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自分探しの異世界冒険  作者: バーチ君
魔王?! 精霊王?!オレが?!
33/107

シン=カザリーヌを名乗る

 オレはこれからのことをセフィーロさん達に話をして、すぐにグランデさんのもとに転移した。


 

「シン殿、ナツ殿。遅かったですね。」


「はい。いろいろとありまして。」


「いろいろですか?」



 すると師匠が話し始めた。



「シンが新たな魔王になったんだ。」


「ええ―――――――!」



 グランデさんが立ち上がって驚いている。



「そういうことですので。」


「魔王ですか?」


「大丈夫ですよ。オレはどの種族も差別しませんから。」


「シン殿が魔王になってくれれば、逆に私どもも安心かもしれませんね。」



 師匠が隣でほほ笑んでいる。それから、3人は今後の作戦を相談し始めた。最初に潰すべきはヒナタ公爵一派の貴族達だ。彼らをなんとか一網打尽にしたい。次はカルポネ商会に味方をする商人達の始末だ。そして、最後に奴隷商達だ。



「師匠。何かいい案はありませんか?」


「シン。お前はせっかく魔王になったんだ。魔族の者達の力を借りたらどうだ。」


「例えば?」


「セフィーロはバンパイア族だ。あやつに情報収集をさせる。ミアには貴族どもや商人どもを1か所に集めさせる。ハヤトには奴隷商どもを処分させるとか。」


「さすが師匠ですね。それでいきましょう。」


「では、魔王城に行くのか?」


「はい。」



 オレと師匠はすぐに魔王城に転移した。



「魔王様お帰りなさいませ。」



 ハヤトが出迎えてくれた。



「四天王の皆さんにお願いがありますので、会議室に集まっていただけますか?」


「わかりました。すぐに手配しましょう。」



 ハヤトが足早にその場を立ち去った。オレと師匠は会議室で待つことにした。しばらくして、セフィーロとミアとハヤトがやってきた。



「魔王様。何か御用ですか?」


「3人にお願いがあるんだけど、実はこれからアルベルト王国の大掃除をするんだけど、手伝ってくれるかな?」


「面白そうですね、喜んでお手伝いしますよ。」



 オレは3人にアルベルト王国の現状について説明した。そしてこれから大々的に改革を行うことを話した。



「私は何をすればよろしいですかな?」


「セフィーロさんには相手方の情報収集をして欲しいんです。」


「ならば早速にも眷属達に調べさせましょう。」


「ミアさんには、公爵一派の貴族と反勢力の大商人達が、それぞれなんとか1か所に集まるようにして欲しいんだ。」


「わかりました。やってみましょう。」


「ハヤトさんには奴隷商人達を始末してもらって、奴隷達を解放して欲しいんです。」


「容易いことです。」


「じゃぁ、それぞれ報告は念話で送ってきてくれるかな。こちらからも、何かあればすぐに知らせるようにするね。」



 3人はその場から立ち去った。オレと師匠は魔王就任の報告をするためにリリシア帝国のカエサルさんを訪ねた。オレと師匠が城に行くと、門兵も慣れたようですぐに城内に案内してくれた。応接室で待っていると、カエサルさんとアナンさんがアーサーを連れて一緒にやって来た。



「カエサルさん。先日はありがとうございました。」


「いいえ。帝国の人口が増えることはありがたいことですから、気になさらないでください。」


「今日は報告があって来たんです。」


「報告ですか?」


「はい。実はオレ、魔王になりました。」


「えっ?! 今、なんと?」


「魔王になったんです。」


「ええ――――――――!!」



 やはりカエサルさんもアナンさんも驚いた。



「でも、シン殿が魔王になられたのであればこの世界も安心ですね。」


「いいえ、まだまだですよ。うちの四天王に手伝ってもらって、これからアルベルト王国の大掃除をするところですから。」


「シン殿もナツ殿も休まる時がありませんね。」


「仕方ないです。これがオレの修行ですから。」


「なるほど、修行ですか? シン殿に与えられた試練は厳しいもののようですね。」


「ああ、そうだ。この機会にオレは名前を変えようと思っているんですよ。」



 この件は師匠にも言ってなかったので、師匠も驚いている。



「名前を変えるんですか?」


「はい。シンではなく、シン=カザリーヌを名乗ろうと思います。」



 それを聞いて、師匠が目に涙を浮かべた。



「師匠と同じ名前です。ナツ=カザリーヌとシン=カザリーヌです。」


「そうですか。なるほどシン殿の気持ちが分かりましたよ。」


「今更ですけど、師匠は永久にオレの師匠です。オレと師匠は未来永劫一緒ですから。」



 師匠が3人の前でオレを抱きしめた。



「師匠。アーサーが見ているから。」



 アーサーがここで爆弾発言をする。



「父上と母上もいつもしているよ。それに2人とも僕にもするよ。お互いに大事だってことなんでしょ。」



 大人達4人はそれぞれの顔を見た。そして、オレはアーサーに言った。



「そうだぞ! アーサー。これはな、すごく大事で、決して手放したくない相手にするんだ! アーサーもカエサルさんとアナンさんにすごく愛されているってことなんだぞ!」



 アーサーがアナンさんの膝の上にのって甘え始めた。



 オレと師匠は師匠の家に転移で戻った。



「シン。驚いたぞ! 急に何を言い出すかと思えば。」



 オレは頑張って背伸びして、師匠の肩をつかんで言った。



「今までも、これからもずっと師匠を愛してます。」



 師匠は真っ赤になって、身体をくねくねさせて言った。



「シン。早く大人になれ!」


読んでいただいてありがとうございます。

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