだけど。」


「魔王様。ごめんなさい。私、魔石集めないといけないから、今回は無理です。」


「大丈夫ですよ。ミアさんがやってくれていることも、この世界には大切なことですから。」


「ところで魔王様。ハヤトと私は何をすればよろしいのでしょうか?」



 ここで、オレはこれまでのことと、現在のナイジェ王国の現状について説明した。



「セフィーロさんにはオークションについて調べて欲しいんだよね。ハヤトさんは人化して、セフィーロさんとこの国の王族や貴族達を調べてくれるかな。」


「畏まりました。魔王様はいかがされますか?」


「オレと師匠は古代遺跡を調べに行くよ。ナザルがいるかもしれないからね。」


「わかりました。では、ナイジェ王国まで共に参りましょう。」



 オレ達4人はナイジェ王国の首都スターゲートまで転移した。そこで、二手に分かれて行動を始めた。



「師匠。マーメイさんのところに行きましょうか。」


「そうだな。だが、古代遺跡が海の中にあるとなると少し厄介だな。」



 オレは師匠とともにマーメイさんのところに向かった。マーメイさんと初めて出会った浜辺に来たが、静まり返って誰もいなかった。そこで、念話でマーメイさんに呼びかけることにした。



『マーメイさん。今、師匠と浜辺にいます。古代遺跡の案内をお願いできますか?』


『シン様ですか? 驚きました。直ぐに向かいます。ちょっと待っていてください。』



 オレは師匠と海を眺めながら浜辺に座って待っていると、海の中から裸体に近い状態のマーメイさんがやってきた。



「久しぶりです。マーメイさん。」


「久しぶりって、まだこの前会ったばかりですよ。シン様。」


 

 オレが挙動不審なのを師匠は素早く感じ取ったようだ。



「マーメイ。その恰好、何とかならんか。シンが困っているだろう。」


「ナツ様。そう言われましても、私達はいつもこんなカッコですから。」


「大丈夫ですから。気にしないでください。マーメイさん。それより、マーメイさんに聞きたいことがあるんだけど。」


「なんでしょうか?」


「マーメイさんは魔族なのに、どうしてリフカ大陸にいないんですか?」


「シン様やナツ様のいた大陸と違って、こちらの魔族は力がすべてなのです。だから、魔王の座を争って長いこと争いが続いているんですよ。それで、私達セイレーンはこちらに避難してきたんです。」


「なら、今は魔王はいないの?」


「はい。魔王を名乗る者はいますが、真の魔王はいませんね。」


「シン。お前が現れるまでは、私達も同じだったんだぞ。」


「えっ?! だって、ブラゴがいましたよね。それにセフィーロさん達もいたじゃないですか?」


「ブラゴは争いが大好きだったからな。魔族は弱肉強食だったんだ。シンだって、トロールの連中のことを覚えているだろう。」


「なんとなくわかります。でも、オレは特別なことは何もしていませんよ。」


「お前の存在が、すでに特別なんだよ。誰もお前に逆らおうとはしないだろうな。それに、お前からは“慈愛”がにじみ出ているからな。その影響もあるだろうな。」



 師匠に説明されても、オレにはセフィーロさんやミア、それにハヤトが弱肉強食に生きてきたとは思えなかった。



「マーメイさん。古代遺跡の調査が終わったら、オレ、リフカ大陸に行くよ。リフカ大陸に行って、魔族の争いをなくしてみせるよ。」


「シン様~。シン様が強いことは承知していますが、リフカ大陸には強者もいますから注意してくださいね。」


「大丈夫さ。オレには師匠も、そして四天王達も、神獣のカゲロウもいるから。」


「シン。ならば、さっさと古代遺跡の調査を終わらせるか。」


「はい。」


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